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9話 やかましいわ!

 遅くなってすみません!

 「......う~ん........何処の宿に泊まろうか?」

 【別に野宿でも良いんじゃない~.......?】

 「当然の脚下。」

 


 フィルスはお爺さんの長話から解放され、宿を探すため庶民街を歩いていた。その時にふと違和感を感じた........根拠はないし理由もない.........ただ、何かにずっと見られているような感じ.........それは徐々に近づいているようでもあって薄気味悪かった。


 「........サティウス.....何かにつけられてる.....気がする.......」

 【うん、あってるよ~.........フィルスは何かにつけられてるっ!】

 「そんなのどうでもいいから......誰?男性?女性?暗殺者?チンピラ?」

 【そんなに気になるなら、自分で聞いてみれば~.......】


 〈ぐぬぬっ!他人事だと思って.......取り敢えず、路地裏の死角で待ち伏せしておこう。〉


 そう思ったフィルスは足早に路地裏へと入り込み機会を窺った。手には両親から貰ったミスリルソードを握っており、護身用として構えている。

 ざっざっざっ........何かが土の上を歩く音が徐々に近づいてくる。固唾を飲んで機会を窺っているフィルスの体は緊張と恐怖により小刻みに震えていた。


 「........止まって下さい......」

 「っ!?」


 平静を装おって相手の背中にミスリルソードの刃を向けながら話しかける。相手はフィルスより少し身長が高く、フードを深くまで被っていた。


 「フフッ.........酷いわね.......幼馴染みを罠に嵌めるなんて.......」

 「.......えっ?」


 その声には聞き覚えがあった........幼い頃から一緒に遊んだり、習い事をしたりしていたノンシーの声と同じ...........出発の時刻は知らせていなかったので、見送りには来ていなかったが何故か今、フィルスの目の前にいる。


 「.........の、ノンシー?」

 「もうっ!勝手に旅立っといて、怪我まで負わせようって気!!」

 「ご、ごめん......でも、後をつけることはないでしょ....?それに!サティウスは分かってたのなら、ちゃんと言ってよね!」

 【いや~.......感動の再会っていう方が良いかなぁ~......と思ってさ~.....】


 〈感動の再会で、幼馴染みを傷つけてたまるか!?.......まぁ、それは兎も角.......〉


 「.......なんで居るの?」

 「え?私も行くからに決まってるじゃない!」

 【おー!いきなり仲間が増えたね~.......!】

 「いやいやいや!旅っていっても、生易しいものでもないし、人の手助けをするのが僕達の目的なんだよ?!」

 「それくらい百も承知よ!!ただ..........貴方一人にさせたくないから......」

 「ノンシー........」


 〈ぐぬぬっ!これは、断れないパターンじゃないか?!.......そ、そんな目で見ないでくれ........絶対分かってるよね!?僕が人の頼み事は断れないってこと......!〉


 最後の最後まで、悩みに悩みきった結果.......


 「......はぁ~......じゃあ、宿探しを再開しよう.....」

 「決まりねっ!」

 【アハハハハ.......弱いね~頼みごとには......】


 〈やかましいわ!〉

 ありがとうございました。

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