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34話 すみません

 よろしくお願いします。

 「死ねぇぇ!」


 怒りと憎しみが詰まった一振り......相変わらずの正確さで首を跳ねることの出来る鎧と兜の間を狙ったのだ......が、その攻撃は相手の首を通り抜けて空を切る。

 その光景には誰もが目を疑った......相手からは余裕の笑みが見てとれるがキーリスは仮面をしているからか、どんな顔をしているのか予想がつかない。


 「こんな戯れ事に付き合う気はないぞ?」

 「まだまだ!!」


 つまらなそうなその声にキーリスは一瞬、悔しそうに顔を歪めてから立ち向かっていった.......キーリスも分かっていたのだ........確実に勝てないと.......勝つことなど不可能に近いのだと.......相手から感じる魔力量も、立ち回りも、全て自分の上をいっているのだと.......あぁ、だからか.......だから、自分の両親は死んだのか.......

 そんな諦めに近い感情さえ湧き出てくる。だが、仇をとるために.......必死で何回も、何十回も、何百回も振り続けた.....腕が引きちぎれそうなほどに痛く、空気はどんどん薄くなり、息はどんどん上がっていくばかり.......相手が出してくるのは漆黒に輝く禍々しい箱形の空間だけ......だが、その空間に入ってしまえばゲームオーバー......所謂、クソゲーだ。最初から詰んでいる.......


 「フハハハハハッ!!!スピードが落ちてきたぞ?!もう、終わりなのか?!!お前の両親はもう少し楽しませてくれたぞ!!」

 「黙れ.....黙れ......黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れぇぇえぇええぇえええぇぇぇ!!!!」


 倒せない......でも、倒したい.......こんな気持ちをぶつける相手には一切として攻撃が通らず、イライラは積もる一方.....諦めは強さを増していき、力はどんどん減っていく.....足は限界を迎え始め、目の前は霞んでいく.......これが終わるときなのだろうか?.......これが、絶望という感情なのだろうか.......?

 そんなとき.......とうとう足は言うことを聞かなくなり完全に停止した。黒甲冑は壊れた人形を見るようなつまらない眼差しでキーリスを見てから手を振り上げた。


 「《ゴーレムの一撃》!」

 「っ!?ふ、フィルスさん.....?」

 「ぐっ.......蝿ごときが!」


 少年と戦っていた筈のフィルスは土の魔力を固めた拳で黒甲冑を吹き飛ばした。いくらダメージが通らなくても飛ばされるみたいで見事に遠くまで飛んでいった。


 「大丈夫?!もう少し速く片付けたかったんだけど.......」

 「た、倒せたんですか......?あの少年......」


 するとフィルスは残念そうに首を横に振る。いくら黒甲冑よりも弱いとはいえ、フィルスに勝てるほど弱くもない。指を指した方角にはかなり遠方に砂煙が上がっていた。


 「倒すのは無理だったから、殴り飛ばした!だから、直ぐにまた戦わないといけない........」

 「そ、そうなんですか.....」

 「戦う必要などない........!ここで二人まとめてあの世行きだ!!」

 「「なっ!!」」


 かなり遠方まで飛ばしたはずなのだが、いつの間にか無傷でフィルス達の目の前に立っていた。その威圧と闇の魔力は凄まじく、死を直感させた。

 

 「すみません!!フィルス!」

 「なに.......?どわっ!」


 急に謝ってきたキーリスを見るため振り返ろうとするとおもいっきり横に弾き飛ばされた。

 慌ててキーリスを見ると......笑っていた........闇に包まれ行く空間の中で.......不器用に.......一筋の涙を流しながら........

 

 「《ブラックボックス》!」

 「っ!?き、キーリス!!!」

 ありがとうございました。

 こ、これは私にとっても苦渋の選択でした・・・・・・・・キーリスはこのあとどうなってしまうのか?!こうご期待下さい!!

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