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79話 ある意味的外れ

 よろしくお願いします。

 「うは~.....でかっ」


 王城の門──帝国もそうであったが、なんともでかい。

 少しそんな圧倒的なまでに高く聳え立つ門に思わず感嘆の声が漏れる。その門はフィルス達の馬車が来るとゆっくりと大きな口を開けて中へ入れる。


 「多分、近衛兵は一人だけだろうから.....フィルス!一緒に来て!」

 「えっ?あ、うん?こ、近衛兵じゃないですけど?」

 「はぁ~.....申し訳ありませんがフィルス様。帝王様にも策がおありでの事でしょうから.....同行して貰えませんか?」

 「は、はぁ.....マークリウスさんがそこまで言うなら.....」


 マークリウスのため息混じりのお願いに断ることもできず、渋々引き受けるフィルス。恐らく、帝王に頼まれても.....というか、誰に頼まれてもフィルスは断れないだろうが.....近衛兵やノンシー達は馬車の近くでお留守番するとして帝王を先頭に王城の中へと入った。

 豪奢な印象を与える玄関は広く、清潔で流石は王城といった感じだ。

 通されたのは広いスペースで、謁見の間ではないのは王として平等であることを表しているのだろう。


 「待たせてすまない。我は忙しいのでな。ダメ王よ」

 「それは、それはお忙しいところ大変申し訳ありません。偏見王」


 〈せ、戦争でも始める気か!?なんだこのピリピリした感じは.....〉


 国王と帝王は犬猿の仲というのは本当のようで、会って口を開くなり喧嘩腰である。そんな国王と帝王の間には火花が散っており、互いに睨み合う。だが、しばらく睨み合っていた国王はフィルスへと視点を変えてもの珍しそうに見る。


 「おい、お主。ダメ王とそこまで歳が変わらぬように見えるが、どうしてこんな所に.....?」

 「ホント、偏見王は困るよね~。僕もフィルスも成人してるんだよ?全然、子供なんかじゃないから」

 「お、お初にお目に掛かります国王様。あなた様の御壮大な御顔を拝見でき、至極の極みにございます。」


 〈こ、こんな感じかな?言い方間違ってなかったかな??う~ん.....やはりこのしゃべり方苦手だな〉


 フィルスは我ながら良くできたのではないかと思っているが、これで合ってるのか?と言われれば自信はない。だが、国王には及第点だったのか感心した面持ちに変わった。

 帝王としてはこれが狙いであったのだろう。礼儀正しく、言葉上手なフィルスなら挨拶もまともにできるし、子供だと思われるだろうから興味も持たれて話が進みやすくなる。


 「ふむ、なかなか礼儀正しい子だ。名前は?」

 「.....フィルス・クレイアです。冒険者をしております」

 「フハハッ!貴族で冒険者か!確かに、この国でも8歳にして貴族街から旅立った者がいたな」

 【ちっ!負けた】


 〈そこ張り合わなくていいからね?!なんか帝王様まで悔しげな表情してるけど!?で、でも8歳か.....未成年なのに凄いな.....〉


 フィルスは感心の顔を、サティウスと帝王は悔しげな顔を浮かべる。国王はフィルスに興味津々のようであれこれ問いかけてくる。

 なんというか.....帝王の読みはある意味外れたようで、本題に入るまで1、2時間をかかってしまった。


 〈この人本当に忙しいのだろうか.....?〉


 フィルスの疑問は間違ってないと思うが口には出せずに話の受け答えに集中するフィルスであった。

 ありがとうございました。

 次回、本題に突入!帝王はどうやって国王に頼むのか・・・・・・・お楽しみにっ!

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