表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/386

85話 お疲れのサティウス

 よろしくお願いします。

 【はぁ~〜.....疲れゃたぁー】

 「お疲れ。カースト様が置いていったお茶でも飲む?」

 【オチャは苦いから嫌いなんだぁー】

 「あ、そうなんだ」


 〈う、う~ん.....こんなに疲れてるサティウスを見たのは初めてだ.....神界の仕事はそれだけ難しいのかな?〉


 夜に帰ってきてクタクタのサティウスを見る限り、神界の仕事は大変なのだと感じるフィルス。確かにサティウスは疲れ果てたようにベッドでゴロゴロしている。普段ならだらしないと言いたいところだが、疲れがあるのにそんなことを言うのは酷だし、フィルスだってゴロゴロしていたので言える立場ではないだろう。


 「晩御飯はもう終わったからね。サティウスの分は僕が適当に作ってあげるよ」

 【クレプー!】

 「材料がないから却下。まぁ、城の厨房を借りて作るから、あるかどうか分からないけど.....」


 〈いや、あるだろうなー。またクレプーか.....なんか、別のスイーツを作ってもいい気がするけどね。まぁ、ご要望があるからクレプーかなぁ〉


 クレプーは確かに作り慣れており、簡単に作ることはできるのだが、やはり作る側は常に進化したいわけで、同じものを同じように作るのはつまらないというものだ。


 〈うん、少し作り方でも変えてみようか.....いや、それはまた今度にしとこ。今は疲れてるサティウスに美味しいもの作ってあげなきゃだしねっ!〉


 そう考えたフィルスはサティウスに一声かけてから厨房へ向かった。余程疲れていたのかサティウスはこちらに顔を向けることなく突っ伏せた状態で手を振っているだけであった。

 彷徨いながら何処にあるかも分からない厨房を目指す。夜中でも見廻り等で歩いている衛兵達に道を聞きながらであったので思ったより速く着けたのは幸いであった。


 「よしっ!じゃあ、卵と小麦粉を拝借して.....」

 「む?おぉ!帝王の護衛をしていたフィルスではないか!」

 「え?──っ!?こ、国王様!」


 何故か、厨房の中にいた国王に話しかけられ、慌てて跪こうとするがそれは手で制される。


 「よいよい。こんな夜にまで礼をするなど、疲れしか溜まるまい」

 「は、はぁ......」


 国王はそう言って優しい微笑みを浮かべる。厨房の奥からはやかんが音を鳴らしており、国王はそれを聞くと慌てて火を止めにいく。どうやら、国王は飲み物を作っているようだ。

 あんな豪奢な服を着てお湯をポットに注いでいる後ろ姿は笑いものであるが、それよりも不馴れな手つきが微笑ましい。


 「手伝いましょうか?」

 「ん?あぁ、いや、お主も何か作りに来たのであろう?ならばそちらを優先されよ」

 「あっ!よろしければ国王様もお食べになりますか?クレプーという食べ物なのですが」

 「ふむ.....分かった。じゃが、我はこれから仕事なのでな。出来上がったら執務室まで出向いてくれぬか?ちゃんと話は通しておくのでな」

 「はい、分かりました。お仕事、頑張ってくださいね」


 フィルスのその言葉に満面の笑みで「うむ」とだけ答えて、お湯をいれたポットを持って厨房を出ていった。

 フィルスはその後ろ姿をしばらく見つめてからクレプー作りへと取りかかるのであった。

 ありがとうございました。

 今回は本当に何もない話になってしまいましたね(^^;

 次回は国王とお茶タイム!お楽しみにっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ