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貴族クエとお風呂

 運営の対応が入ってから一週間、記憶欠落の話は聞かなくなった。例の効果が逆転する作成失敗の耐性ポーションは、バッドステータスが付いても、規定の時間で効果が切れるようになっていた。

 あれを利用して女の子キャラを襲う事はできなくなったはずだ。

 あれを作ったのが誰か、どうやって流通させていたのかまでは踏み込みようもなかったので、後は運営に任せるしかないだろう。


 一連の騒動の中で俺がネカマである事を話したのは、セイラとソニアさんの二人。両人ともそれを公にすることはなく、今まで通りの生活を送れている。


「ケイ、そっちの雑魚よろしくっ」

「了解!」

 セイラと共に城跡のIDを攻略しに来ていた。盗賊主体の敵は、錆びた武器を落とすらしい。

 色々あって放置していた貴族の連続クエストの手掛かりを得るためだ。

 カトラスという片刃の剣や手斧など、錆びた武器を拾って集めつつボス戦に突入。

 雑魚敵をメイフィと一緒に撃破しながら、ボスの注意を引くセイラのフォローも行う。

 ランダムPT(パーティ)で一緒になったメンバーも、きっちりと仕事をしてくれて、特に波乱も無いままに攻略は終了した。


「ケイもいつの間にか頼もしい感じになってるわね」

「そうですか?」

 IDを終えて家に帰ると、セイラから褒められた。

 例のポーション使用者を探すために連続してIDに通っていたので、それなりに立ち回りが身についていたようだ。

 水系統の回復魔法も覚えたので、補助的なヒールも行えるようになっている。

「もっと難易度の高いダンジョンも行けそうだね」

「そ、そうですか」

 まだまだ一杯一杯なところもあるが、後方火力は比較的難易度の低いジョブなので大丈夫だろうか。


 セイラの言葉を聞きつつも、錆びた武器の還元を進めていく。最初に潜った時と合わせて13本あった武器を、処理していくと手斧の一本が『名前入り手斧』となっていた。

 柄の部分に『サイラス』と刻まれていたので、マクシミリアン家の連続クエストのアイテムで間違いないだろう。

 そういえば令嬢ともしばらく会っていないなと思う。

「クエストのアイテムがあったので、NPCに渡してきます」

「ああ、あったのね……折角だから付いていこうかしら」

 二人で貴族の館へと行くことにした。



「ここがっ」

 貴族の館を訪れると、令嬢はまたも入浴中との事で浴場に案内された。

 PTを組んでいたセイラも一緒に館の中へと入れてもらえて、大理石で出来た豪華な浴場で感嘆の声をあげていた。

 今日の浴槽には紫の花弁が浮いている。香りからするとラベンダーだろうか。

 メイドに促されるままに浴槽へと足を踏み入れると、甘い香りと程よい温度にリラックスできる。

 湯気の中を進んでいくと金髪の女性が待っていた。

「ケイ様、ごきげんよう」

「こ、こんばんは」

 お嬢様的な挨拶は照れくさく、普通に返してしまった。それで機嫌が損なわれるわけでもなく、にこやかに応対してくれる。

「また何かございましたか?」

「はい、今回は城跡で手斧がありました」

「ではメイドの方へ、お願い致します」

 言われるままにメイドへと名前入りの手斧を手渡す。以前はここで鑑定するために、入浴終了だったのだが、今日は違うようだ。


「実は我が領民から陳情があったのですが、もしよければ調査をお願いしたいことがあります」

 どうやらマクシミリアン家の所領にある鉱山で、固い岩盤に当たってしまい作業が進まないらしい。

「錬金術で何か良い手立てはありませんか?」

 もしかするとフレアストーン系を使用した発破をかけるクエストかなとは思うが、現時点ではなんとも言えない。

「現地に行ってみないと何とも言えませんね」

「では正式に依頼とさせてください。報酬は……」

 やはり貴族のクエストということで、報酬は多めになっていた。

「分かりました、調査してみます」

 クエスト発行のメッセージが表示された。



 貴族の館で豪華な入浴を堪能したセイラは、ホクホクしながら歩いている。

「あれを体験したら、家にお風呂欲しくなるわね」

「でしょう?」

「うちのお風呂も負けてはないと思うけど、入浴剤は欲しいかもね」

「確かに」

 お風呂は一般的じゃないので、レシピとして存在するかは不明だ。あるとしたら薬師とかだろうか?

 アロマキャンドル的なのがあれば、匂い付けのエキスとかもありそうだ。

「あ、もしかして、香水とかもありますか?」

「あるわよ。有名な化粧品メーカーの参入もあるし、ユーザーメイドの品も売ってる」

「その辺を利用すれば、匂い付けはできそうですね」

 レシピなどを調べてみよう。あとは実際の入浴剤を調べて、どんな効果をつけるのが良いかというあたりか。

 まだまだALFにはやりたいことが詰まっていた。

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