君のいない季節が来るまでに
親愛なる人が突如「余命2年」を宣告されてしまう。夢に向かってる彼。応援したい彼女彼らが出す決断はー
登場人物
■ 笹原日菜子(29)
図書館司書をしている。静かで優しく、誰かのために小さな努力を重ねられる女性。“余命2年”を突然告げられてしまう。
■ 真崎 湊(34)
写真家。人の心の揺らぎまで拾うような繊細な写真を撮る。現在は日菜子とゆるやかに同棲中。日菜子にプロポーズするため、密かに指輪を用意している。
山城 俊介(45)——余命宣告された妻 山城加奈さんを5年前に亡くした男性
真崎 湊(34)が笹原日菜子(29)をスマホで撮っている描写から始まる。(画面はまず空➡️桜の木➡️日菜子が桜の木を見ている後ろ姿の順で下がっていく)
「ピッ(録画を始める音)」
日菜子は病気の影響で髪が抜けているので帽子をかぶっている
日菜子「綺麗だなぁ~。みなとくんと今年も来れて良かった。」
(日菜子が綺麗に振り向くとちょうどそよ風が吹く)
(写真を撮っていると思う日菜子)
「もー。ふふふ。」
(カメラ目線のとびっきりの笑顔)
「どう?可愛く撮れた?ーん?見せてっ」
(スマホを覗き込む)
「え、動画じゃん!!こうなったらっ」
(カバンを漁り始める日菜子)」
湊「え、なに?笑」
日菜子「こっちも撮ってやる〜!」
(日菜子のスマホから見る湊の姿に画面が切り替わる)
湊「ちょっと、俺映さないでよ笑」
(日菜子のスマホのカメラを手で隠そうとする湊)
日菜子「やられたらやり返す倍返しだっ(モノマネ風)」
(日菜子は録画をやめる、湊はまだ録画してる)
ふたり微笑み合い手を繋いで寄り添いあって桜並木を歩いていく
ー2年前ー
日菜子の声「みなとくん。みなとさーん。んもー。真崎湊っ!」
(湊の目が少しずつ開き、湊が目を開けたら目の前に日菜子がいる)
日菜子「おきてっ!」
湊「ん〜?(寝ぼけてる)おはようひなこちゃん。今日もかわいい…(ひなこを抱きしめる)」
日菜子「おはよう。だけどそんなことしてる場合じゃないっ(みなとを振り解く)今日大事な打ち合わせなんだよね??」
湊「(ハッと目を覚ます)」
日菜子「(焦り顔の日菜子)」
湊「やばい。そうだった。」(焦って支度し始める)
日菜子「も〜笑笑笑笑(一緒に支度する)」
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玄関で靴を履く湊
日菜子「はいっ、」(お弁当を差し出してくれる日菜子)
湊「えっ作ってくれたの?」
日菜子「頑張れメニューでいっぱいにしといたよ。頑張ってね!」
湊「ありがとう(抱きしめる)あ。日菜子ちゃん今日人間ドックか。日菜子ちゃんも頑張って!じゃあ行ってくるね」
日菜子「行ってらっしゃい〜」
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電車の中で見てたスマホの中の記事ーーーーー
[芸人の原野晃司さん(浅草ハリケーン)結婚15年目でもおしどり夫婦の秘訣!聞いてみた!]
ー結婚しようと思ったきっかけってなんですか?ーーー
原野:あれやな。そう。あれはちょうどM1の予選の日で。緊張と焦りとで大事な小道具を家に忘れてまったんですよ。うわーどーしよなって。相方とマネージャーに呆れられてたら、向こうから走ってくる人おる!誰やろ。って思って見てたらうちの嫁さんで!
で、そう。このM1で優勝したんすよ。俺たち浅草ハリケーン。優勝したときに真っ先に脳内に出てきた人が嫁さんで思わず「雅子ありがとうー!」て叫んでまって。スタジオで。笑
ーそんなことがあったんですね笑笑
相方が「雅子ってだれやねん」って突っ込んでくれたんでその場はなんとかなったんですけどね。でもそのときに思ったんです。仕事上手く行ったときに1番に伝えたい!って思い出すんは毎回嫁さんやわって。おかんでも相方でもマネージャーでも無く雅子さんやってことに気づいて、雅子さんはおれの中ですごく大切な存在なんだなってことに気づいたんが結婚したいと思ったきっかけですね
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湊(仕事が成功したとき…か…)
(スマホで結婚指輪のサイトや、結婚指輪を売っているお店の地図を見る湊)
夜
考え込んでる顔で湊の好きなシチューを作っている日菜子。
机の上には人間ドックの結果の紙がある。
(チラッと見える「頻脈」「拡張型心筋症の疑い」の文字)
日菜子「はぁ…。」湊がそろそろ帰ってくるので人間ドックの結果の紙をキッチンの棚に隠す日菜子
ガチャ(鍵を開ける音)
湊「ただいまー!!!」
日菜子「おかえり!(顔色伺う顔)どうだった?」
湊 日菜子に抱きつく
「めっっっちゃうまくいった!即OKが出たし今後も真崎さんにお願いしたいって言われた。」
日菜子「え!ほんと!?!?やったじゃん!!」
湊「ひなこちゃんのおかげ。ありがとう。」
日菜子「え〜ほんと〜??」
湊「お弁当めっちゃ美味しかったし。パワーになったよ。ありがとう。」
日菜子「どういたしましてっ」
湊「わ!え!シチュー!?最高!!あ!そうだそうだ!」
日菜子「なになに?」
湊「ケーキ買ってきたんだ!食べよっ」
日菜子「えー!笑冷蔵庫。見て!笑笑」
湊「え、なになに(もうすでにケーキの箱がある)ぷはっ笑笑ひなちゃんも買ってたの?笑笑」
日菜子「もしうまく行ってたらおめでとう!の気持ちで。もし残念だったら大丈夫だよ。頑張ったね!次があるよの気持ちで買ってたの」
湊「嬉しい。ありがとう。何日分あるんだろこれ笑」
(お弁当箱洗う湊、シチューを温める日菜子)
湊「あ,そういえば。大丈夫だった?人間ドック」
温める手が止まる日菜子
湊「でもさ,若い人は滅多に引っかからないよね。人間ドック。毎日ハンバーガーばかりとか相当ひどい食生活してる人とか全く運動してない人とかよね」
日菜子「…そうだね。はい!シチューできたよ〜」
湊「あ!おれお皿とってくる。どのお皿にする?」
日菜子「これかな…」
(2人でお皿を選び盛り付けをする)
(2人で仲良く話しながらシチュー、ケーキを食べている。)
ーー
湊に病気のこと言えないまま過ぎていく日々。
どんどん迫ってくるタイムリミット。
時々、湊の見でないところで(1人で家にいるとき、仕事中、湊がトイレにいる時、テレビを見ているときなど)胸を抑える日菜子。胸の違和感を感じることも増えて来た。
湊が気付かぬうちに増えていく薬。
病院の先生には今後の治療方針について1人で説明受ける日菜子
(心臓移植が必要だが、日本では実施例少なく順番待ちの状態。)
ーーー
(診断から3週間)
湊の仕事が成功したのでお祝いパーティ。
(ピザやお酒を買って映画を見ながらゆっくり過ごす夜)
いつ言おうか。悩み続けて三週間。湊の横顔をじっと見て考えている日菜子
湊「なに〜?ひなちゃん。」
日菜子「…んん…。ふふ。今日も相変わらずかっこいいなぁみなとさん。と思って(肩に頭を寄せる)」
湊「嬉しいなぁ〜(頭ポンポンする日菜子)ひなこちゃんは毎日可愛い。可愛いを更新し続けてるっ」「大好きだよ。ひなこちゃん」
日菜子「ありがとう。わたしも大好き。」
「ちょっとトイレ行ってくるね」
(引っ掛けてある湊のカバンの中に結婚指輪の箱が見える。勘違いと自分に言い聞かせてトイレへ行く日菜子)
トイレの鏡に映る自分の顔を見ながらどうしたらいいんだという顔をする日菜子
ー6月のある日(診断から2ヶ月)
湊の仕事もひと段落し、今日は仕事がお互いない日。
今日は2人で家でゆっくり過ごすことになった。
クッキーを2人で作る。仲良く材料を混ぜて…
いろんな型を使ってクッキーを作る2人。
日菜子「え,これ何笑笑笑笑」
湊「カエル」「笑笑笑笑」
日菜子「笑笑笑笑」(痛っ。少し顔をしかめる)
湊「どうした?」「大丈夫?」
日菜子「っ…は、ぁ……っ」(冷や汗が止まらない。く,苦しい。あっ。)
急に倒れる日菜子
湊「ひなこちゃん?ちょ。え!?ちょひなちゃん?ひなこ!ねえ、ひなこ?救急車!!」
ーーーー
ストレッチャーで運ばれる日菜子
湊は手を握り続けようと追いかけるが,看護師たちに止められる
湊「お願いします!おねがいだから!彼女のそばに…!」
看護師「ご家族の方は外でお待ちください!」
扉が閉まる。
湊「お願いだよ。どうしてだよ…ひなこ。」祈り続ける湊
ーー
医師「笹原さんから何も症状について聞いてなかったですか?」
湊「はい?なにも。」(髪は乱れてる、放心状態)
「日菜子は大丈夫ですよね。あぁー貧血とかですよね。そうだ。きっとそうだ。日菜子たまに薬飲んでるの見るんですよ。あれは。そうか。貧血か。もー貧血なら教えてくれたっていいのにさ笑笑ほんと。ねえ。(医者が話せない速さで話し続ける。自分に大丈夫と言い聞かせるように)
医師「真崎さん。落ち着いて聞いてください。
ーーーーー
医師:「笹原さんは『拡張型心筋症』の疑いがあります。心臓の筋肉が弱くなり、血液を十分に送り出せない状態です。このままだと、心不全や頻脈発作を繰り返す危険があります。薬で進行を遅らせることはできますが……最終的には心臓移植が必要な可能性が高いです。」
湊:「……そんな。心臓…?心臓移植って。いつまでに、手術を……?」
医師:「日本ではドナーが非常に少なく、4、5年も待機することがあります。しかし笹原さんの場合は状態が悪く治療を続けても……余命は“2年ほど”と考えられます。」
「今は落ち着いていますが、いつまた頻脈発作がおこるかわかりません(医者が喋っているが放心状態の湊なのでだんだん医者の声が遠くなる)」
放心状態の湊
日菜子の病室の前に立ちなかなか入れない湊
湊「…大変なのは日菜子だから。今おれが悲しい顔してちゃダメだ」
自分を奮い立たせて病室に入る。
日菜子の手には点滴の針が刺されている。
いっぱいいろんなものに繋がっていて酸素マスクも付けてる。
それを見て辛くなる湊。
苦しさを隠すために無理に笑おうとする日菜子。
日菜子「みなとくん………………ごめんね……」
湊「ちがう。俺が。俺が。ずっと一緒にいたのに。俺が全然気づけなかった…ごめんね。日菜子ちゃん。」日菜子「違うよ…言えなかったの。……幸せすぎて…はぁ。……………壊れるのがこわかった…」
湊は彼女の手さすり何も言ってあげることができない。
自分に何もできないことに悩む湊。
そんな湊を見た看護師さんに同じく配偶者や大切な人が余命宣告された人の交流会に行くことを勧められた。
その交流会で山城 俊介(45)——余命宣告された妻山城加奈さんを5年前に亡くした男性と出会う。俊介さんは落ち着いていて、穏やかで、悲しみを抱えながらも前に進んでいた。
俊介「僕も余命宣告聞いたあと妻に、どう接したらいいかわからなくて。顔見たら俺が泣きそうで。いなくなっちゃうのが怖くて。でも、妻は最後に言ったんです。“あなたにいえなかった時間も、全く後悔してないんだから”って。」
俊介以外にも愛娘を失った人、母親を失った高校生、などいろんな方がいた。みんな最初は湊と同じ状態だった。
湊は日菜子の前では泣かない様に気をつけること。
日菜子のやりたいことなんでも叶えてあげようと心に決める。
一方でその頃日菜子は仕事がうまくいき始めている湊の大切な時間を奪ってしまっていることを悔やみ、別れをする決断をする。
ーーーー
病院の屋上で話す2人(車椅子に乗る日菜子、車椅子を押す湊)
日菜子「…湊くん。ありがとう。ここまででいいよ。」
湊「ん?お部屋戻る?辛い?」
日菜子「もういいの。大丈夫。私たち別れよう。」
(沈黙)
日菜子「ねぇ。聞いたでしょ?先生から。私…余命。2年。 湊くんは、湊くんの人生はこれからなの。夢、叶うんだよ。有名な写真家になるんでしょ? 私といたら……無駄になっちゃう。」
湊(震えた声で)「無駄って…はぁ。
(泣くのを堪えてる)
湊「無駄なわけないじゃん。写真はいつでもできる。でも。でも。だいすきな日菜子との時間は…。俺は今。チャンスを捨ててでも日菜子といたい。いる。ずっとそばにいるから。だって…俺の幸せは仕事で成功することじゃない。日菜子といることだよ。」
(涙が堪えられない湊)
湊「ううん。違う。違う。間違えた。チャンスを捨てるんじゃない。ひなこと生きる時間を選ぶんだよ。それが俺の人生なんだ。」
日菜子、堪えていた涙が落ちる。
(風が舞う)
湊、車椅子の取っ手に手を重ねる。
湊「一緒にいよう?」
数値も安定してきたのでついに退院。(7月)
湊「見て見て。」(ソファーで座っている日菜子に声をかける)
日菜子「なに〜?」「やりたいことノート?」
湊「そ。日菜子ちゃんのやりたいこと。そして俺が日菜子ちゃんとやりたいこと書いていって少しずつでいいから達成していこう。」
日菜子「笑(倒れてから笑の数は一個になっている。これはふふふくらいのレベル。)いいね。うわーなんだろなぁ。考えるね,笑」“やりたいことノート” を作りはじめる2人。
湊「まずは、ひなちゃん。何やりたい?」
日菜子【①夜桜を見に行く】
湊「おお〜!いいね。夜桜はいつが見頃だろう。3月下旬から4月上旬だって」
日菜子「どこがいいか調べとこ〜っと。はい。次湊くん。」
湊【②有名な写真家真崎湊の個展に行く】
日菜子「有名笑そうだね。行こうね。いつあるっけ。次。」
湊「来年の12月の予定。」
日菜子「みるの楽しみだな〜。」
どんどん書いていく2人
・ひまわり畑を見に行く
・お家縁日をする
・日菜子の好きなショートケーキをたくさん食べにいく
・ディズニーランドに行く
・行きたかったカフェに行く
・だいすきって1,000回言う
・イヌカフェに行く
まだまだたくさん書いてる
日菜子は少し笑う。
日菜子「ねぇ…こんなに?2年じゃ足りないね。」
湊「……2年じゃ、足りないんだよ(もっと生きてよ。)」
2人は肩を並べて微笑み合う。
少しずつ達成していき、【できた!】スタンプとその時の写真が貼られていくノート
日菜子の家族と一緒に(母,父、日菜子、謙太朗(弟)、穂乃華(妹))旅行する。
日菜子29歳の誕生日会、友達呼んでおうちパーティをする。
コスモス畑の日菜子。
29歳の春桜並木に花見に行く。(冒頭のシーン)
検査、治療、入院のシーンもある。
どんどん細くなり、どんどん弱っていく日菜子
(笑顔が少なくなっていることに気づく湊)
30歳の誕生日は病室で。
このとき医者から、最期はどこで過ごしたいのか聞かれ、「家」と答える日菜子。
湊と2人で家で過ごす。
日菜子はほとんど眠っていることが多くなった 。
ある日アラームが鳴る。
少しずつ心拍が低下している
日菜子の両親,兄弟、湊は日菜子を囲む。
ぎゅっと手をにぎる湊
ーーー
ぎゅ
ーーー
軽く日菜子が握り返してくれた
「みなとくん。今までありがとう。」と言っているかのように。そのまま日菜子はゆっくりと深い眠りについた。
湊「頑張った。えらいよ。日菜子ちゃん。(声を上げて泣く湊)」
葬儀のあと、日菜子の机の引き出しから一冊の分厚い日記帳が出てくる。
――湊の仕事がうまくいった日
――湊と喧嘩したけど仲直りした日
――背中を撫でてくれた日
――眠る湊を見て「生きたい」と思った日
毎日メッセージが書いてある。
そして最後のページ。
『真崎湊くんへ。
わたしのやりたいことたくさん叶えさせてくれてありがとう。
みなくんのおかげてもっとまだ、生きていたい!って思えたよ。
病気の診断を受けた日はもうこのまま黙って湊くんの前から消え去ろうかとも思ってた。
でもどうしても湊くんの顔が頭から離れなかった。
でも湊くんと過ごした毎日は、全部全部宝物で、すごく心の支えになっていたよ。
治療方針で言い合いになりかけた日も、シチュー焦がした日も、ケーキ2個買っちゃった日も。
夜桜も、ひまわりも、コスモスも、クッキーも、個展も。
も〜私、もう十分幸せすぎて、お腹いっぱい。 笑
だから湊くんが幸せになる番だよ。
私に幸せをたくさんありがとう。
湊くんの笑顔が、世界で一番大好きだから。
ずっと、ずっと、ありがとう。
大好きだよ。
笹原日菜子。』
湊はそっと日記を抱きしめ、泣く
これまでの2人の出会いからをまとめた動画で終わる。
桜の下で笑うあの日のままの姿。風が吹き、画面が白く光り、
ー1年後ーー
日菜子がなくなって一年が経った。
湊は個展を開いている。(お客さんがゾロゾロやってきているシーン)
題名は「ひなこ」
日菜子自身は大きく映っていないが、日菜子と見ていた景色、日菜子の後ろ姿が少し移ってる写真、日菜子の手が映り込んでる写真、日菜子と作ったものの写真、食べたもの、見たもの、日菜子がくれた物の写真いっぱいの個展
この個展で湊は話題になる。
最後に一枚の桜並木の写真に近づく
(湊がこの写真を見ている)
日菜子の声が聞こえてくる。
「ねえ、湊くん。撮れた?ちょーーー可愛く撮ってよねー」
湊「撮れたよ。」
↓そこで画面がふっと白くひかる。
タイトル:
「君のいない季節が来るまでに」
医療シーン等用語があってないかもしれないです。
映画風に作ったので小説感がなくなっていたらごめんなさい。
たくさん感想をいただけると嬉しいです。




