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36話 神々の鉄槌

 よろしくお願いします。

 「さぁ!始めようか!僕の敵討ちを!!」

 【フィルス.......!】


 空は晴れることを知らないように黒く覆われ、所々で帯電が起きては地面に降ってくる。風は吹き荒れ、木々は悲鳴を上げるように靡き、地面は怒りに震える。

 まさにこの世の終わりを絵に描いたような光景に人間は固唾をのみ、魔物は恐怖に震え上がった。


 「小僧.......半端な力を見せつけると命取りだぞ?」

 「フハハハハハハハハッ......!ハハハハハハハハハッ!!誰に!口聞いてんだよ?!!

 .........あぁ、そうか......君は敵だったっけか......?あぁ、そうだったね......うん、そうだよ.......じゃあ、殺処分だね......」

 「主は僕が.....守るんだ!!」


 〈え~と........この敵がこの子の主......ってことはこの子も敵か.............うん、敵だね........殺さないと.....〉


 いきなり目の前に現れた少年に驚くこともなく頭の中で敵だと格付けすると、少年が振りかぶった拳を流れるように避けてから腹部に一撃拳を叩き込む。

 少年はその激痛で顔を歪め、口から血を吐きながら吹き飛んでいった。かなり遠方まで飛ばされた少年は木に体を強く打ち付けられそのまま気を失ってしまった。


 「.......んじゃあ、次は君だね......」

 「なるほど......我が僕よりも強いか......少しは楽しめそうだな!!」

 「っ!?あ、あれって.......フィルス?!」

 

 城壁から離れているのであまり正確には分からないが、禍々しい魔力を身に纏わせたフィルスの姿がうっすらととらえられた。


 【フィルス、怒ってる........凄い力......サティウスでも止められない.......】

 「そ、そんな......フィルスは何をするつもりなの?!」

 【......そこまでは......分からない。】


 顔を青くして尋ねるノンシーにクロ申し訳なさそうに肩を竦めて首を横に振った。魔力量は簡単に読み取れるが、こんな長距離から感情を読み取るなど妖精であるクロでも難しい。

 ノンシーはただ、フィルスとサティウス、キーリスの無事を祈るだけであった.......


 「ハハハハハハハハハッ!!君を楽しませたりはしないよ?手足引きちぎって、血が全部抜き取られるまでずっと殴り続けて殺す!!」

 【フィルス!!目を覚まして!!】

 「.......黙っててくれる?........君に用はないし、第一........フィルスって、誰だよ.......?」

 【.........えっ?......な、何言ってるの?!君の名前でしょ?!】

 「.......僕に名前なんてない......もう、捨て去ったものだから.......焼却炉にでも燃やされたよ.......」

 【......そ、そんな......そ、そうだ........!僕の名前は?!君の幼馴染みの名前は?!あの子の名前は?!】

 「.....全員、知らない.....!僕の思い出と共に捨てちゃったよ........」


 フィルスはまるで感情を無くしてしまったような無表情の顔でサティウスを見る。その目にはサティウスがどんな人格であると写っているのだろうか?全く興味のないような目は一通りサティウスを見つめてから黒甲冑に向き直る。まるで、サティウスへの興味が完全に失われたように.......


 「.......貴様も力を追い求めるばかり、大事なものを置き去りにしたか.......滑稽だな......フハハハハハハハハッ!!実に滑稽だ!!」

 「力は最強の矛にして盾......それが記憶を捨てた事によって得られるのであればそれに越したことはない.......僕はそう思っただけだよ?」


 〈そうだよ.......自分の足りないところを補ってもらったばかりにこんなことになっちゃったんだ.......なら、自分が完璧になれば良いんだよ.......誰かを死なせないために.......あれ?誰を死なせないんだっけ?........僕は何を守ってるんだっけ?......なんでこの黒甲冑と戦うんだっけ?あぁ、何も思い出せないや.......なら、それで.....いっか。〉


 フィルスは考えるのを放棄してミスリルソードを抜いた。この剣がなぜ手元にあるのか.......何故、自分が剣を使ってるのかさえ忘れてしまった........でも、これでいい気がするからこのままでいい........帝都を背に戦ってればなんでもいい気がした.........


 「じゃあ、殺るね.......全属性魔法......《神々の鉄槌》」


 それを唱えた瞬間......雲が、空気が、地形がうねりをあげながら姿を変えていった........

 ありがとうございました。

 少し、終わり方が雑になってしまった気もしないでもないですが・・・・・・・と、兎に角!フィルスの大ピンチで世界も大ピンチ?!今後、どうなっていくのか・・・・・・・こうご期待!!

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