66話 探し人は元死神!?
よろしくお願いします。
廊下を覗き込むため曲がり角に手を置いて恐る恐る顔を廊下に突き出す。相変わらず薄暗い廊下は今の心境や状況では到底冷静ではいられず、息が荒くなるのを抑えて心臓の高鳴りを落ち着かせる。落ち着きを見せだした自分の心を見計らって再び廊下に顔を出す。廊下の真名から辺は何も見えないし、見たくないので壁側の蝋燭の真下辺りに目を凝らすが何も居ないようでほっと胸を撫で下ろす。
〈.....き、気のせいだよね.....そ、そうだ。ノンシー達の気配を感じなかったけど......大丈夫かな?〉
自分が危機的状況から解放されると直ぐに仲間への心配が頭を支配した。試しにまた気配を探ってみる.....カーストとサティウスの気配は先程より強く感じ、ノンシーと帝王は僅ながら感じれる。それはそれで可笑しな話だ。だって、まだフィルスは顔を動かしただけで、そこまで移動してないのだから.....
すると、後ろから気配を感じた.....近寄ってきている訳ではない.....いや、これは.....そう思ったフィルスは恐る恐るブリキ人形のような動きで後ろを振り返る。何分くらいかけただろうか.....?いや、数秒だった気もしないでもない。だが恐怖からか、時間の流れが大分遅く感じるのだ。
「.......ひぃ!?」
振り返った後ろには自分よりは背の高い女性で.....透けている。別に服がとかではない。普通に女性が透けているのだ.....この恐怖に耐えきれずまたもや変な声の悲鳴がでてしまった。白いワンピースは伸縮性が良いのかくっきりと女性のラインを露にさせており、豊胸な胸は扇情的に強調されている。
だがフィルスはそんな色気には目もくれず、言葉にならない声を出しながら後ずさる。気配を感じなかった理由.....それは、この女性と『重なってた』からだ。別にいやらしい意味でのものではなく、本当に女性と重なって、女性の気配が邪魔をして感じることが出来なかったのだ。
『今ごろ気づいたの~?.....それで、貴方に聞きたいことがあるの.....』
〈知りません!黄泉の国が何処にあるかなんて!!自分で探してください!或いは、僕以外の人に聞いてください!〉
『怯えすぎでしょ!?私はただ、貴方に探し人を聞きたいだけなのっ!』
〈.....うわぁ~ん!その人探して呪い殺すんだ~!!〉
『違うわよ!失礼ねっ!』
顔を地面に突っ伏せ正座した状態で後頭部に手を当てて恐怖が過ぎ去るのを待つフィルス。だが、この世界は残酷で女性は過ぎ去るどころかフィルスが見えると分かり、余計に話しかけてくる。失神したいのに出来ないのもこの世界が残酷だということをひしひしと感じさせる。だが、幸運なことにこの女性は決して悪意があるわけでは無いようで、探し人が何処にいるのか聞きたいだけなのだそうだ。
だからといって恐怖が治まるわけではないのだが.....
〈で、で?そ、その探し人を見つけてどうされるんですか?お化けさん!〉
『私の名前は《ハルナ》です!探し人は.....私の夫です.....』
「.....えっ?」
〈少し事情が変わった.....フィルスはそう言いたげに突っ伏せていた顔を上げて女性を見る。悲しそうなその表情を見れば、助けないわけにはいかないだろう。〉
『.....私は数百年前に亡くなりました。彼はそんな私を最後の最後まで看病してくれて......死んだときは物凄く悲しんでくれました。そんな彼と.....最後に約束したんです。「二人が初めて出会ったあの場所で、もう一度会おう」って.....』
〈うん、何となく分かってきた。つまり.....この町が出来たから場所が分からない.....って、事ですか?〉
『ご名答です。だから、そんな彼を何処かで見かけませんでしたか?名前は.....《ステファ》です。』
「.....へ?え、えぇぇえぇえええぇ!!?」
ありがとうございました。
えっ?誰の事か分からない?これはですね~!アルファポリス様の方で書いた短編小説です。是非見てくださ・・・・・・・・・宣伝になってしまいました!スミマセン(。>д<)




