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144話 二代目

 よろしくお願いします。

 フィルス達はフォーレシアの中央通りを歩いていた。王都から避難してきたのと、最近この町の人口が増えつつあるのもあり人で混雑しており、フィルスはノンシーをはぐれさせないように手を握り人混みを掻き分けながら進んでいた。

 数分おきにフィルスはノンシーの様子を見るため振り向くがなぜかノンシーは顔を赤く染めずっと俯いており、暑さにやられたのではと心配になりながら急いで近くの喫茶店へと入った。


 「だ、大丈夫?ノンシー......顔が赤くなってたけど.....ま!まさか、熱中症?!熱があったりもするんじゃ.....!水魔法で氷を生成して.....「だ!大丈夫よ!もう治ったし、そんなに氷あっても意味ないでしょ?!」そ、そっか.......」

 【.....フィルス......鈍い......?】

 【何を今更......昔からでしょ~.....まったく、呆れちゃうよね.....】


 飛んで喫茶店に入りながら呆れた表情を浮かべるサティウスとクロにフィルスは首を傾げる。ノンシーもどうやら体調が悪いわけではないようで、ずっと左手首を見つめて顔を赤らめていた。


 「あれ?ここって本屋なのかな?」

 「あ!私ここずっと来たかったの!最近、登場したお店で二階を喫茶店にして、読書もできるんだって!」

 

 〈へぇ~.....漫画喫茶みたいなもんなのかな?.....いや、日本も最近はそのような喫茶店が増えていたはず.....いいね。こういうお店ができたのは.....この世界、本が高いからね~.....〉


 本とはいっても使われている紙は羊皮紙であるため、1枚1枚が貴重なのである。そのため本を買うのは貴族や王族、余程の本好きだけであるため、庶民たちに本屋というのはあまり馴染みがなく、売れ行きがそこまでよろしくない。そのため喫茶店を開くことにより庶民達にも本を馴染み深いものにしようという狙いだろう。

 店内も混雑しているが、どうやらノンシーはここへ来てみたかったらしく、目を輝かせながら店内を見回しているので断念することなどできるはずもなく先ずは二階へと上がり注文をしてから本をあれこれ見て回った。


 「ねぇ、フィルスはどんな本読むの?」

 「え?......う~ん......なんでも.....かな~?ジャンルを問わず面白いと思ったものならなんでも読むよ。」

 【.....本.....何がいいのか、分からない.....】

 【そうだよ。あんなの読んでても眠くなるだけだよ~.....】


 〈.....いつも寝てるサティウスには関係ないでしょ......〉


 クロとサティウスはどの本を選ぼうかと悩んではしゃぐノンシーとフィルスに首を傾げている。サティウスは口を大きく広げ、欠伸をしながら本など眠くなるだけだと批判しており、いつでも寝ているサティウスには関係ないというツッコミを心のなかでしながら再び本選びに没頭していた。


 「この本とかどうかしら?私的にオススメの実話をもとにした小説よ。」

 「へぇ~......って!誰、君?!」

 「っ!?え?.....き、きき.....キーリス?」


 仮面を被り、尻尾9本をゆらゆらと揺らしながら少女のように小さい身長でフィルスに一冊の本を差し出す女性にフィルスもノンシーも驚きを隠せない。

 ノンシーが口を押さえながら尋ねた言葉に女性は首を大きく横に振り違うと否定した。確かに、顔立ちも髪の色も耳の位置も違っておりよくよく考えればキーリスは死んでおり、今更目の前に現れることすら考えられないのだ。じゃあ、この女性は.....?キーリスと同じ仮面を被った九尾族の女性は口角を少しあげ口を開いた。


 「はじめまして.....私の名は《マーリン》。謎の情報屋.....2代目よ。」

 「へ?......え、えええぇぇえぇええぇ!!」

 ありがとうございました。

 さぁ!二代目登場でございます!まぁ、恐らくこの物語でははじめての登場人物だったと.....次回はどのような展開に?!お楽しみにっ!

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