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89話 詰まるところ・・・

よろしくお願いします。

 「と、言う訳だ。」

 「.....え?え、えとー.....詰まるところ、貴方方は暇だからこの世界を創ったと.....?」

 「最初は、じゃがの」

 「.....最初は.....ですか?」


 いつの間にか鉄の縄をほどいたカーストが呟いた言葉をフィルスがおうむ返しで尋ねる。二人はとても優しい顔をしていた。我が子との思い出を幸せそうに思い返す親のように。


 「人間は我らの思う以上に成長した。ありとあらゆる工夫で魔物から身を守り、1つの知恵だけでは足りないと群れをなして生活をした。建造物を造りだし、壁で周辺を覆った時は我らも驚かされた。ここまでの知恵がもう備わっている、のだと.....」

 「言葉、文字、魔法、武器.....知恵がつけばつくほど、改善された数々の物は本当に驚かされるばかりじゃわい。じゃが、それに連れて、感情というものも豊富になっていきおった」

 「.....エルフ。本当は魔物として生み出した生物であったが、独自に進化を重ねて言葉まで話せるようになっていきおった。それに伴って魔力も膨大なものとなり、感情も人間並みに豊かになってしもうた。ぶつかり合うのはもはや必然.....やっとのことで成長した人間も、独自に成長したエルフも.....全てが無駄になってしまう。そう思った我はこの世界ごと創り直そうと考えたのだ」

 「......」


 やはりそうであったのだ。世界を滅ぼそうとしたのは事実で、激怒した理由も大体あっている。


 やはり半身ずつになってしまったためか思考が偏ってしまうようだ。まぁ、それ以外にも理由はあるのだろうが、創り直すか見守るかで創造神は.....いや、光と闇の軍勢は激突した。

 激しい攻めあいの末、決着は着かず、部下が全員倒れたことにより撤退したのだという。


 「まぁ、あの時は少し気が荒れておったのでな。今は、再び戦争をせん限りは滅ぼさぬよ。」

 「あの時は本当に、サティウスに救われたといっても過言ではないのぉ。ワシ等二人では決着は着かぬからな」

 「え?さ、サティウスが何かしたんですか?」

 「我らを殴り飛ばしたのだ」

 「ハッハッハ!なかなかの鉄拳じゃったな!」


 〈さ、サティウスぅうううぅぅぅうう?!!よくそんなことできたね?!神様なんだよ!産みの親だよ!?な、なかなかの根性だね.....〉


 豪快に笑うカーストと冷静に話すシンクス。どちらとも殴られたことを怒っていないようだ。いや、逆に感謝しているようで、その瞳は優しかった。


 「この世界は不平等──そうかもしれぬな。だが、それは地球も、日本も同じことよ。必ず何処かで差異がある。これは我らが口出しすることではない。そのための使者だ。お主は得意属性に闇と光を埋め込まなかったが、我らが最も信頼するサティウスを同行させておるのだ」

 「ワシ等と同じでなかなかの変わり者ではあるが、役に立つ時は役に立つし、フィルスの助けともなるじゃろうて.....それに、フィルスにはこれから起こりうるありとあらゆる問題を解決してもらいたいのじゃ。ワシ等ではどうすることも出来ぬのでな」

 「.....この世界のトップの期待に応えられるかは.....正直分かりません。途中で投げ出すかも.....途中で命を落とすかも......だけど──」


 〈そうだ。死なないって、ずっと側に居たいって、ずっと側に居るって約束したんだ。死ぬわけには.....いかない〉


 フィルスの目には確固たる決意が、その手には努力の塊が.....その思考には、自分と相手を思える考えが詰まっていた。

 そんなフィルスは握った右拳を胸に当ててゆっくりと口を開く。


 「期待に応える努力はします!」

 「良く言った!フィルスよ!」

 「お主のその言葉が聞けて、我らも安心じゃ......ではな。フィルス・クレイアよ」


 閃光のような光がフィルスを包む。その眩しさに思わず目を細めてしまう。

 次の瞬間には薄暗い通路の真ん中に立っていた。夜は深さを増したようで月明かりが通路に沢山ならんである窓から入ってきており、少し肌寒さも感じる。


 〈.....うん。まずは寝よっと〉


 フィルスはそう心の中で呟いて自分に割り当てられた部屋へと戻り、サティウスがスヤスヤ眠るベッドに横になって眠りに就くのであった。

 ありがとうございました。

 今回の話でも進展はなかなかありませんでしたね・・・・・・・少し、迷っております。このまま、まったりでいくか、それとも飛ばして進展させていくか・・・・・・・そこら辺はアドバイスや自分で考えて決めたいと思っております!

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