14 こいつなんか認めない!
長いかな?たぶん...
「この人はわれの友達なのだ!」
突然現れた少女はプルプルと小刻みに震えだした。
「.んな...ズ..に...」
ん?何て言ったのか聞こえなかった。
「エンシー?どーしたのだ?」
具合が悪いのか?と心配している。
「こんなアバズレにダリス様が取られるのなんて!
ワタシは認めません。
ダリス様をかけて決闘です!」
はぁ?こいつ何つった。
ダリス様をかけて決闘?バカじゃないの?
ここにはバカしかいないのか?
頭が痛い。
「エンシー!そんなこと言っちゃダメなのだ!
仲良くするのだ!この人は悪い人じゃないのだ!
道で転けたわれを助けてくれたのだ!」
ん?私がいつ、このバカを助けたことになってんだ?
無理やりここまで連れてきただけじゃないか?
「なっ!ダリス様!お怪我はありませんか!?」
今まで黙っていたサファルが大声を上げた。
「大丈夫なのだ!怪我はしてないのだ!
ちゃんと受身とったのだ!」
誇らしげにしているが、すごい転け方したよな?
ずべーんって音が似合う転け方したよな?
誇らしげにしてどうすんだよ...
「さすがダリス様ですね!
尊敬します!」
このサファルって子頭大丈夫かな?
この中で1番まともかなぁと思ったんだけどなぁ。
「ダリス様に傷がついたら、ワタシ...
悲しくて夜も眠れません!
ダリス様が心配なんです!
あまり無茶なことしないで下さいね?」
うるうるした瞳で自称魔王を見ている。
その顔はとても可愛らしい。
こんな子が私にあんなこと言ったなんて、
信じられない。
てか、三人の世界に入ってるよ。
私、邪魔じゃない?もう帰っていいかな?
うん。帰ろ。
くるっとドアの方を向いた瞬間、
上から黒い物体が降ってきた。
ん?これは落ちてきたものをよく見る。
これはボールか?そっと持ち上げてみる。
「オレ様に触るな!人間!」
へ?はぁぁぁぁぁぁぁ!!
思わず、おおきく振りかぶって投げてしまった...
「痛って!なにすんだよ!人間!!
いきなり投げんなよ!」
意味がわからない。生首が上から降ってきた。
生首が喋った。
........................................一旦、落ち着こう
「無視してんじゃねぇ!人間!
人間の分際でオレ様を投げるなんて
いい度胸じゃねーか!」
私は何も聞こえないし、聞いてない。
落ち着け私。
まず、首が喋ると言うのは魔族で間違いない。
生首は上から降ってきた。上に何かあるのか?
ふと、上を見ると、首なしの胴体が勢いよく
こっちに向かって転がってきた。
ころがってきた...?ころがってきた!?
なんで!?
こいつは、デュラハンか?
「おいっ!いつまでも無視してんじゃねーぞ!
この人間風情が!」
さっきから、うるさい。
ちょっと黙ってくんないかな。
「黙れ。デュラハン。」
そっと口封じの魔法を唱える。
「あ?お前今、な!んーーーーーーー。」
これで少しは静かになったな。
あとは転がっている、体をどうにかせねば...
どうしたものか。
うん。こいつ、うるさいし吊るして置くか。
私の方に転がってきた体を、足で止め
素早く手元にあった鎖で縛る。これでよし。
「なっ!その鎖どこに持っていたのだ!?
どこからだしたのだ!?」
ん?あれ?いつの間に三人がこっちを見ている。
「ちょっと、ムルド
そんなアバズレにやられてるのよ!」
おいおい。
まだ、私のことアバズレって呼ぶのかよ。
こいつ、いつか絞める。
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