主神は私に与えてくれました
夏なので日差しがギラギラと世界を照らしている。
雨が降った後の独特な匂いがする。
昨日まであった嵐が去って行ったのだ。
私は今病院に向かっている。
病院には事件に巻き込まれたお父さんのお見舞いに行くのだ。
お父さんは昏睡状態でもう何日も目を覚ましていない。
このままお父さんが目を覚まさなかったら高校生である私は生活するための費用すら捻出できずにのたれ死んでしまうかもしれない。
と言ってもお父さんが残した400万円の現金があるから少しは普通に生活できるが。
しかしお父さんは医者からも回復は絶望的だと言われている。
私は何度もお父さんを失う恐怖から逃げようとした。
だがお父さんのまるで魂が抜き取られたような表情や医師の言葉を思い出しては1人で泣いてしまうという生活をしている。
せめてこの苦痛を共有して優しく包容し、理解してくれる人がほしい。
だがうだうだしているとお父さんに
「何事でもいいから常に学べ。
学ばなければ退化していく一方だ」
と言われてしまうから...学校に行かないとな。
そう決意して私は病室に入った。
病室に入るとお父さんの横に立った。
お父さんの顔は相変わらず魂のない人形のようだった。
私はお父さんの回復を主神に願い、その場を後にした。
翌日私は学校に行った。
途中職員室に寄り面倒な手続きを終えて教室へと入る。
ざわついていた教室は私が入ったことで静まり返る。
皆が私を見てコソコソと話をする。
だが私を見る目は輝いていてこれからの人生に期待を持つような目だ。
なんせこの私は美しいからな。
自惚れていると私は主神ちゃんに話しかけられた。
「初めまして私高山恵です。
名前なんて言うの?」
まるで私を知らないような。
そんな口ぶりで話しかけてきた。
活発で明るくまるで神々からの祝福を受けたような美貌をもつ主神ちゃん。
こんなに可愛らしい主神ちゃんの声は初めて聞いた。
私がそんな主神ちゃんの綺麗な容姿を無言で悦に浸りながら拝んでいると主神ちゃんが
「大丈夫?なんか上の空だけど。
もしかして話しかけたの迷惑だった?」
まさかそんなことがあるはずが。
主神ちゃんに話しかけられて迷惑だと思う人間がどこにいるというのだ否そんな人間は存在しない。
そういえば名前を聞かれていたのだった。
「大丈夫迷惑じゃないよ。
寧ろ話しかけてくれてありがとう。
私の名前は主野神楽です。
よろしく」
「神楽ちゃん!可愛い名前だね。
これからよろしく」
主神様私は幸福です。
なぜ私にこのようなめぐみを与えてくださったのでしょうか。
ぜひ結婚させてください。
そんな事を考えているとチャイムが鳴った。
とりあえず座るとするか。
と思ったがそういえば転校したことになっていたから私の席が無いんだったな。
はてどうするべきか?
とりあえず空いてる席に座るか。
そんな事を考えていると先生が教室に入ってきた。
「今日はこのクラスの転校生を紹介するぞ。
とりあえず前に出て自己紹介をしてくれ」
私は呼ばれたので前に出て自己紹介をする。
それまで騒がしかった教室は静かになる。
慣れたメンバーだった為かあまり緊張はしなかった。
さっと自己紹介を済ませ座ると生徒たちはまた騒ぎ始めた。
うるさい生徒たちを黙らせて先生は話を始めた。
「最近特殊な力を使える人物が現れたらしい。
くれぐれも気を付けるように」
その後具体的にどのような力かを説明された。
その力はなぜかこの町の10歳から27歳の人間が使えるらしい。
私はその力に興味があったがそれよりも主神ちゃんを拝むので精一杯だった為その他は何も聞いていなかった。
ホームルームが終わると私の机の周りには人がクラス問わずわんさか集まってきた。
とりあえず主神ちゃんと連絡先を交換してクラスのグループに入れてもらった。
グループから連絡先をゲットした人達が私に一斉にメッセージを送ったので通知が大量に溜まったが私は
人に囲まれているのでスマホを構うことすら出来なかった。
授業が始まって皆が席に着いて行った。
3日ほど休んでいただけなのに授業は鬼のように進んでいた。
何なんだろうこの現象。
面倒な授業が終わって昼休憩の時間になった。
数十人の男子からの誘いを断って私はあの子の席に向かった。
「高山さん!一緒に昼食べませんか」
主神ちゃんは嬉しそうにいいね!と言う。
私はなんと主神ちゃんと隣の席なので席を向かい合わせてくっつけた。
私は実は今住む家がない。
だから一人暮らしの主神ちゃんの家に居候しようと思っているのだ。
だがその言葉が出てこない。
これで嫌われてしまうと考えたら泣きそうなほど苦しくなる。
だが覚悟を決めて話した。
「高山さん、私実は家が無いんです。
家に居候させてくれませんか」
終わった。
言ってしまった。
この言葉をどう受け止めたのかと主神ちゃんの顔を見ようとするが顔をあげることができない。
苦しい。
主神ちゃん私を嫌いにならないでね。
そんなかえって自分を苦しめる言葉を心の中で発して不安になっていたが主神ちゃんの明るい声でそのモヤは晴れた。
「私一人暮らしだしいいよ!
一人暮らしにしては広すぎるから寂しかったんだよね」
そんな寛大な主神ちゃんの心により私は主神ちゃんの家に居候する事になった。
「あと、私のことは下の名前で呼んでね。
私も神楽ちゃんって呼んでるでしょ。
そんな感じで呼んでくれたら嬉しいな」
「分かった恵ちゃん。
居候させてくれてありがとう」
主神の恵みに感謝を。
それにしても私になぜ家がないか聞かないのはなぜだろう。
やはり主神ちゃんは空気が読めて素晴らしいな。
主神ちゃんはそうして弁当をまた食べ始めた。
だが突然苦しそうな表情を浮かべる。
そしてまだ残っている弁当を残して教室の外に走り出していった。
私はそのあとを追いかけた。
主神ちゃんが3か月前に100m走をしていた時は私でも追いつける速さだった。
だが今の主神ちゃんは私との距離をだんだん離してきている。
主神ちゃんは人気のない教室に入っていった。
私もその教室に入るとそこには異様な雰囲気を放つ主神ちゃんがいた。
体の動きがとても鈍くなっている。
主神ちゃんは左手に異様な模様ができている。
タトゥーのようにも見えるがさっきまではなかったので確実にこの雰囲気が関係しているのだろう。
主神ちゃんは私が教室に入ってきたことに驚いていた。
「だ...め、逃げて」
主神ちゃんは私に危害を加えることを危惧しているのだろう。
そのように命令するが私の体は動かない。
全身を縛り付けられるような感覚だ。
大分苦しいな。
例えるなら愛した人間に嵌められて3体の化け物に囲まれてそれを倒したと思ったら更に3体の化け物を追加されて化け物に殺された後死体の上でコサックダンスを踊られるような苦しさだ。
いや心の苦しさなんかい!
そう心の中で頭のおかしい独り言をしているとさらにいい考えが浮かんだ。
今の状況は主神ちゃんによって動けなくされている。
つまり主神ちゃんに拘束プレイをされていると考えるんだ。
素晴らしい。
まあそんなこと言ってる場合ではないのだが。
現実逃避をしていると急に賢者タイムになった。
落ち着いて主神ちゃんを止める手段を考えていると主神ちゃんは雰囲気を放っている左腕を切断する。
そうすると雰囲気が教室中に広がる。
だがその雰囲気の濃度がこれ以上高まることはなかった。
主神ちゃんは力なく地面に倒れこんだ。
主神ちゃんは腕からの出血が全くなく、腕は完全に回復していた。
だが意識はないので保健室まで主神ちゃんをおんぶして運んだ。
私が歩くたびに当たる胸が柔らかい。
賢者タイムは終わってしまったようだ。
そんなことを考えていると保健室に着いた。
先生が保健室にいないので主神ちゃんをベッドに寝かせて私はその横の椅子に座っていた。
私は今の雰囲気に触れて気づいたことがある。
主神ちゃんが放っていた雰囲気は能力というやつだ。
人間は雰囲気に触れることで能力を手にする。
そう考えさせる何かを感じた。
主神ちゃんは能力への抗体がなく能力に体を蝕まれていたのだろう。
だが私は雰囲気を扱う感覚をゲットした。
試しに窓の外に向かって雰囲気を放ってみた。
校庭の砂が宙に舞う。
雰囲気は能力の根源でありそれを放つと能力が発動するわけだ。
私の能力は重力を扱う能力だ。
その能力によって砂は宙に浮いているのだ。
雰囲気を纏わせるのをやめると砂が重力によって地面に落ちる。
面白い恵みを与えてくれてありがとう。
主神ちゃん。
こんにちはきせいちゅうの息子です。
この作品をTKちゃんに書けと催促されて書いているのですが1週間遅れて投稿しちゃってごめんっぴ。
だけど書いてあげたんだから感謝してね。
そしてこの作品は大体深夜テンションかムラムラしてる時に書いてるので頭おかしいことしか書いてないので逆に面白いものが見れると思います。
そんな感じで2週間おきぐらいの頻度で投稿するのでぜひ見に来てください。
たぶん遅くなるし3話目ぐらいで失踪するので。
では次回までさようなら。




