16 私の名は・・・
題名、付けるのむずかしい...
「私の名はアイリス。アイリス=オレット。」
ずっと気になっていことを聞く。
こいつらの自己紹介のときにファフニールや、
セイレーン、デュラハンと言っていた。
この自称魔王(笑)ダリスは魔王だと言っていた。
これが本当のことなら、こいつをサクッと倒して
私は自分の家に帰りたい。
お家が恋しいです。
「おい。ダリスって言ったけ?
お前、自分のこと魔王って言ってたよな?
そこの側近らも自分のこと魔族って
本当にお前らは魔族か?」
ダリスは目をパチパチさせ、大声で笑い出した。
人を馬鹿にしてんのか?
「アイリスって面白いのだwww
だからさっきから言ってるのだ!
われは正真正銘、魔王なのだ!」
そのドヤ顔やめろよ。無言で近づく。
ゴスッ!鈍い音がした。
「い、痛いのだ!
アイリス急に何をするのだ!!」
うぅと、殴られた頬を撫でている。
周りの4人はあたふたしている。
「このアバズレが!!
ワタシのダリス様の顔を殴るなんて...。
許さない...許さない!!」
言い終わると、地面を蹴って近づいてくる。
顔を目掛けて殴りかかってきた。
私はその遅い拳をヒョイっと避ける。
遅い。止まって見えるほどに遅い。
「な!避けるな!!!
殺す、殺す殺す殺す殺す!!!」
さっきよりも殺気立っている。
見る見るうちに人の姿から、
魔物の姿に変化していく。
セイレーン。
上半身は女性。下半身は鳥。
美しい歌声で航行中の人を惑わせる。
美しいはずのセイレーンが、今は憎悪を纏っている。
ゾクゾクする。
こいつは私を楽しませてくれるか?
「止めるのだ!
エンシー!アイリスはわれの、友達なのだ!
友達をいじめる奴は嫌いなのだ!」
こいつ邪魔しやがって、久々に暴れれると思ったのに
あと、私はお前の友達じゃない。
自称魔王(笑)ダリスに言われ、
エンシーは魔物の姿から人の姿に戻って行く。
つまらん。
「はい!ダリス様♡
ダリス様のお友達に手など出しません!!
アイリス様、度々の無礼お許し下さい。」
スッと頭を下げる。
手のひらをすぐに返した。
こいつ...。