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VRMMOでネカマプレイ日記  作者: 結城明日嘩
はじめようALF
23/87

ペットの訓練と盗賊の襲撃

 翌日、幼狐をメイフィと名付けて、訓練を開始。ペットの初期は、餌をやったり訓練する事でレベルが上がるらしい。

 猫じゃらしのような棒の先に布の固まりをくっつけたモノで、メイフィがじゃれつくのを眺める。

 スライムの方は相変わらず盗賊の撃退を続けて傷ついている。帰ってきたら、まずポーションで回復するのが日課になっていた。

「早くスライムの手助けが出来るようになればいいな」

 布に噛みつくメイフィの頭を撫でながらつぶやく。

『はい、がんばるです』

「ふぇ!?」

 突然脳裏に響く声にびっくりする。

「メイフィ……なのか?」

『はい? 何でしょう』

 布に噛みつくのを止めて、こちらを見上げながら答えてきた。

 メイフィのステータスを確認すると、能力の欄に狐火と並んで念話というのが加わっていた。

「調教ギルドではそんな話は聞かなかったけどな……」

 などと思っていると、セイラさんが俺の家に駆け込んできた。セイラさんは許可なしでも出入りできるプレイヤーとして、登録してある。

「ケイちゃん! うちのモフモフがしゃべった!」

 セイラさんのペットも会話できるみたいだ。人工生物の特性だろうか。念のためスライムのステータスも確認したが、掃除以外の能力は無かった。


 動物と会話できると調教は一気に進んだ。こちらが何をさせたいかをすぐに理解してくれて、それがこちらにも分かる。コミュニケーションは大事だと実感した。

 メイフィは戦闘系の噛みつきや爪、さらには狐火の能力が伸び、モフモフは採取系の穴掘りや発見といった能力を得ていた。

「モフモフは、探索系なのね。せっかくだから、裏の家に畑を作りましょうか。食材も採れるし」

 セイラさんの決断からの行動力は凄い。俺の家を飛び出すと、風呂場予定地の隣の土地を買うと、建物を取り払う。解体の必要が無いのが楽でいい。更地になったそこへ、モフモフを放って穴掘りさせている。

「モフモフのおかげで、耕すのが楽になりそう」

「セイラさん、土地を広げたらグレード上がってないですか?」

「あ、そうか。盗賊に襲われるようになるんだっけ」

「スライムが、防犯してくれますが、セイラさんのところのはそこまで成長してないですよね」

「そうね、まだLv6……」

 俺のところがLv14で、それなりにダメージを受けてるので、セイラさんのところの成長具合ではまずいのかも。

「とりあえず、家具をいくつか片付けてグレードを下げてみる。防犯はまた考えるわ」


 俺の方も考えておかないといけない。スライムだけだと、倒されそうなので、メイフィを作ったわけだけど、まだレベルは低い。

「実際の襲撃がどんなものなのか、分かってないからなぁ……」

『スライムと盗賊Lv2の戦闘が開始されました』

 システムメッセージが表示される。なかなかログイン時に襲撃は無かったのだが、今日ようやく当たったみたいだ。

 すぐに外へとでると、体積の多くなったスライムを盗賊が囲んで叩いている。スライムも一部を細い触手状にして、盗賊を打ち据えていた。スライムは放し飼い状態なので、HPの詳細はわからない。

 調教スキルを取得したことで、ペットを二匹まで操る事ができるようになっているので、メイフィと同時にスライムもパーティーに加えた。

 スライムのHPが可視化され、盗賊との戦闘状況がわかりやすくなる。五人の盗賊に囲まれたスライムが、盗賊を一体倒すまでに三割近いダメージを受けていた。頭数が減れば、受けるダメージも減っていき、スライムの勝利で終わるのだろうがギリギリだ。

「スライム、今まで頑張ってくれてたんだな。メイフィ、スライムが攻撃しているのを狙って攻撃できるか?」

『はい、やってみるです』

 メイフィは狐火を呼び出して、それを盗賊へとぶつけていく。スライムはHPが高く、対打撃、対斬撃の耐性もあるタンクタイプ。メイフィは魔法攻撃を主体にしたアタッカーになるので、パーティーとしては相性もいい。回復役がいればかなり戦えるだろう。

 メイフィが参戦したおかげで、次々と盗賊が撃破されていき、スライムのHPが半分を割ることなく戦闘が終了した。

「二人ともお疲れさま」

 この分なら、メイフィも防犯戦力として当てになるだろう。


 次は猫型のホムンクルスの作成に入る。メイフィは庭でスライムと戯れているので、そのまま庭に解放しておいた。

 俺はオークションまで足を伸ばし、猫になりそうな素材を集める。

「ピューマの毛皮、ケットシーの髭、獅子のタテガミ……はちょっと違うか。回復要素を入れようとすると何があるかなぁ」

「癒しの石というアイテムがありますよ。回復力はそれほどではないですが、何度も使えます」

 突然の声に振り返ると、そこにいたのはジェイクだった。ボックのIDで一緒になっただけなのに、覚えられていたようだ。

「癒しの石……ですか」

 検索すると結構な数の出品があり、そんなに高くもない。

「初心者用の回復アイテムで、広く使われます。回復量は僕の作る初級ポーションの半分くらいですけどね」

 さりげなく有能アピールされたのか。ただ俺に必要なのは、癒しの石の方だろう。メイフィもフレアコアで炎属性がついたなら、癒しの石で回復能力というのはありえる。

「錬金術の材料ですか?」

「はい、ちょっと色々試してて。それじゃ、私は戻りますね」

 俺が転送石を取り出すと、ジェイクは少し苦笑いしつつ見送ってくれた。

「僕の店にも来てくださいよ」


 家に戻った俺は、すぐに錬金釜へと向かう。買ってきた素材で、小動物ホムンクルスの生成だ。

 狙い通りいけば、猫の回復系ホムンクルスになるはずだ。魔力調整で、出来る限りの魔力を注いでの合成。メイフィの時のような激しい光はなかったが、合成は成功した。

「尻尾が二本?」

 できたのは、白を基調に黒と茶色の斑がある三毛猫で、尻尾が二本あるのが特徴。種別は猫又になっていた。


「セイラさん、猫ができましたよ」

 モフモフと畑を耕していたセイラさんの元へ、猫又の子猫を連れて行った。

「ケイちゃん、あんた何てモノを作ったんや……か、可愛い」

 震えるてで子猫を受け取ったセイラさんは、頬ずりしながら恍惚とした表情になっていた。

「ケイちゃん、ペットショップ開いたら稼げるわよ」

「うーん、生き物を売るのは抵抗ありますね」

「ごめんなさい、私が悪かったわ。この子を売るなんてできないわね」

 つぶらな瞳で見つめられて、へにゃへにゃになっている。

「贈るのはいいんですけどね。モフモフも大事にして下さいよ」

「へっ、も、もしかして、この子。くれるの?」

「そのために生んだんですよ。まあ、うちのスライムとメイフィと一緒に家を守ってもらう為ですけど」

「うう、ケイちゃん。なんていい人なんだろう。モフモフもこの子も大事にするからね」

 ひとまず子猫又は、セイラさんに一通り躾てもらえるだろう。癒しの力がどの程度か分からないから、スライムとメイフィの連携を鍛えておく。

 メイフィはかなり賢いので、教えればかなりの敵でも相手できるだろう。

 あと無理はさせないように、危なくなったら逃げるのも教えておかないとな。

 お風呂と庭が完成したら、グレードもかなり上がるだろうから、ちゃんと準備をしておきたい。

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― 新着の感想 ―
[一言] スライム もふもふ(兎) わんわん(狐) にゃんこ もふもふ天国だ(笑)
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