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19話 馬鹿にしかしてないよ?!

 よろしくお願いします。

 「えっとですね......」


 フィルス達のステータスチェックが始まった。まず、始めにノンシーが水晶に手をかざす。

 すると、水晶は淡い光を放ち直ぐに消えて、文字が浮かび上がってくる。


 冒険者 ノンシー・カリスト ランクF


体力  32

力   21

魔力  34

器用  26

俊敏  24


 得意属性 炎、無、精霊


ファイアボール

ラブァボール

ファイアソード

バインド(無)

パワー小アップ

妖精の加護

 効果、発動時、発動者を発動者よりも魔力の低い者からの魔法から守る。一部、防げない魔法有り。



 「せ、精霊属性.......エルフ........じゃ、無いんですよね?」


 受付の男性は訝しげな視線をノンシーに向けながら尋ねる。ノンシーは髪を捲って耳を見せる。これが、なによりの証明となるからだ。エルフは人間に滅ぼされかけている存在であり、たまに帝都等でも発見されることがある。エルフの特徴として耳が長い、子供のような容姿、魔力が桁違い等々があるが、やはり見た目で判断するには耳を見せるのが一番なのだ。

 ノンシーがエルフじゃないと分かるとホッと胸を撫で下ろす男性職員だが、それだと疑問が残る。


 「.......では、何故......精霊属性をお持ちで......?」

 「この人よこの人.........フィルスが生まれつき契約交わしてる精霊が居るの.......それで、私にも契約させてもらったって訳........闇妖精とね.......」

 「まぁまぁ.......落ち着いて......次、僕ステータスチェックしても良いですか?」

 「え、えぇ、どうぞ.......」


 〈み、皆の視線が痛いな........お前も規格外なんだろ?って思われている感じがする......〉


 先程まで酒を飲んでいた冒険者も、楽しそうにお喋りしていた冒険者も、皆フィルス達に釘付けであった。10歳の子供とは思えない程の魔力と戦闘技術........そして、普通の人間では得ることの出来ない精霊属性を持っている。それも、闇妖精なのだ.....闇属性は人間では到底手に入れられる事の出来ないもの.........その属性を持っている時点で英雄となり、国宝級のおもてなしを死ぬまでされ続けられる存在.......

 それが今目の前に居るとなれば誰もが固唾を飲んで見守るのは当然なのである。


 「では、この水晶に手をかざしてください。」

 「はい........あっ!」


 フィルスが手をかざした瞬間に水晶には亀裂が入り始めた。まるで、悲鳴を上げるようにピキピキと音を鳴らしながら広がっていく水晶の亀裂はとうとう、水晶を一周して水晶は真っ二つに砕け散った。


 「あ、あちゃ~........な、なんでですかね?」

 「わ、分かりません........このような事は冒険者ギルドの歴史上、初めての事ですので........」

 【おっ!快挙だね~おめでとう!】


 〈そのおめでとうは僕を馬鹿にしかしてないよ?!!そ、それよりどうしよう........弁償かな?弁償なのかな??〉


 フィルスは何故、水晶が砕けたのかではなく、弁償しなくちゃいけないということで頭が一杯だった。そんな中、こんなに騒がしいのに聞こえるほどに大きな音をたてて冒険者ギルド玄関の扉が開き始めた。


 「.......新米の職員さんは知らないか.........その亀裂はあんたが初めてじゃねぇですよ.......二人目.......って、言った方が分かりやすいかな?」


 光がそれほど差し込まない冒険者ギルドの中から扉を開けた外は光の世界とでも言うべきか.......兎に角、神々しくその人物を照らし出していた。だが、普通に奇妙な点が二つほどある.....一つ目、その人物は少女のように背が低のもあってか、後ろから見える尻尾のようなものが余計大きく見える。だが、不可解なのはそこではなく、尻尾の数だ。

 九本.........尻尾の数は、九本ある。狐のようにモフモフの尻尾ではあるが、狐がいくら化けれたとしても、九本もとなると、また違ったものが思い浮かぶ........

 それから、もう一つ......その少女は、顔が見えない。光のせいでもあるのだろうが、なにより、仮面をつけているからだ。


 「.........君は......?」

 「私が名乗ったら.........いくら払ってくれるんですか?」

 ありがとうございました。

 この少女は『空っぽの自分の心にあるもう一つの世界』というアルファポリス様の方で書かせて頂いております物語にも出てくる人物です。

 よろしければ、そちらの方もご確認下さい。

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