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VRMMOでネカマプレイ日記  作者: 結城明日嘩
はじめようALF
34/87

初めての入浴

 マーカスが旅に出てるので、俺に服を買うツテはない。まあ、ショップに行けばNPCが応対してくれるはずだが、値引きが効かないしな。

 今日はセイラさんに付いて行く事にする。

 ユーザーメイドの水着は種類も多く、現実のモデルを参考に様々な工夫がされている。

 俺は水色に白の水玉が描かれたスポーツブラに近いタイプのビキニで、スカートもあるタイプ。

 セイラさんは赤のビキニでボトムはかなりのハイレグ仕様、その上から白のキャミソールを合わせている。ヘソをチラ見せするくらいの丈でかなりセクシー路線で、直視しづらい。

「こっちはムダ毛処理要らないからいいわよね」

「そ、そうですね」

 だからといって際どい水着にする気にはならなかった。相手はシゲムネだしな。


 家に帰ると、シゲムネがカナエちゃんを連れてきていた。年上だが、ちゃん付けにしないとダメらしい。シゲムネから年齢を聞いたことも伏せるべきだろう。

「スラムにもこんな家を建てれるんだね」

「まあ、グレード気にしないとダメだから、住宅街の方が色々こだわれるよ」

 二人でそんな会話をしていた。

「こんにちは、カナエちゃん」

「今日はお呼ばれに来ました」

 昨日ほど険がないのは、シゲムネと良く話した結果だろうか。まあ、波風立てるつもりもないので、シゲムネにはあまり近寄らないでおこう。

「それじゃ、早速向かいますか」

 カナエちゃんに入室の許可を出して、庭へと案内する。シゲムネには不要だと言われたが、更衣室も用意した。

 生着替えなど見せてなるものか。まあ、装備欄から着脱するだけだが、やはり気にはなるのである。

 まずはシゲムネを一人で着替えさせて、風呂場へ追いやると、三人で着替える。カナエちゃんは、緑のワンピースタイプで、要所にフリルで飾りが付いている。やや控えめの胸元も、フリルで隠れる感じだが、シゲムネにはどう評価されるやら。

 先にカナエちゃんを送り出し、ファーストインパクトを受けてる間に、俺とセイラさんも入ってしまう。


 四畳半の広さは、対面でも十分に足が伸ばせてくつろげる。メイフィや法師丸も水を怖がる事なく、チャパチャパと泳いでいた。

 初めて二匹を見たカナエちゃんは、近くまで泳いできたのを捕獲。濡れてしんなりした毛を撫でて解放、もう一方を捕獲を繰り返している。

 メイフィ達もいかにその手を避けるかで競っているようで、楽しそうだ。

 庭はバラの赤と、桔梗の紫とがちょっとアンバランスな気もする。

「黄色系のパンジーとかの方がいいのかな?」

「バラは華やかで、他のと合わせるのが難しいのよね」

 雨戸を開けきって、庭が見えるのはかなりいい感じだ。あとはどう飾るかだが、これまたセンスを問われて難しい。

 この辺も試行錯誤していくしかないだろう。


「家はユニットバスしか無いから、足が伸ばせるのはいいわね」

「本当ですね」

 ゲームの中なので、血行が良くなるわけでも、汚れが落ちるわけでもないが、リラックス効果は大きい。

 VRMMOのヘッドギアは脳内から手足に送られる電気信号を読み取りつつ、その信号を遮断することでゲーム中の体が暴れないようになっている。

 また手足が萎えないように、微弱に筋肉へと信号が送られ、ゲーム中も多少は運動していたりする。おかげで外出しないニートの中には、ゲームしていただけで筋肉痛になる事もあるようだ。

 セイラさんは首を浴槽の淵に掛けるようにしながら、脱力して浮かぶ。豊満な双丘が海原に見える島のようになっている。

 それに見とれたシゲムネが、カナエちゃんに耳を引っ張られているのも愛嬌だろう。


「失礼します」

 皆がそれぞれにリラックスを堪能したあたりで、『動く人形』のウィステリアが冷えたソーダ水を運んできてくれた。

 セイラさんが持っていたメイド服を着ている。何でもクエストの報酬にあったらしい。

「ありがとう」

 庭に面した縁側に腰掛けながらの一杯は、贅沢な時間の使い方と言える。

「ケイちゃんといると、生活が潤うわ。ゲームの中だけど」

「自分がやりたいだけですけど、時間を共有してくれる人がいると違いますね」

「……ケイちゃん、男の子には簡単にそんなこと言っちゃダメよ?」



 日曜日といえど、日がな一日ゲームをしているわけにはいかない。一週間分の買い出しなどで外出する。

 ALFのおかげで生活にも張りは出ている気はするな。セイラさんに言われた事でもあるし、少しは自炊しないとな。

 いつもとは少し違った買い物になっていた。

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