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VRMMOでネカマプレイ日記  作者: 結城明日嘩
はじめようALF
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新たな目標と鉱山

 炎の魔法を買った事で、加熱はやりやすくなった。理科の実験でもアルコールランプは必須だからな。錬金術師からもらった本のレシピは爆弾の生成方法だった。

「フレアストーンというアイテムからか」

 火薬代わりになるアイテムなのだろう。どこで手にはいるのか……。


「売ってるし」

 雑貨屋で普通に売っていた。単体で使ってもダメージを与えれるらしい。これを仕掛けて遠くから炎魔法で起爆するといった戦法はあるらしい。

 ただ値段が一つ100Gと、買えるけど消耗品としては高い微妙なラインだ。錬金術のスキル上げには使いづらい。

 となるとどこかで採取できるのかもしれない。


 ALFは複数の運営サーバーが独自の工夫を凝らす形で、どんどんと複雑化の進むオンラインゲーム。多くのスキルが網羅されていて、やりたいことの多くはスキル化されている。

「採掘スキルに、栽培スキル、伐採に、釣り……採取系はこんなところか。育成なんかもあるな」

 ログアウトして攻略サイトを調べていく。採掘して採れる物の中に、フレアストーンを見つけた。ツルハシで爆発物を掘るとか怖いんだがそこはゲーム、誤爆は無いと信じたい。次は採掘スキルを取りに行くか。


 ついでにスラムの家に関しても調べてみる。盗賊による襲撃はランダムで最短だと12時間のインターバル。家のグレードによって、敵の強さも変わるらしい。

 海外のサイトだと要塞化された砦のような家で、盗賊相手の籠城戦という動画があがっていた。

 盗賊が爆薬で壁を破壊し、そこから戦闘部隊が突入。それをプレイヤーや護衛NPCが迎え撃つ。

「戦争じゃん……」

 盗賊が盗みに入るとか、そんなレベルではない。ファンタジー世界でFPSの対人戦闘をやるような本格的なコンバットゲームになっていた。

 家のグレードは置いた家具や家の造りで変わっていくので、豪華な家を作ろうとすると防衛戦が必要となるらしい。NPCの雇用人数もグレードに加算されるので、どうしてもプレイヤーも守れないと数で負けるそうだ。

「家具を置く前に、守りを固めて、それでグレードが上がって、攻められる様になって更に守りが必要に……いたちごっこになるのか」

 グレード0なら襲われず、1に

あがるまでの基準は10万Gの価値らしい。錬金釜くらいなら問題ないか。内装の壁を整えたり、ベッドを置いたりと環境を整えると、盗人に入られるんだな。

 日本人の感覚だと常に警戒の必要な家は面倒だろう。スラムの土地が安いわけである。



 ログインし直すと、手に入れた我が家。壁は穴だらけで、天井からは日の光が入ってくる。床板も剥がれて、みすぼらしい……生活を考えるなら直したくなるよな。

 直すと家の価値が上がって防衛が必要になる。ままならない。

 とりあえず放置で、採掘スキルを覚えに行くことにした。

 街の中央部は人が多い。マーカスの店がある辺りから、露天商の集まる一角。鍛冶や裁縫といった生産系ギルドも同じ様な場所に建ち並んでいる。

 その中に採掘や伐採といった採取系のギルドも近くにあって、生産系のギルドはだいたい同じ場所で習得できるようだ。

「あ……れ?」

 採掘ギルドに向かう途中に、錬金術ギルドを見つけた。思わず入ってしまう。


 中はあの家とは違って、煤けてはおらず、本棚などが並んで知の宝庫といった雰囲気だ。

 NPCに話しかけると、錬金釜の他にも合成レシピの本が売られていた。

 HPを回復できるポーションの作成法が書かれた薬剤系、紙やインクといった日用品を作れる雑貨系、そして……。

「ホムンクルスの作成?」

 ファンタジーの錬金術でポピュラーなのは、不老不死の薬、鉛を金に変えたり、万病に効く薬エリクサー、それらの元になる賢者の石。

 もう一つが人工的に生み出された生き物、ホムンクルスだ。無機物に命を吹き込むゴーレムと違って、人間や動物に近い姿をしている。ファンタジー世界のロボットとも言える存在だ。

 これこそ錬金術に求める一つの解だ。俺は10000Gの本を迷わずに購入していた。


 早速その本のレシピを確認すると、まずはスライムの作成かららしい。そして小動物、中型動物、人工知能、そして人型。最後は合成獣キメラという複数の動物を合わせた生物まである。

 これはワクワクが止まらない。俺のこの世界での目標が加わった瞬間だった。



 百里の道も一歩から。まずはやれることから進めないといけない。フレアストーンの採取の為に、採掘ギルドで採掘スキルを取得。初級のツルハシも一緒に買った。

 採掘場所は、街から少し離れた山の方だ。麓には鉱夫達が作ったとされる町もあるらしい。

 俺は重力操作で密度を上げた風の精霊、重精霊を連れて街道を進む。

 途中、岩に擬態した虫のようなモンスターに襲われた。精霊の風魔法は問題なく効いたが、せっかく覚えた炎魔法は、耐性が高いらしく効果がいまひとつだ。それでも精霊と一緒に戦えるのは嬉しかった。

 炎魔法のスキル上げもかねて、その辺で少し戦闘を重ねた。

 ドロップ品は銅鉱石。採掘で掘らなくても、敵を倒して集める事もできるみたいだ。

 そうした中で、『魔法モンスターの核』というアイテムが出てきた。確かスライムの素材の一つだったはずと思い本を開いて確認。スライムは『魔法モンスターの核』と『ゼラチン』でできるらしい。

 ゼラチンかぁ、どこかで聞いたことあるけど詳しくは知らないな。

 ゲーム中はネットを開けないので、知識のある友人が欲しいところ。安易に人に頼るのもまだ怖い。

 思わぬアイテムも手に入ったし町へ急ぐか。



 鉱山の町『ボック』は、鉱夫のための宿舎や食堂がほとんどの町だ。プレイヤーハウスも建てられないので、派手さは全然ない。

 人影もまばらで、プレイヤーも少ないのか。まあ、初期の鉱山だしそんなものか。

 まずは町の中央にある転送石へと向かう。これを登録しておくと、最初の街から転送してもらうことができる。

 鉱山の入り口は、そこからまっすぐ進んだ先にあり、入り口にはNPCが立っていた。

「ここから先はボックの鉱山だ。奥にはモンスターもいるので、気をつけるように」

 一応の忠告を聞いて、中へと入ってみる。


 鉱山の中は一定ごとにランタンが掲げられ、ある程度の明るさは確保されていた。

 壁を見ながら歩いていると、採掘ポイントが見えてくる。光るエフェクトに対して、ツルハシを打ち付けると、ころりと石が落ちた。銅鉱石、一番レートの低いアイテムだ。続けて掘っていくと、四、五回で目の前のポイントが消えて、少し離れた位置の壁が光り出す。

 一カ所につき四、五回の採掘を行い、ポイントが移るとこちらも移動して掘る。それを繰り返すうちに、銅鉱石とすずが貯まっていった。

「ここで本当にフレアストーンがでるのが?」

 掘るうちに採掘スキルは上がっているので、徐々に良いものがヒットする確率は上がっていくだろう。ただ目に見えての変化は感じなかった。

 攻略情報が古くてここでは掘れなくなっているのか。そう思い始めた時、ようやく一つ目のフレアストーンがでた。既に銅鉱石は50個を越えて、錫も20個は越えていた。

 採掘スキルが上がれば、どれくらいの割合で素材が出るか表示されるようになるらしいが、一日ではそんなにレベルも上がらず、三つ目のフレアストーンがところで一度中断。少し外の空気を吸ってリラックスだ。

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