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166話 親友で戦友の力

 よろしくお願いします。

 「どう戦う?!数じゃ圧倒的にこっちが不利だ!」

 「そうだな......大地!あの隊長は.....任せるよ?」

 「......あぁ.....!しっかりぶった斬ってやるよ!」


 大地は口角を上げてそう叫ぶと一気にアルゾットへ駆け出した。それを阻止しようと黒装束の者達が立ち塞がるが、それを排除するように大地の斜め両サイドからあらゆる属性の魔法が撃ち込まれ、それを防ごうとシールドを展開するその一瞬の隙に大地は縫うように黒装束の間を抜けて光の魔力を剣に纏わせアルゾットに振るった。


 「大地のところには行かせないよ!」

 「クリファ!ノンシーさん!魔法での援護お願いします!ダンクス、ノーナガさん、サディさんは後衛の人たちを護って!」


 突っ込んでいった大地を心配することなく指示を出すたつ。その指示に皆が頷くのは理に適っているからだろう。たつ、ルシファー、フィルスは敵の方が数で有利なことに怖じけずくこともなく襲ってくる敵を一体一体斬り伏せていく。


 「たつさん!」

 「了解!「混合魔法!《ダークデスインパクト》!!死の黒い衝撃波」」

 「世に安寧を!罪深き者どもに光の裁きを!《大天使の槍》!」


 たつとフィルスはまるで心が通じあっているように今、相手にしてほしいことを瞬時にこなし、連携しながら敵を撃つ。ルシファーは一人で出せる高火力で敵をものともせず地に伏せさせ、こちらの戦いは案外、呆気なく終わった。


 「......あとは.....大地か......」

 「あいつなら大丈夫ですよ。確かに、俺より魔力量少ないし使者って呼べる性格してないかもですけど......あいつは俺の親友で戦友なんで。」

 

 たつは光の魔力を剣に纏わせ相手に隙を与えない動きで敵を翻弄する大地を見つめながらそう言って微笑む。それを裏付けるように大地の斬撃は相手の体を徐々に斬りつけていき、アルゾットはそれに苛立っているのが目に見えていた。


 「つっ.....小癪な!《インパクト》!」

 「ぐっ.....!無詠唱.....!」


 大地を近づけないために相手が無詠唱で魔法を唱えたがそれがどうやら諸刃の剣だったようでアルゾットは肩で息をする。どうやら魔力が底を尽きつつあるようだ。

 だが、アルゾットは魔法という魔法を唱えたのは大地を吹き飛ばした魔法だけであろう。なのに肩で息をしてしまうということは......


 「.....アルゾットって人.....もしかして......」

 「えぇ.....魔力が極端に少ないんでしょう。大地もそれに気づいたようですよ。」


 これで勝敗は決した.....誰もがそう思った。だがアルゾットは急に笑い始め大地に短剣を見せつけるようにして何か話している。大地はその言葉に再び体勢を低くし戦闘体勢へと突入する。


 「《シジッロディスペル》!」


 アルゾットがそれを唱え自分の人差し指を少し斬りつけ血を短剣へと伝わせる。すると今まで普通の短剣のような見た目だったアゾット剣は赤く光始めそれがアルゾットへ流れるように全身が赤く染まっていく。完全に赤がアルゾットの体に伝わったとき、硝子が割れるように赤い光が消え姿を現したアルゾットはまるで人間の姿をした化け物のようであった。

 真っ黒な肌にはち切れんばかりの筋肉。モヒカンのような髪型に赤く染まった髪の毛。目は完全に白眼を剥き短剣が可愛く見えるほどに化け物化してしまったアルゾット。だがそれを見ても大地は怯えることはなく冷や汗を流しながら苦笑する。


 「剣に弄ばれた結果がその姿かよ......情けねぇったらありゃしねぇ.....だからこそ、終わらせてやんよ.....その禁断の武器とかなんとかの呪いをよ!!」

 「あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛......!」

 「愚か者をも救うべし、黒い獣を穿つ刃で今その苦痛から助けたまわん!光魔法!《光呪解斬 光沢一閃》!!」

 ありがとうございました。

 次回はついに決着!お楽しみにっ!

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