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40話 命が尽きぬ限り

 よろしくお願いします。

 暗闇が広がっていた.......だが、寂しいとか、悲しいとか、痛いとか、辛いとか......そういった感情はない......あぁ、そうか......誰かが隣で自分の名前を呼んでくれてるからか.....マイペースのだらけもので.......でも、優しくて強くて.......自分が一番信頼できる存在......

 あぁ、もう目覚めの時か.....今、行くよサティウス.......さようならキーリス......


 「【フィルス!!】」

 「もう、うるさいな.......もう少し寝かせてくれても.....ぐほっ!」


 サティウスとノンシーの名前を叫ぶ声に文句をつけながら起き上がろうとするフィルス。だが、それは飛び付いてきたサティウスとノンシーに邪魔されて再び地面に転がる.......というか、叩きつけられた。


 「もう......!心配かけないでよね.......!」

 「うん、ごめんね.......ノンシー」

 【良かった.......!本当に良かった......】

 「うん、ありがとう......サティウス。」


 抱きつく二人をフィルスもそっと抱き寄せて互いの無事を安心しあった。


 「......あっ!そういえば、閻魔大王は?!キーリスは?!創造し......うぷっ!」

 【しっ!創造神様のことは秘密だよ!】


 フィルスの言葉にサティウスが慌ててフィルスの口を手で塞ぎ口止めをする。これは創造神二人によって口止めされているからだ。理由としては『我等が居なくとも成り立てる平和でなければ真の平和とは呼べぬ。』だそうだ。


 「じ、じゃあ、閻魔とキーリスは.......?」

 【閻魔大王は流石に創造神二人には勝てないのを知ってるからね。大人しく帰っていったよ......キーリスは......】

 「いいよ.......もう、聞かなくても分かるから.....」


 言いずらそうにしているサティウスを見てフィルスは切ない顔で首を横に振って察していた通りなのだと自覚した。


 【.......本当は生き返らせれたんだ......創造神様がそうしようかと尋ねてきたんだ........僕は直ぐに首を縦に振ったよ.......でも.......キーリスがそれを拒否したんだって.....】

 「っ!?ど、どうして........?」

 「『生物はいつしか死ぬ......私の役はここで死んで天国からフィルス達を見守ることなんです。』だそうよ......」


 〈ハハッ......キーリスらしいといえばらしいね.....でも、もう一度だけでも.......一瞬だけでも........会いたかったよ.........〉


 悲しいのに、苦しいのに.......フィルスは泣きながら微笑んでいた。最後の最後まで自分の知っているキーリスであったことを嬉しく思う反面、まだ生きていてほしかったという悲しみも同時に込み上げてくる。


 「っ!?ご、ごめんね......男の僕がしっかりしないといけないのに泣いたりなんかして......」

 【......悲しみは盾......憎しみは矛.......負の感情も立派な武器......貴方はまた強くなった......痛みを知るのも........世界を救う役に立つ.......】

 「それに、貴方は一人じゃないわ!男とか女とか関係ない!泣くときは泣けば良いじゃない!!私たちが傍に居てあげるから!」

 「っ!!........ありがとう........ありがとう........ありがとう.........」


 溢れんばかりのこの気持ちを言葉にしたいけど......涙で前が見えなくて、込み上げてくる泣き声でその言葉は消されてしまう.........一回では伝えきれないから......何度も何度も......繰り返して......少しずつ渡していこう........多分、今日一日中言っても収まりきらない.......だから、何日も何週間も何ヵ月も何年間も伝えていこう.........一緒にいる限り.......命が尽きぬ限り.......

 ありがとうございました。

 帝都防衛戦終わりを迎えました・・・・・・すみませんが、キーリスを生き返らせることは出来ませんでした・・・・・・ですが!次回からもフィルスのお人好しは続きます!お楽しみにっ!

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