用語解説 2章終了時まで
ひっそり更新です
【基本】
*蚕 (かいこ)
チョウ目(鱗翅目)・カイコガ科・カイコガの幼虫。古来より絹糸を採るために人類に飼われている。桑の葉を食べる。
1齢から3齢までを稚蚕期、4齢から5齢までを壮蚕期という。
*生糸 (きいと)
蚕の繭糸数本を揃え、繰り糸にしたままで練らないもの。
*絹 (きぬ)
蚕の繭からとった動物繊維。また、それを紡いだ糸で織った布。
*桑 (くわ)
クワ科クワ属の落葉高木。蚕の食餌となる。また、その材は高級な木工製品に用いられる。
【養蚕】
*秋蚕 (あきご)
8月頃に育つ蚕。
*毛蚕 (けご)
卵からかえったばかりの1齢幼虫。黒い毛が生えているのでこう呼ぶ。蟻に似ているので蟻蚕とも。
*催青 (さいせい)
蚕の卵を適当な温度に保ち孵化させること。孵化する前日ころには、卵全体が青くなってくるので、この名がある。
*殺蛹 (さつよう)
繭の中のサナギは、そのままでは成虫となって繭を破って出てくるため、それを殺すこと。摂氏100度近い熱風で乾燥させることで1年近い保存が可能になる。
*蚕室 (さんしつ)
蚕を育てる専用の部屋。
*煮繭 (しゃけん)
繭を煮てほぐしやすくすること。また、処理された繭のこと。セリシンが湯に溶け出すので繭がほぐしやすくなる。独特の臭気を放つ。
*上繭 (じょうけん)
製糸原料として合格した繭。普通繭ともいい、不合格のものが選除繭である。
*選除繭 (せんじょけん)
製糸原料として不適当な不良繭のこと。ほぐして真綿にしたり、その真綿から再度糸を紡ぐなどして再利用する。
*種紙 (たねがみ)
和紙もしくは麻布などに蚕の卵を産み付けさせたもの。
*夏蚕 (なつご)
7月頃に育つ蚕。
*春蚕 (はるご)
4月から育てた蚕。
*晩秋蚕 (ばんしゅうご)
9〜10月に育てた蚕。寒くなるので、通常は(加温しなければ)これが1年のサイクルで最後の蚕。
*真綿 (まわた)
主にくず繭を引き延ばし、ほぐして作った綿。やわらかくて軽く、光沢がある。
【製糸・紡績・機織】
*綾織 (あやおり)
生地の織り目が斜めに走っている織物のこと。デニムやツイルなど。伸縮性があり、しわがよりにくいが耐久性は平織に劣る。
*筬 (おさ)
織機の付属用具の1つ。竹もしくは金属の薄片を櫛の歯のように並べ、枠をつけたもの。織物の幅と経糸を整え、杼で打ち込まれた緯糸を押さえて織り目の密度を決める道具。
*織機 (おりき、しょっき)
糸から布を織るための機械。
*朱子織 (しゅすおり)
繻子織とも書く。経糸・緯糸5本以上から構成される。サテンなど。
*綜絖 (そうこう)
ヘルドともいう。織機の部品の1つ。緯糸を通すために経糸を上下に開く器具。
*経糸 (たていと)
織物の縦の方向に通っている糸。伝統的に『縦』の文字ではなく『経』を使うことが多い。緯度経度と用法は同じ。
*飛び杼 (とびひ)
シャトルともいい、緯糸を経糸の間に通す道具。
*練糸
生糸をアルカリ性の薬品で処理してセリシンを取り除き、光沢や柔軟さを富ませた絹糸。
*平織 (ひらおり)
経糸と緯糸が交互に織られている生地。丈夫で、摩擦に強い。
*緯糸 (よこいと)
織物の横の方向に通っている糸。伝統的に『横』の文字ではなく『緯』を使うことが多い。緯度経度と用法は同じ。
【素材・物質】
*コクナーゼ
蚕の成虫が分泌する弱アルカリ性の液体酵素。接着剤でもあるセリシンを溶かして繭をゆるめ、出やすくする。
*セリシン
蚕が絹の生産の際に作るタンパク質。接着剤的な役割を持ち、繭の形成に役立つ。
*ネリ
紙漉き用の糊。
*フィブロイン
繊維状のタンパク質の一種で、昆虫・クモ類の繭糸を構成し、その70パーセントを占める。 カイコの絹糸の主要成分である。
*蜜蝋 (みつろう)
ミツバチの巣を構成する蝋成分。
*俵転がし
くず繭を使った玩具。重りの玉を入れた繭が斜面を転がる様子を見て楽しむ。
【特殊】
*異邦人 (エトランゼ)
異世界から迷い込んできた人間。大抵は役に立つ知識を有するので各国で優遇される。
*フロン
ガーリア王国の通貨単位。1フロン=100円くらい。
*携通 (けいつう)
携帯通信機の略。K2と書くことも。
主人公アキラの出身世界で普及している通信用端末で、電話機能の他にデジタルカメラ・情報端末としても使える。
作中では主に保存してある情報を読み出すことに用いられている。
【魔法】
*《フォルメン》
思いどおりの形に加工する魔法 。
*《ザウバー》
きれいにする魔法。リーゼロッテが改良し、滅菌効果あり。
*《アナリーゼ》
解析魔法。
*《クレーベン》
接着させる。
*《トネール》
雷魔法。フィルマン前侯爵が使う。
*《アンチインフラム》
消炎。腫れを引かせる。
9月29日(土)10:00、新章開始予定です。
20180923 修正
(誤)卵全体が青くなってくるので,この名がある。
(正)卵全体が青くなってくるので、この名がある。




