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98話 神聖な名前

 よろしくお願いします。

 さて、城壁付近の魔物はかなり弱いゴブリンやオークだったのでサクッと倒してしまった。それでもエルフに倒せなかった理由としては魔法がメインになるが、戦士がいないので逃げ回りながら撃たなければならないことや、エルフの数が少ないからだろう。


 「うん、城壁付近はこんなものかな......?」

 【はぁー......疲れたぁ......】

 「.......サティウスは僕の頭の上で寝転がってただけでしょ.......」

 【しがみつくのも大変なんだからね!】

 「ハイハイ......そうですね.....」


 フィルスの興味なさ気な言葉に頬を膨らまフィルスの頭の上で不貞腐れるサティウス。ぶつぶつと文句を言うサティウスに苦笑していると同じ討伐に出向いてくれていたエルフが近寄ってきた。


 「ぬしのその圧倒的な力......それに加わり精霊王様の魔力と数多の属性.....なんという強さなのじゃ.....」

 「え、え~と......僕は主ではなくフィルスで.....貴女のお名前は......?」


 このエルフの女性はフィルス達の目前に始めに現れたエルフで幼い体と顔には似合わない、古くさい言葉を使う。そんなエルフの名前を聞いていなかったと頬を掻きながら問いかけると、少し何かを考えるように顎に手を当てて思案顔をしていたが、答えが出たのか赤く、丸い瞳をフィルスに向ける。


 「《ラック》......我の名前はラックじゃ.....」

 【.......わお.....】

 「へぇ......いい名前ですね!それじゃあ、ラックさん。次は何処の魔物を討伐しましょうか?」


 フィルスの名前を聞いても何も変わらない態度に驚いたのはラックだけではないようで、サティウスまでもが目を見開かせている。


 〈........ん?な、なんだろ?この『こいつ、何いってるんだ?』みたいな視線......え?僕、なんかまずいこと言ったかな......?〉


 【........フィルスは知らないの?】

 「??な、何を.......?ノンシーは分かった......?」

 「いいえ、まったく......何か隠し事?」

 「.......主等.....ま、まぁ、でもまだまだ子供.....知恵が浅くて当然かの.......」

 「人間では10歳でもう成人してますよ......」

 「なんと!......なら主等のエルフに対しての知恵が少ないのか.......それとも、我等と同じく先祖が墓まで持っていってしまったかじゃな......」


 〈た、確かにエルフに関しての書物は少ないね......恐らく、これ以上、エルフに対しての怒りを膨らませないためだと思うけど.......何か可笑しな部分があっただろうか.....?〉


 これは昔をしらない者だから知らなくて当然.......忘れ去られたエルフの文化の1つだ。そんな事とは露知らず、首を傾げるばかりのフィルスとノンシーにやれやれといった感じでサティウスが口を開く.......


 【.......エルフにとって、ラックっていう名前は神聖なんだ......人とエルフの隔たりを一番最初になくしたエルフの名前で、その名前の多くは王族につけられた......】

 「っ!?.....って、ことはつまり........」

 「.......第15代エルフ王......それは我、《ラック・エルザリン》だ......」


 〈っ!?......そりゃ、サティウスも【わお.....】って言いたくなるよ......〉


 目を見開かせるフィルスとノンシーは状況整理も兼ねて黙り込む......サティウスもラックもそれを待つ......というか、サティウスはだらけているだけだが......


 「.......ん?じ、じゃあ、女王......様?」

 「......まぁ、そういうことじゃ。」

 「......クロは知ってた?」

 【........興味ない。】


 相変わらず、なんにでも興味を持たないクロに苦笑いを浮かべるフィルス達.......だが、そんな雑談などを続けるわけにもいかず、次なる目的地を決める。


 「.......そうじゃな......ここら、一帯は山賊の棲みかでもある......その山賊達がエルフを捕まえて高く売ろうと動いておるそうな.......王として見過ごせぬ......」

 「んじゃ!さっさと片付けますか~.....!」

 【お~!】

 「【うん.....!】」


 フィルスの掛け声にそれぞれが答え歩き出した......だが、これで苦戦するとは夢にも思わないフィルス達なのであった.......

 ありがとうございました。

 次回から山賊のアジトへ!ちなみに山賊は人間です。お楽しみにっ!

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