10 少年との出会い
........はっ!薬草摘んでる間にいつの間にか夜になっていたみたいだ。
ここらへんに村はないし魔王がいるレストドレンまであと、丸二日かかる。
どうしよう。野宿しなきゃだめだよね。
魔女といえど睡眠は大事。
土の上に寝るの嫌なんだよね。
まあ、魔法でどうにかなるんだけど。
魔王を一人で倒すためには魔力を温存しておきたい。
魔物の頂点に君臨するぐらいだから強いはず。
困ったものだ。
ん?馬車の音がする。こんなところに人間が来るだろうか。
もしかして魔物?
急いで木の陰に隠れた。
馬車は私が隠れている木の前に止まった。
魔物?人間のようにも見える。どっちだ。
魔物ならば即殺す。
武器を構えた瞬間、声をかけられた。
「あ、あの!どなたかいませんか!!」
少年は大きな声で叫んだ。
「いないのかな?確かに人の気配がしたのに...。」
私の位置は分かっていないようだ。
私は木の陰から姿を現した。
「うわ!?
びっくりした。」
「驚かしてすまない。魔物がきたのかと思ったのだ。」
「!?
ま、魔物なんかいるんですか!」
?今の驚き方は何かおかしい。
違和感を感じる。
「あ、あの大丈夫ですか?
もしよかったら、馬車に乗りませんか?
もう暗いですし、こんなところに一人だと危ないですし。」
少年は顔を赤らめている。
「いいのか?ではお言葉に甘えるとしよう。」
馬車なら歩かずにすむし、魔力を使わずにすむ。
もし、魔物だったとしても殺せばいいだけだしな。
こいつなら、剣で十分倒せそうだしな。
「うん!
あ、名前教えてほしいな。
僕はスレイヴ。よろしく。」
「私はアイリス。よろしく。」
スレイヴは名前を聞くなりとても驚いていた。