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65話 響くは声、高鳴るは鼓動

 よろしくお願いします。

 さて、ミルクレープも作り終え再び食事室へと戻るフィルス。薄暗く静けさが漂う空間は不気味さをより濃くしている....カツコツと聞こえるのは自分の足音であるのは分かってはいるのだが、響いて聞こえるその音は自分の心拍数を増やしているようであった。

 この廊下は長いし広い。故に廊下の壁にある蝋燭は真下ほどしか照らさず中央を歩くとなれば何も見えはしない。フィルスは暗がりが苦手であるため内側の壁のスレスレを歩いている.....白状するとフィルスは霊が怖いのだ。いや、霊を信じてはいない.....信じていないからこそ恐ろしいのだ。何故ならこの世界に幽霊と言うのは存在する魔物であるのだから....ゴースト、呪縛霊、口裂き女みたいな魔物等々が存在する。

 だが、それを受け入れたくはない.....前世に住んでいたのは昔ながらの和風な家で、あの時もあんな時も、近くに幽霊がいたのかも.....そう思うと鳥肌が止まらないのだ。


 〈うぅ~......こわ.....じゃなくて、不気味だな~.....速く皆の居るところへ行こう。皆も心配してるだろうから.....〉


 『はぁ~......まだかな~.....まだ来ないのかな~?』


 「ひっ!?」


 突如聞こえた....?その声にでかかった悲鳴を抑えるフィルス。だが、その声は四方八方から聞こえてくるような....響いて聞こえてきて、何処に声の主が居るのか分からない。薄暗く何も居ない筈の廊下.....直ぐそこに見える突き当たりを右に曲がって道なりに進めば食事室がある....つまりゴール目前での強敵到来だ。人影ひとつ見当たらなくて窓を叩く風の風切り音が響き渡り蝋燭を揺らす。自分が止まれば止まる足音は心なしか音の強さを増していく....だからといって、振り替えれば何も居ない.....

 目視は出来ないようだ.....ならば!と思い曲がり角程で気配を探る。だが、遠方にカーストとサティウスの強力な気配を感知できるのみで他は何も感じない.....いや、それはそれで可笑しな話だ。何故なら自分の近くを飛び交う蚊の微量な気配ですら感知できるのに、人間のなかでは強い帝王やノンシーの気配は感知できないなどそんな可笑しな話があるはずかないのだ。


 『はぁ~......来ないな~.....あの人はまだかな~.....?』


 〈......お、おお、恐ろしい!?な、なんでこの人の声は響いて聞こえるんだ?!〉


 ついつい本音まで漏れるフィルスは恐怖と戦いながら周りを見渡す。いつまでもため息混じりに何かを待つ女性のような声は収まるどころか強さを増していく。ついには.....


 『ねぇ?貴方はあの人が何処にいるか知ってる?ねぇ?聞こえてるんでしょ??ねぇ?.....聞こえてるわよね?』


 〈.......〉


 無視である。こう言うときに話しかけてはいけないって言うのを聞いたことが.....あれ?あれは悪魔だったっけ?ま、まぁ、どちらにしろ関わらないに越したことはないだろう。だが、逃げるとなっても問題が残る.....先ず、何処にいるの?全くと言っていいほど感じないその気配に神経を研ぎ澄ませているにはいるのだが、感知することは出来なかった。試しに角から曲がった先の廊下を覗いてみる......だが、これでやっと分かった....この響く声の主が何処にいるのかを.....

 ありがとうございました。

 気になるところでの区切り、申し訳ございません(。>д<)でもこれ以上すると区切りが見えそうもありませんので・・・・・・・・次回にご期待ください!

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