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91話 8年後

 よろしくお願いします。

 あれから色々あった──


 時には龍種程の魔物退治、時にはクレプーをスイーツ店に教授、時には帝王からの呼び出しで散歩の護衛.....

 この世界にある四大国の首都も廻って問題やクエストを達成してきた。だが、結果的に帝都に居ることが多くなり、フィルスは帝国でこう呼ばれた──『ヒーロー』と。

 数々の魔物襲撃を未然に若しくは小規模な被害で済ませたり、帝王に気に入られていながらも威張らず、どんな者にでも手を差し伸べるフィルスはまさしくヒーローか天使だ。

 魔物の帝都大襲撃から早8年。

 フィルスは18歳になっていた。帝国は相変わらず平和で、フィルスも安心なのだが、少し悩みもあった。


 「そろそろ帝都を離れようか?」

 「う~ん.....やっぱり、そうよね。ここじゃあもう問題らしき問題もないでしょうし.....少し遠方に行ってみるのもありかもね」

 【そうだねぇ。怠けるのも良くないしねぇ】


 〈.....それを寛ぎながら言うかな。まったく......〉


 相変わらずのサティウスに呆れながらもフィルスは苦笑する。

 ノンシーも女性らしくなり、クロとサティウスは.....特に変わらない。フィルスもかなり背も伸び、男らしい顔立ちとなり、帝都では美男子という肩書きでも有名だ。


 「さて!じゃあ、何処行こっか?」

 【.....ちょっと、行きたい場所.....ある.....かも】

 「あら?クロが?.....珍しいわね」


 〈確かにクロが自分から何かを言うこと自体、珍しいね。ふむ、気になるし聞くだけ聞いてみよう〉


 クロが自ら発言するという珍しさで聞いてみることに.....だが、それは驚愕の場所だった。


 【.....エルフの.....滅びた里.....行ってみたい】

 「「【......へ?】」」


 これはまさしく驚愕ものだ。エルフの里と言えば500年前に滅んで今は誰も近寄らない忘れられた里になっている。今はその里がどのようになったのか知るものは誰もいない。そこへ何故か行きたいと言い始めたクロ。訳が分からないフィルス達は同じタイミングで同じような気の抜けた声をあげる。


 「え、えと、つ、つまり.....もう500年も前に滅んだエルフの里に行きたい、ってことだよね?」

 【.....うん、フィルスなら.....行けるでしょ?】


 〈な、なんで僕なら行けるって思われてるんだろ?う、うーん.....どうしたものか......〉


 だが、クロの言葉の通りフィルスなら恐らく行けるだろう。他の人では行けない理由。それは──エルフの里に一番近い帝国に、エルフの里へ通じる門があるからだ。

 つまりは、もう滅んでしまったエルフの里へ行くことは商人にも許可されていない。そんな場所へ行けるのは帝王と仲の良い、フィルスくらいだろう。


 「.....でも、いくらハーリスと仲が良いったって、理由は必要だよ?どう説明するつもりなの?」

 【それなら心配無いんじゃな〜い?フィルスも分かってるんでしょ?帝王のお悩みをさー】

 「.....」


 ぐぅの音も出ない。フィルスはそう言いたげに固まった。

 確かに、帝王はエルフを滅ぼしてしまったことを後悔している。高度な治癒技術、精密な鉱石の精製.....エルフはかなり貿易したい種族であっただろう。だが、エルフはそれを話そうとしないため、無駄に高い金を要求する我が儘な種族としか見られていなかったのだ。

 再び、エルフを探しだし、エルフの里を復興させれば、かなりお得な貿易相手と言えるだろう。


 「わ、分かったよ。取り敢えず、ハーリスに手紙を出して──「いや、さっき、宿屋へ手紙が届いたらしいわよ?帝王様から」──マジですか」


 ジャストタイミングとでも言うべきか.....そんな帝王の手紙は案の定呼び出しであったので早速、何時も泊まらせてもらっているドラゴンの隠れ家にある部屋で帝王に会う準備を始めるフィルス達であった。

 ありがとうございました。

 ここからはかなりのテンポでストーリーが進んでいくかと思います!戦闘、恋愛、友情・・・書きたいことも盛りだくさん!お楽しみにっ!

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