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6話 一々疲れるよ

 よろしくお願いします。

 「..........はぁ~........着いちゃったよ.......」

 【大丈夫、大丈夫!良い意味で目立つからっ!】

 「良い意味で目立つって言われても.........今から目立つのはごめんなんだけどな........」


 結局、良い言い訳は思い浮かばず馬車はゆっくりと停止してしまった。フィルスは深ーーーいため息を吐きながら建物の扉を開けて中へと入る。

 中は綺麗な装飾が施されており、長い廊下が続いている。その廊下には幾つもの部屋があり、部屋の中には木製の机と椅子が並んでいる。

 先ずは、机が一切置かれておらず、やたらと広い部屋へ向かう。もともと動きやすい服装で来るようにと言われていたので、半袖、長ズボンで動きやすくした。

 ちなみに、半ズボンにしなかったのは、フィルスが半ズボンを履きたくなかったからだ。


 「おーし、全員そろったな~.........じゃあ、先ずはこの机の上に置かれている水晶に手をかざして、ステータスチェックを行う。」


 だらけた口調の講師は生徒を見渡しながら水晶を指差す。フィルスは深いため息をつきながら出番を待った。


 〈あ~あ.........本当にやだな.........僕に驚く項目って言ったら得意属性かな..........?〉


 フィルスの言う得意属性とは、生まれつき使える魔法で人間なら1~2個程ある。


 五属性魔法

  炎、水、風、土、無

 

 大二属性魔法

  闇、光


 特殊魔法

  精霊、獣人固有


 と別れている。ちなみに、闇と光は神が使わした使者だとされており、今はこの世に一つとない属性である。

 フィルスが自分が注目されるのが得意属性だと言ったのは.........


 「..........な、なな、なっ!?ふ、フィルス.........なんで人間のお前が........『精霊属性』なんて持ってるんだ.........?」

 「........さぁ?」


 さっきまで、だらだら見ていた講師は突然目を見開いてフィルスと水晶を交互で見ている。そんな講師の問いかけにフィルスは首を傾げながら分からないと答えると部屋に精霊の魔力を流し込む。これは、妖精を見えるようにする効果があるらしいが、魔力を切らすと見えなくなる。

 見えない人でも見え続けるようにするには専用の魔法があるらしいが、残念ながらフィルスは覚えていない。


 「「「うわーーーーーー!」」」

 「.......妖精は直ぐ近くに居ます.........僕達が気づいていないだけで、いつも僕達の傍に........でも、怖がることはありません!妖精は温厚な性格で、敵意さえ向けなければ何もしてきませんっ!」


 フィルスは演説でもするかのような口調で話す。驚いていた子供達もフィルスの言葉で大分落ち着いたようで、近くに居た妖精や、フィルスの肩に乗っているサティウスをマジマジと見ている。


 「........それに、魔力量も大人並みにはあるんじゃないか?」

 「..........え?」


 再び水晶を見始めた講師がそう呟く。フィルスは首を傾げながら水晶に目を通す........


 フィルス・クレイア


体力  14

力   12

魔力  23

器用  13

俊敏  15


 得意属性 精霊、水、土


ウォーターボール《水玉》

サンドボール《砂玉》

精霊王の加護



 「..........ヤバイね........」

 【それは、僕の力の一部も入ってるからね~........】

 「.........はぁ~..........一々疲れるよ........驚くのに........」


 この日から生徒に一目おかれる存在になったフィルスであった.........

 ありがとうございました。

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