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94話 気を引き締めて

 よろしくお願いします。

 「オ前等.....死ヌゾ?」

 「.....え?」


 〈な、なんなんだろ?このドラゴンは......い、いきなり余命宣告してきたんだけど〉


 戦闘が終わったフィルス達を見下ろしていた草龍はいきなり可笑しな事を言ってきた。何故、そんな事を言ったのか分からず首を傾げるフィルス達に草龍は呆れたとばかりにため息を吐く。


 「オ前等。今カラ、エルフノ滅ビタ里ヘ行クンダロ?ソンナ所ニ人間ナンテ行ッタラ生キテ戻レナイッテ事ダ」

 「そ、そんなこと言われましても....僕達にもやらなければならないことが──「ソレハ、命ヲカケレルノカ?」──.....」


 〈確かに、命をかけれるか?と言われれば.....どうだろ?う、うーん......ハハッ、そうか。そうだよね〉


 フィルスは少し考えて自分の答えを探し出した。色んな引き出しを探し回ったが見当たらず、何処にあるかと思案していたら思い出した.....ポケットにしまっていたことを。


 「そうですね。エルフと人間の仲が戻るのであればそれも良いかもしれません。でも、僕は死ぬつもりなど更々ありません。仲間を信用してるから忘れてました.....僕は死なないし、仲間は殺させない!って、ただ、それだけです」

 「.....タトエソレガ、叶ワヌ幻ダッタトシテモカ」

 「幻なんてことはまず、ありえませんから.....僕が言ってることが幻なのだとすれば、それを実現させられるのは──僕達です」

 「フフフ......フハハハハハハハハハッ!!ソウカ、ソウカ!自信ニ満チテオリ結構ダ!ダガ、オ前等ニ待チ受ケル試練ハ、一筋縄デハ達成デキナイ」草龍は考えるような間を置くと目を細めてフィルスを一見した。

 「フム。ナラバ俺ノちからヲ持ッテイケ。絶対、役ニ立ツ」


 〈.....結局、この人はいい人なのかな?それとも悪い人なのかな?ま、まぁ、力をくれるっていうのはありがたいけど.....〉


 別に断る理由もないので「あ、ありがとうございます」と言ってしばらく待ったが草龍はしばらくするとその葉っぱのような翼を広げて地上から浮き上がった。


 「俺ハ青龍ミタイニ雰囲気ヲ大事ニシヨウナンテ思ワンカラ儀式ナンテ、マドロッコシイ事ハヤン。モウちからハ授ケタ。俺ハ帰ル。気ヲツケロヨ....エルフハ人間ヲ恨ンデルカラナ」

 「あ、はい!ありがとうございました!草龍さんもお元気で!」


 空中を旋回する草龍にそう言って手を振ると草龍は口角を上げて夕日に染まる空に溶けていった。


 「.....なんか、変わったドラゴンだったわね」

 【ホントにねぇー。変わり者の気持ちはとんと分からないよ】

 「へぇ、同じ変わり者でも分からないんだね」

 【そうなんだよねぇーって!僕は変わり者じゃない!!】


 フィルスの言葉に顔を赤くするサティウスを笑うフィルス達はその場で野宿する事にした。

 翌朝、朝の日差しが差し込まないうちにフィルス達は馬車を走らせた。やはり、その時間帯は夜行性の魔物がねぐらに戻る時なのもあり、魔物によく襲われたが、馬車を停めることなく片付けたのでなんの問題もない。


 「あっ!あれかな?すごいでかい門」


 しばらく道なりに馬車を走らせていると大きな門が目の前に現れた。その向こう側は霧でうっすらとしか見えないが木々が生い茂っているのが確認できる。

 馬車を近くで停めるとフィルス達は御者にお礼を言って門へと近づいていった。


 〈ここからは本当に気を引き締めないと.....仲間は僕が守るんだから!〉

 ありがとうございました。

 次回からエルフの里へ!お楽しみにっ!

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