11 馬車に乗る
「そんなにアイリスという名前が珍しいか?」
「そ、そんなことないよ!
可愛い名前だね。君にぴったりだよ。
さあ、馬車に乗って。
アイリスはどこに行くつもりなの?
僕はレストバレンに行くつもりだよ。」
話を逸らされた。
!?魔王がいると場所だ。
「私もそこに用事がある」
「じゃあ、最後まで一緒にいれるね!
アイリスは馬車の中で寝てていいからね。
僕はもう少し進んでから寝るよ。」
「スレイヴが寝るまで起きてるよ。私だけが寝るのは申し訳ない。」
寝首を取られるのはごめんだ。
「そんな!
ありがとう。
眠くなったら寝ていいからね?」
「分かった。」
軽くうなずく。
それを確認してからスレイヴは馬車を動かした。
私は気になることを聞くことにした。
「何故、レストバレンに?」
「あそこは珍しい野菜、果物が採れるんだ。
それを売るといい稼ぎになるから、採りに行くんだ!」
目をキラキラさせている。
「だが、あそこは魔王がいると聞いが?」
「魔王?そんなのいないよ。
普通の村だよ?
どうしてそんなこと聞くの?」
スレイヴは首を傾げている。
「噂で聞いただけだ。少し気になってな。」
魔王がいない?どうゆうことだろうか。
可能性としては人に化けている。
魔力が高かったり、長く生きている魔物は人型になれる。
まして魔王だ。人型になれて当たり前か。
「もしかして....。
アイリスは冒険者か何か!?」
興奮気味で聞いてきた。
これ何て言えばいいんだろう...。
魔女で勇者です!何て言えないしな。
「そう。魔王がいるなら一目みたいと思ってな。」
見るとってゆうか、殺すんだけどね。
「そうなんだ!
いいな冒険。僕もしてみたいよ。
まだ行ったことのない地へ仲間と一緒に旅をするんだ。
あれ、でもアイリスは一人?仲間はいないの?」
「いない。」
「じゃ、じゃあ!レストバレンで仲間を見つけるといいよ!」
スレイヴはとても楽しそうに話してくれた。
仲間を増やしたところで邪魔なだけだ。人間は愚かだ。
自分のことしか考えていない。
他人が死のうが、自分の性で不幸になろうが関係ない。
自分が良ければそれでいいのだから。
私はスレイヴの提案に素直に頷けなかった。