146話 化け物は味方
遅れてすみません!
よろしくお願いします。
フィルス達が向かうともう馬車は門前にスタンバイされており乗組員もどうやら残すところフィルス達だけのようで、途中から駆け足で向かい荷台へと乗り込んだ。
出発した馬車は地図から見て西に進み、途中で分かれ道を北へと進む。やはりフォーレシア付近は安全なようで北へ曲がるまでの道のりで魔物と出くわすことはなくこのまま順調に進むと思われた。だが......北へ曲がってからは一転。魔物が次々と襲いかかり、馬車があまり進めずにいた。
「......いくらなんでも襲ってくる回数が増加しすぎだよ.....何か裏があるんじゃ.....」
「考えられますね......俺たちが王都で戦っていた魔物はすべて魔族が傘下にくだした魔物だったので、今回は王都を取り返そうとする俺たちを阻止するため.....そう考えると納得できます。」
「冷静に解析と解説してないでさっさと戦えよ!」
フィルスの疑問に解説とその解析が予想できると肯定するたつに大地は額に青筋を浮かべ敵を切り刻みながら手伝えと訴えかける。少し面倒くさそうな表情をしたたつ。その光景を見て苦笑しながらも魔物を撃退していくフィルスは寒気に襲われた.....
とてつもないほどに冷たく、恐怖が凝縮したようなその空間でたつはフィルス達よりも前へ歩み出て魔物を鋭く冷たい視線で一見しながら口を開いて一言だけ.....だが、それだけで十二分に恐ろしいと思えてしまう威圧感をもって発した。
「......失せろ。」
フィルスよりも震えて立つことさえできなくなっていた魔物達はその感情を感じさせない言葉に一瞬、凍りつき強弱問わず、慌てふためきながら逃げ惑った。
〈や、ヤバイ.......未だに震えが......止まらない.....〉
震えるフィルスに気づくことなく眉間に皺を寄せながら近づいた大地にたつは素っ気ない態度をとりながら馬車へと乗り込んでいった。すると急に先程までの恐怖や威圧感は拭い去り、震えも止まった。それをきっかけに周りも動き出したようで、フィルスの隣まで来た盾を背中に担いだ青年は冷や汗を流しながら呟くように言葉を発した。
「.....まさしく化け物.....か.......」
「た、確かに.....あそこまで強力な闇の魔力は初めて感じ取ったよ......」
「そ、そうね.....私の闇の魔力じゃ比較にもならないわ.....」
【【当たり前】だよ~。あの子は多分、歴代の中でも屈指の魔力を持ってるからね~.....】
精霊王であるサティウスが屈指の魔力だと言った......決してこういうことを冗談で言わないサティウスが言ったのだ。本当なのだろう。だが、フィルスは怯えるのではなく少し冷や汗を頬に伝わせながら苦笑して口を開いた。
「......ははっ、頼もしいや。」
これが敵ならば厄介で、恐怖しか感じないだろう。だが、味方である。だから絶望や恐怖よりもこの先、頼りになるであろう仲間だと思うと共に自分も頑張らなければと大きく息を吸い込み馬車へと戻った。
ありがとうございました。
さて!次回もギリガーリ帝大国への道中話となります!お楽しみにっ!
ちなみに、明日の投稿はお休みです(^^;




