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5話 僕、可愛そう

 よろしくお願いします。

 「ちょっと何言ってるのか分からないです。」

 【実は.........僕........『精霊王』なんだ~......】

 「........へ~......」


 フィルスは別にどうでもいいと言った感じでサティウスを冷たい目で見る。サティウスは苦笑いを浮かべながら首を傾げてふしぎがっている。

 

 【あれ~........?全然驚かない.......少し、時間を置きすぎたのかな?】

 「.........出会って直ぐの事を言っているなら、もっと驚いてなかったと思いますよ?」


 〈精霊王?なにそれ?知らない..........小説でも、図鑑でも出てこなかったから、まったく知らない........〉


 そんなフィルスの心を知ってか知らずかニタニタ可愛らしい微笑みを浮かべて誇らしげに胸を張るサティウス。


 【知らないのもその筈.........普通の人間には妖精、精霊は見えないからね~........それに、僕は神界の上層部で過ごしてたから、人界に降りたのはこれで.....3回目?くらいかな~】

 「3回程は来てるんだね.....」


 〈外国人が日本に3回位、来たことがあるって言ってるのと変わらないんじゃ......?〉


 フィルスの考えが可笑しいのか、サティウスの常識が可笑しいのかは、分からないが取り敢えずは、二人の考えが一致していないというのは確かなようだ。


 【う~ん..........僕の凄さが分かれば、苦労はしないんだけどな~........もう少し、フィルスが強くならないと実力の半分の半分も出せないんだよ~】

 「........1/4ね.......」

 【ちょっと何言ってるのか分からないです。】

 「僕の言葉をパクらないで!?」


 だが後に、自分がどれだけ凄い相手と契約しているかが分かるのはまだ先の話であった.........だから、今はこう思うだけ.......


 〈.......変な精霊王と契約したもんだ.......〉


 【取り敢えずのフィルスの目標は!強くなることっ!良いね!】

 「..........はぁ~.......もうちょっとのんびり出来ると思ってたのに........頼み事は受け入れないとね~.......」


 〈.........それが、直人だった時に母さんから教わった事だから........〉


 フィルスは心の中でそう呟くと、もうそろそろ迎えに来るであろう習い事の教室へ向かう馬車に乗るための準備に取りかかった..........



 「お~い!フィルス~.........!」


 馬車が到着したので外へ出ると女の子の快活な声が聞こえてきた。そちらへ目を向けると、この近所に住んでいて同じ習い事を習っているノンシーが手を振って駆け寄ってきた。ちなみに、ノンシーとは幼馴染みである。


 「やぁ........ノンシー......」

 「どうしたの?元気がないね........契約妖精に変なこと言われた?」


 〈.........それはもう.........契約『精霊王』のせいだよ......〉


 ちなみに、ノンシーには妖精と契約しているというのは話している。だが、精霊王についてはサティウスから口止めをくらっているので、話すことが出来ない。勿論、口止めとは言ってもただの口約束なので、破ることは出来る.......だが、それはフィルスにしてみれば卑怯者のすることでしかない。


 「ま、まぁ.......色々あってね........」

 「そっか~........大変ね........」


 フィルスの疲れきった表情に同情の表情を浮かべながら同じ馬車に乗り込む。剣術と魔法学は同じ建物にあり、日によって受ける生徒も科目も違う。ちなみに科目は自分で選べて、フィルスは剣術と魔法学を勉強している。ここは学校ではなく、日本で言うなら塾みたいなものだ。


 「.......そう言えば今日は、ステータスチェックがあるわね。」

 「........なにそれ?」

 【.......少し、君が目立っちゃう行事だよ~......】

 「なにそれ?嫌なんだけど........」


 〈嫌なイベントが発生するって分かっているのに、行くしかない............僕、可愛そう......〉


 そうは思いつつも進んでいく馬車に深いため息を吐きながら、必死に言い訳を考えるフィルスであった......

 ありがとうございました。


 もう少し、一話一話を長くしようと思っております。

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