88話 この世界が出来た理由
よろしくお願いします。
「我らの秘密とはな.....」
「ワシ等の秘密とはな.....いで!!」
「貴様は大人しく座っておれ!」
〈や、やばい......真面目な話とは思えなくなっていく.....〉
[コホン.....失礼した]
相変わらずコントのような会話をする二人に呆れた眼差しを送るフィルス。だが、この話はまさに驚愕的であり、人に話すにはあまりにも壮大な出来事であった。
「我らは昔、1つであったのだ。」
「.....え?」
あまりのこと過ぎて頭の処理が追い付かず、最初は無表情であったが、時間が経ちデータが整理されるにつれ、目を見開かせ口をポカンと開ける。
「え、えぇえええぇええええええぇぇぇえ!!?」
「なかなか面白い反応じゃな」
「貴様は黙っておれと言っておろうが!」
〈え??ひ、1つだった?!シンクス様とカースト様が!?〉
〈そうじゃ。先ずは、順を追って話すとしよう。あれは我らが生まれて一億年の月日が流れた頃であった.....〉
〈壮大過ぎて言葉がでない.....〉
時は遡ること数億年前。その時はまだ二人は1つであった。その名前は──『暗光神 シンクス・カースト』だ。
無表情で何事にも合理性を求める。そんな神であったが、他にも神は多数いた。
「貴殿、何故、世界、創らない?」
「そんなものを創って何が楽しいのじゃ?合理的ではありませな。」
片言で喋ってくるのはブラフマー.....インドで語り継がれる創造神である。そんなブラフマーの問いかけに何言ってるんだ?と言わんばかりに首を傾げるシンクス・カーストは合理的ではないと世界を創ろうともしなかった。
「汝は合理性という言葉しか知らぬのか?我らはそれぞれが持て余す力を最大限に使いたいと動いておるのに.....」
「そんなものを我に求められても困るというものじゃ」
少しつまらなそうな瞳でシンクス・カーストを見るのは天之御中主神という日本の創造神である。そんな天之御中主神に困り顔で肩を竦めるシンクス・カーストは、世界を創る気は更々ないようだ。
「それよかさ、太陽の船完成させたいんだけどさぁ。僕が触ると焼けちゃって、造れないんだよねぇ」
「そりゃ、お主は太陽そのものじゃからな。」
まったりな口調で困っているのはエジプトの創造神であるラーだ。釘を一切使わず、造ろうとする船は後に人界へ落っことすそうであるが、その前に完成しそうにないのは、ラーが太陽そのものなので、木が焼けてしまうからだろう。
「まっ、創ってみるのもありだと思うよぉ。シンクス・カーストもどーせ、暇なんでしょ?」
「むぅ.....それはそうじゃが.....まぁ、我も創ってみるとするかの」
こうしてこの世界、シンクス・カーストは誕生して、その均衡を保つために光と闇の軍勢を創り出し、自らも半分ずつに別れて光の神 シンクスと闇の神 カーストが誕生したのであった。
ありがとうございました。
本当は創造神だから、世界を創ったというのが常識なのですが、何せ創造神が多いのが地球なので・・・・・・・国を創ったという設定にさせていただきました。ご了承下さいm(__)m




