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第30話 田舎育ちの強戦士⁉︎(2)

 

 Syoからのメッセージを見て、不思議を思う中、芽威を優先してAlterFrontierからログインした。


「終わりましたよ‼︎芽威様〜‼︎」


 そう言いながら灯台から下を眺めると、芽威が口をメガホンのようにしながら声を上げる。


「早く降りてこ〜い‼︎」

「へいへいぃ〜」


 適当な返事をし、渋々降りていく。そして降りると10cm程背の差がある芽威が怒った顔でバッグを投げつけてきた。


「もう‼︎またサボって‼︎それにほら‼︎」


 芽威が布に包まれた小さな箱を渡して来た。


「弁当まで忘れるなんて‼︎」

「いやぁ〜ごめんごめん‼︎噴火龍との戦いに夢中になってしまって」

「そうだと思った……私が一緒にプレイしてないと時間の事、忘れちゃうんだから……」


 顔を膨らませて怒ると、柳星は笑いながら芽威の頭を撫でた。


「へへへ……学校も良いがこんな良い天気にAlterFrontierしないものねぇ〜‼︎」


 芽威を身体を震わせながら、柳星の手を荒く払った。本人なりの精一杯の怒りを見せた。


「ふざけないの‼︎」


 ーーーーーーーーーーーーーー


 2人は町へと戻り、色んなお店が立ち並ぶ商店街を歩いている。芽威は自転車を押しながら歩き、柳星は頰を抑えながら歩いていた。

 すると魚屋の店主が2人を観ると2人に対し大声をあげた。


「柳星また学校サボったのか‼︎そのほっぺを見れば分かるぞ‼︎芽威ちゃんに叩かれたんだろ‼︎」

「うるせぇやい‼︎」


 顔を赤らめて怒る柳星。それを見て他の店の店主達も大笑いしながら言う。


「あははは‼︎やっぱりお前は芽威ちゃんがいないとダメだね‼︎」

「学校にちゃんと行けよ‼︎」

「彼女の為にも頑張れよ‼︎」


 商店街全域で、サボっている柳星の話題でいっぱいになった。その間、芽威は笑っているが、柳星は恥ずかしくて頭を下げっぱなしになっている。

 そんな柳星に芽威はニヤニヤとしながら耳元で囁く。


「恥ずかしい?」

「あぁ……とってもな……多分1週間は笑いもんだな」

「自業自得よ」


 商店街を抜け、そのまま歩いていると目の前から、ひと昔前のリーゼントや金髪のピアスをしているいかつい顔などの不良高校生10名が柳星の前に立ち塞がった。


「お前かぁ鬼神って呼ばれている奴は⁉︎」

「ぶちのめしてやるぜぇ⁉︎」

「柳星……」


 芽威が怖くなって柳星の背後に回り、軽く柳星の裾を引っ張る。すると柳星はゆっくりと顔を上げた。


「あぁん?」


 顔を上げると、そこにはさっきの恥ずかしそうな顔でもなく、笑っていた顔でもなく、鬼のように怒り、ガンを飛ばしている柳星の顔だった。

 その迫力のある顔に、不良達は少し引き気味になり、冷や汗が出てきた。


「……ひ、でも俺達はお前をぶっ飛ばして……やる……ぞ‼︎」


 10人もいるのに、少しずつ手が震え始めてきた不良達。柳星は芽威を手で後ろへも下げた。そして一歩前に出て、不良達を睨みつける。


「あのなぁ……今の俺は、ちぃぃぃっとばかり気が荒いんでな……来い‼︎」


 そして芽威の頭を撫でて、微笑みながら眼を見て優しく言った。


「少しばかり言ってくるからな」


 そう言うと芽威は素っ気ない感じに言い放った。


「あっそ……行ってらっしゃいね、相手を病院送りしない程度に」

「……分かってるよ」


 そしてバッグを芽威に渡し、手でジェスチャーして、不良達を近くの空き地へと呼び寄せた。


 ーーーーーーーーーーーーーー


 数分後……


「う、うぐぅ……こんな事が」

「我々を倒すなんて……」


 不良達が山のようになって倒れていた。それに対して、柳星は傷1つなく制服に着いた埃を払っていた。


「じゃあな」


 そのまま空き地を立ち去った。すると空き地の前に芽威が待っていた。それを見て、柳星はため息を吐いた。


「何で俺がいつもこんな目に……元はと言えばお前が不良をボコボコしたら、俺がやったみたいな感じされて……それがどんどん噂になってこんな風に……挙げ句の果てに鬼神って異名が……」

「あっちも悪かったわよ‼︎女の子だからってナンパしてくるから……でも柳星も強くて良かったじゃん」

「気づいたらお前が気弱い女の子みたいな感じになって、俺が噂の強い奴みたいじゃねぇかよ‼︎名前も鬼丸柳星だしよ‼︎」

「いいのいいの‼︎私だって喧嘩はしたくないもん‼︎」

「空手やってる奴がよく言うぜ……」


 ーーーーーーーーーーーーーー


 そして公園についてベンチに座り、今日AlterFrontierから届いた通知を芽威に見せた。


「何これ?」

「さぁ、さっき届いた奴でな……シーカーって奴から来たんだ、どっかで聞いたような……」


 お互いに何か思い出せそうで、思い出せない2人。どんな姿で、どんな奴だが思い出せない。すると芽威が何かを思い出した。


「シーカーって……確か……あぁ‼︎思い出した‼︎」

「何だ⁉︎」

「違法カジノで、ブルダングを1人で持ち上げたって人だよ‼︎それに保安局からも何とか逃げ切ったって」

「ぶ、ブルダングを持ち上げて、保安局からも逃げた⁉︎」

「す、すごい……そんな奴からお誘い来たってのか⁉︎」


 芽威もその通知を見て、やはりどこか気になる事も多いのか不思議そうな顔をする。


「骸帝……?センスのない名前ねぇ」

「俺はカッコいいと思うけどね」

「もっと……こう……悪役っぽく……私ならマッドネス木村……とか?」


 あまりにも謎なネーミングセンスに柳星も口を開けてだんまりを決め込んだ。


「……すごいね……」

「でしょ‼︎」


 そして柳星は話題を逸らすようにベンチから立ち上がり、右腕を上げた。


「……よし‼俺は︎このシーカーの元に行くぞ‼︎」

「えぇ⁉︎こんな怪しいメッセージの元に行くの⁉︎」

「当たり前だ‼︎もちろん芽威も来い‼︎」

「私、今日空手の稽古が……」

「今日は休め」

「そんなぁ……」



キャラクター紹介


芽威

身長152cm/体重50kg

柳星の幼なじみであり、空手の稽古をしている。少し前に不良達に絡まれたところをボコボコにし、病院送りにした。毎日柳星に弁当を作ってあげている。

因みに弁当の中はシャケ弁

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