28話 魔力の結晶
今回も相変わらずの短さとなっておりますっ！すみません・・・・・・
「【精霊王の受託者】」
その魔法が唱えられた途端にフィルスとサティウスの周りを精霊の魔力が渦巻く。そのあまりにも強大な魔力に魔物は怯え、大地は悲鳴をあげ、砂ぼこりが舞う。
サティウスはその瞬間から意識を失った......いや、意識をある場所に移したのだ。
「へぇ～.....これが人間の体なんだ～........何してるんだよ！これは僕の体だぞ？！」
一人二役とはこの事である。１つの体に２つの意識が入ることにより、魔法の精密さ、剣術の操り方も変わってくるのだ.....だが、それだけではない......
「ははっ.....予想以上の魔力量だね？サティウスって.......どう？尊敬した？........ちょっぴりね.....」
そう、サティウスは意識だけではなく魔力をも移し変えたのだ。魔力は格段にサティウスが上.......だが、剣術はフィルスの方が上をいく......その二つが重なれば......
「最強だね.....！」
フィルスの得意属性である水魔法を唱えてみる。だが、いつもと違い威力も、一回で放てる魔力も桁違いとなっており、目の前の魔物はすべて遥か彼方へと水圧で飛ばされていった。
「.......一気に！.....決めるよ！」
サティウスの力の一端を見てから、少し口角をあげて全８種類の属性の魔力を膨張させる。灼熱の魔力ですべてを焼き尽くす...炎、凍える魔力ですべてを凍りつかせる...水、吹き荒れる嵐と怒れる雷の魔力ですべてを貫く...風、母なる大地の魔力ですべてを守る...土、あらゆる魔法を無に変え自分の勝てとする魔力...無、精霊を使わせるもののみが使え災いから守る魔力...精霊、全てを照らし出しすべての者を導く魔力...光、全てを暗闇へと葬り死と絶望の魔力...闇、この８つを一つづつ魔力を凝縮させスーパーボール程の大きさにする。
「大きさじゃない.......大事なのは威力だよ.....」
サティウスのアドバイスを聞きながら凝縮した魔力の球体はフィルスの周りを回り始める。
これが成功の証なのだ。全ての魔力が発動者を主と認め、力を貸すという意思表示なのだそうだ。
「じゃあ......いくよっ！」
フィルスがそう言って軽快に走り出すと魔力の球体はフィルスを追いかけるようについてくる。
目の前の魔物たちはフィルスが突っ込んできているのを見て雄叫びをあげながら戦闘体制に入っていた。
〈食らえ！全属性の力の結晶を！！.....帝都はっ！家族はっ！仲間はっ！僕が必ず守って見せるんだ！！〉
ありがとうございました。
これからまだまだ帝都襲撃は苛烈を極めていきます！お楽しみ・・・・
