50話 光の町
なんと!50話突破いたしました!これも皆様のお陰です!ありがとうございました!そして、これからもよろしくお願い致します!
「ここは《ヤンリック町》.......この町で宿泊して翌日にまた新たな町へと向かいます。」
「え~.....何日かのんびりして行こうよ~......」
「ダメです!帰りなら兎も角、行きは急ぎますので......それに、ちゃっちゃと終わらせてちゃっちゃと帰りたいとおっしゃったのは帝王様ですよ!」
「僕は気分屋なの!言ってることもやってることも日によって違うんだよ!」
「「「【【.......】】」」」
相変わらず呑気な帝王にこの馬車に乗る者は皆、呆れた眼差しを帝王に送る。それは兎も角、見えてきた町は最近出来たのか城壁が綺麗で複雑な形をしている。聞いたところによると、ここの町長は貴族の中でも金持ちらしく、城壁や建物のデザインにはとことん拘っているそうだ。だが、その代わり滅茶苦茶住民税や土地の値段が高いのだそうだ。
それでも、この町が栄えているのは観光地としては申し分が無いからだろう。町は綺麗で自然豊か......食べ物屋も多く並んでおり、犯罪率も低いのだそうだ。
「うわ~......綺麗.....」
「えぇ、この町は《光の町》と言われるほどに美しい見た目が特徴ですからね......夜は光る木々が綺麗だとかで観光地として栄えているのだそうですよ。」
〈うへ~.....光の町ね......スッゴい名前だけど、木々が光るって綺麗なんだろうな~.....原理は分からないけど......〉
その綺麗な城壁に見とれているとマークリウスが丁寧に説明をしてくれたのでよりいっそう、この町に興味が増した。食べ物も美味しいのらしいのでそこら辺の楽しみもある。
サティウスはずっとクレプーと呟いているのだが、まだこの町まで広がってはいないだろうからクレプーはお預けだ。
【.......ならフィルスが作れば良いじゃんか!!】
「えっ!僕が作るの?!」
「そうよ!発案者はフィルスなんだから、作れるでしょ?!」
【辛いの......辛いクレプー......作って.....】
〈ぐぬぬ.......援護射撃とは卑怯な........ま、まぁ、作れないことは無いけどもね......〉
今はクエストを受けているのだ。それを遂行しているときに油断は禁物で、しかもフィルス達が守っているのはこの国のトップだ。尚更気は抜けない。
「なに?なんの話をしてるの~?妖精が何か言ってるの?」
【ノンシー!帝王もこっちの味方にしようよ!そうすればフィルスも作るだろうから!】
「......おい.....」
「了解!」
「おい!」
〈あ、あれは作戦なのかな??滅茶苦茶丸聞こえだったけど......う~ん......あっ!でも、帝王がそんな認めてくれるわけが......〉
「なに!クレプー作ってたのフィルスなの?!作って!」
「........はい?」
〈うん、分かってた.......この人なら許可どころか頼んでくるだろなって......く、くそ......これは作るしかなさそうだ......〉
最後の最後まで突破口を探したが見つからず、せめて執事のマークリウスだけでもこちらに味方してくれればと思ったのだが.......甘党なのだそうだ.......
結局味方が居ないので仕方なく了承すると皆、跳ねて喜んでいた。
「じゃあ、食材調達と......調理場に調理器具が必要になりますけど.......?」
「僕を誰だと思ってるのっ!帝王だよ!そのくらい朝飯前だよ!」
【こんなときだけやる気を見せるんだね........】
「それは人のこと言えないでしょ?」
やる気を見せた帝王に呆れた眼差しを向けるサティウスに突っ込みを入れてため息を吐くフィルス。馬車は門で並ぶ商人達を無視し直で門を通れた。光の町と言うだけあって人でごった返した大通には街灯が数多く並び、その間に一本ずつ程木が生えて統一感と自然の緑を感じられた。
「さぁ!先ずは食材調達と調理場、調理器具を探そう!」
「ダメです!先ずは、この町の町長に挨拶です!」
「え~.......けち~.......」
「「【【.....】】」」
〈帝王より執事の方が大変だ.......そう密かに心のなかで思ったフィルス達であった........〉
ありがとうございました。
今までで楽しく書かせて頂き、50話までたどり着きました。これからも毎日投稿と面白い小説を目指して頑張って参りますので何卒、よろしくお願いします!




