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3話 今言っても遅いからね?!

 よろしくお願いします。

 直人はこの世界について、色んな人から教わった。

 まずは、この世界は《シンクス・カースト》という世界でここはトリウス帝国の帝都にある貴族達が住む住宅街。

 直人は貴族の三男坊として産まれた《フィルス・クレイア》であった。そして、妖精だと話していた《サティウス》は......これはまた後程.....


 「うわぁ~......さすが、貴族街だけあって建物が大きいねぇ~......」


 3才になって言葉が話せるようになった直人.....フィルスは街に繰り出して、散歩をしていた。サティウスはフィルスの肩に乗り自分で飛ぼうとはしない。彼曰く「飛ぶのは面倒なんだ!」だそうだ。


 〈僕ももう3歳児か~.......この世界を救うって、一体何をするのだろうか......?〉


 両手を後頭部で組ながら、そんなことを考えていると後ろから声が聞こえる......


 「フィルス様~!........はぁはぁはぁ.....一人で街を出歩かれては困りますっ!ちゃんと私目におっしゃってからお出かけくださいと何回言えば、分かるのですか?!」

 「ルシー........だーーて、ルシーに言ったら、こそこそ後ろ付けられるから、散歩を満喫出来ないの!」


 フィルスの専属メイドのルシーはいつも、フィルスの散歩に付いてくるなという命令を聞かずにこそこそ後ろを付けて、しまうほどの心配性である。


 「それは.......あなた様に何かあればと、心配で......」

 「ここは、貴族街だよ?警備隊はいつも巡回してるし、貴族に扮した警備隊もいるから、安心な街でしょ?」

 「うぐっ......で、ですが......やはり、それでも完全に安全とは言えません!」

 「1%の可能性も見逃さないってことか........」

 「い、いちぱせんと?.......フィルス様は時々、訳の分からない言葉を使いますね......」


 〈う~ん.......発言にはやっぱり、気を付けないとね.....〉


 この世界にはそんな難しい計算術は無い。つまり、この世界には足し算、引き算、掛け算、割り算位しかなく、お金の遣り繰りも大変なんだとか......


 「ねぇ?サティウス.......僕はどんなことをしたら良いの?世界を救うって言われても、全然分かんないよ.......」

 【良いんだよ~.......今のうちは楽しく暮らしていたら.....まぁ~、剣術とか魔法学とか覚えておくのも良いかもね~.....護身用で。】

 「........護身用.......ね......」

 

 〈確かに、剣術は怖そうだから嫌いだけど、魔法学は少しだけ興味もあったしな~.....少しだけ、だけどね~?〉


 「フィルス様.........先程から、何とお喋りなさっておいでですか?」

 「.......へ?....えっ?み、見えないの?!ほ、ほら!僕の肩に乗ってる、妖精だよ......?」

 「.........フィルス様.........妖精というのは、人間では見ることが出来ませんよ?」

 「.......そ、そんな~......サティウス!な、なんで、言ってくれなかったの?!」

 【........う~ん........なんとなく!】

 「理由になってない!?」


 〈くそ~........食事中とか、サティウスに話しかけてたのをお父様とお母様、お兄様方にお姉様方が不思議そうな目で見られていたのは、気のせいではなかったのか........〉


 フィルスはサティウスに話しかけた時の周りの目を思い返して、呆然とする。何故、自分は気づかなかったのだろう?と.......テヘッと舌を出して片手でコツンと頭を叩くサティウスの姿は可愛らしいが、今は腹立たしいことこの上ない。


 「あ、あの~.......フィルス様?」

 「.......何?」

 「い、いえ......もしかして、フィルス様は精霊使いなのではないかと......」

 「.......精霊、使い?」

 【うん.......そだよ~~......】


 ルシーが恐る恐る聞いてきた言葉にフィルスが首を傾げていると、サティウスは頭を縦に振り肯定している。


 〈何それ?初耳なんだけど......〉


 「.......サティウスはなんでそんな大事なこと教えてくれないんだよ~.......」

 【いや~......そうなんだよっ!君は精霊使いなんだよ!】

 「今言っても遅いからね?!」

 ありがとうございました。

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