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やっぱり時代は熱血だよな!  ~炎属性の魔法使い、魔法学園で英雄になる~  作者: 雨天


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第八話 決戦! 優勝をかけた最後の戦い!



準決勝から一時間後。


俺たちは控え室で休息を取っていた。


「火乃丸、体は大丈夫か?」


ケン先輩が心配そうに尋ねてくる。


「はい、マリア先輩の回復魔法のおかげで、だいぶ回復しました」


「そう。ならいいけど...」


アリス先輩が真剣な表情で口を開いた。


「決勝の相手は地属性。リーダーは三年の大地ゴウ。防御力と持久力に優れた、最も手強い相手よ」


「地属性か...」


地属性は四大属性の中で最も防御力が高い。攻撃を受け止め、相手を消耗させる戦術を得意とする。


「特に大地ゴウは『鉄壁の盾』と呼ばれている。どんな攻撃も防ぎ切ると言われているわ」


「そんな奴に、どうやって勝つんだ?」


「それを今から考えるのよ」


アリス先輩は作戦ボードを広げた。


「地属性の弱点は、機動力が低いこと。重装備で動きが鈍い」


「なら、速攻で攻めるしかないな」


ユウキ先輩が言う。


「そうね。だけど、闇雲に攻撃しても防がれるだけ。一点集中で、防御を破る必要がある」


「俺に任せてください」


俺は立ち上がった。


「さっきの炎皇の力、まだ残ってます。あれで、絶対に防御を破ってみせます」


「火乃丸...」


「でも、あの技はまだ完全にコントロールできてないぞ?」


ケン先輩が心配そうに言う。


「大丈夫です。信じてください、先輩たち」


俺の目を見て、アリス先輩は頷いた。


「分かったわ。あなたに賭けましょう。私たちは、あなたをサポートする」


「ありがとうございます!」


---


決勝戦の時間が来た。


闘技場は、これまで以上の熱気に包まれていた。


「ついに決勝だ!」


「炎属性、六年ぶりの優勝なるか!?」


「地属性は三連覇中だぞ!」


観客たちの声援が響く。


そして、地属性チームが入場してきた。


中央には、巨大な体格の男性――大地ゴウが立っている。身長は二メートル以上。全身に岩のような鎧を纏っている。


「あれが...鉄壁の盾か」


「ああ。だが、恐れるな。俺たちには、熱い炎がある」


ケン先輩の言葉に、俺は頷いた。


「それでは、属性対抗戦・決勝戦、炎属性vs地属性、開始!」


審判の合図で、最後の戦いが始まった。


「行くぞ、みんな!」


俺たちは一斉に突撃した。


「来たか。だが、無駄だ――大地の(アースウォール)!」


大地ゴウが地面を叩くと、巨大な岩の壁が現れた。


炎拳(フレイムフィスト)!」


俺の拳が壁に叩き込まれるが、壁はびくともしない。


「硬い...!」


炎龍拳(フレイムドラゴンフィスト)!」


ケン先輩の強烈な拳も、壁を傷つけるだけだ。


「ハハハ! 貴様らの攻撃など、この壁の前では無力だ!」


大地ゴウが高笑いする。


「くそっ...」


「火乃丸、落ち着いて。焦っちゃダメよ」


アリス先輩が冷静に指示を出す。


「まずは、他のメンバーを倒しましょう。リーダーだけにすれば、包囲攻撃ができる」


「分かりました!」


俺たちは作戦を変更し、地属性の他のメンバーを狙った。


「させるか! 岩石弾(ロックバレット)!」


地属性のメンバーが岩の弾丸を放つ。


「炎の(フレイムシールド)!」


アリス先輩が防御魔法で防ぐ。


「ユウキ、今よ!」


「了解! 炎槍・貫通突き(フレイムランス・ピアス)!」


ユウキ先輩の槍が、地属性のメンバーを貫いた。


「一人退場!」


審判の声が響く。


「よし、このまま行くぞ!」


俺たちは次々と地属性のメンバーを倒していった。


そして、ついに大地ゴウだけが残った。


「フン、雑魚どもめ。だが、私一人で十分だ」


大地ゴウは余裕の表情を崩さない。


「さあ、来い。貴様らの攻撃、すべて受け止めてやる!」


「上等だ! 総攻撃だ、みんな!」


ケン先輩の号令で、俺たちは一斉に攻撃を仕掛けた。


炎龍拳(フレイムドラゴンフィスト)!」


火炎嵐(ファイアストーム)!」


「炎槍・紅蓮大突き(フレイムランス・グランドクリムゾン)!」


紅蓮弾連射(クリムゾンバレット・ラピッド)!」


俺たちの全ての攻撃が、大地ゴウに集中する。


だが――


岩鎧強化(ロックアーマー・フォーティファイ)!」


大地ゴウの鎧が、さらに厚くなった。


そして、すべての攻撃を防ぎ切った。


「な、何だと!?」


「ハハハ! 無駄だ、無駄! この鎧を破れる者などいない!」


大地ゴウの言葉に、俺たちは焦りを感じた。


このままでは、消耗戦で負けてしまう。


「くそっ...どうすれば...」


その時、控え席から声が聞こえた。


「烈ーーー! 頑張れーーー!」


陽太の声だ。


「諦めるなーーー!」


紅の声。


「火乃丸くん、ファイトーーー!」


咲の声。


「......」


燼は無言だが、静かに拳を握っている。


そして――


「烈! あなたならできるわ!」


涼音の声が響いた。


「みんな...」


俺の胸が熱くなる。


そうだ。俺には仲間がいる。


みんなが応援してくれている。


なら、俺はそれに応えなきゃいけない!


「先輩たち、俺にもう一度チャンスをください!」


「火乃丸...」


「俺は、絶対にあの鎧を破ります。だから、時間を稼いでください!」


俺の本気の表情を見て、アリス先輩は頷いた。


「分かったわ。三分、稼いであげる」


「ありがとうございます!」


俺は目を閉じ、深呼吸をした。


炎皇の力を、もう一度呼び起こす。


だが、今度は制御する。暴走させず、完全に自分のものにする。


「燃えろ...俺の魂よ...」


体の奥底から、熱い何かが湧き上がってくる。


それは、情熱。


それは、友情。


それは、勝利への渇望。


「集え...俺の全て...」


俺の全身から、炎が溢れ出す。


だが、今度は違う。暴走していない。完全にコントロールされている。


「これが...俺の真の力...」


俺の体が、再び炎皇の姿に変貌した。


だが、前回とは比べ物にならないほど、安定している。


「何だと...!?」


大地ゴウが驚愕の表情を浮かべる。


「先輩たち、下がってください!」


「火乃丸...!」


「任せた!」


先輩たちが後退する。


俺は、大地ゴウと一対一で向き合った。


「フン、いくら姿を変えても、私の鎧は破れん!」


「それは、どうかな」


俺は拳を構えた。


「俺の炎は、熱血だ。どんな壁も、どんな鎧も、燃やし尽くす!」


俺は地面を蹴り、大地ゴウに向かって突進した。


「来るか! 受けて立つ! 岩鎧最終強化(ロックアーマー・アルティメット)!」


大地ゴウの鎧が、最大限に強化される。


だが、俺は止まらない。


「うおおおおおおおッ! これが俺の――」


俺は全魔力を拳に集中させた。


炎皇の力、仲間たちの想い、そして俺自身の情熱。


すべてを、この一撃に込める。


「炎皇覇王拳(フレイムエンペラー・オーバーロードフィスト)!」


俺の拳が、大地ゴウの鎧に叩き込まれた。


瞬間――


バキィィィィン!


鎧が砕け散った。


「ば、馬鹿な...私の鎧が...!」


大地ゴウの信じられないという表情。


「終わりだ!」


俺の拳が、大地ゴウの胸部に直撃した。


「ぐあああああああッ!」


大地ゴウは後方に吹き飛ばされ、場外に落ちた。


静寂。


一瞬、闘技場全体が静まり返った。


そして――


「勝負あり! 勝者、炎属性! 優勝は、炎属性です!」


審判の宣言が響いた瞬間、闘技場が爆発した。


「うおおおおおおおおッ!」


「炎属性、優勝だああああああッ!」


「六年ぶりの快挙だああああああッ!」


観客たちの歓声が、天に届くかのように響き渡った。


「やった...やったぞおおおおッ!」


俺は膝をつき、拳を天に突き上げた。


「火乃丸ーーーーッ!」


先輩たちが駆け寄ってきて、俺を抱き上げた。


「お前、すごいぞ!」


「本当に、鉄壁の盾を破るなんて...!」


「ありがとう、火乃丸!」


みんなの笑顔を見て、俺も笑顔になった。


そして、控え席を見ると――


仲間たちが、涙を流しながら喜んでいた。


「烈ーーー! すげえぞーーー!」


「やったわ、烈!」


「火乃丸くん、おめでとうーーー!」


「......よくやった」


そして、涼音も――


「烈...おめでとう」


笑顔で拍手していた。


「みんな...ありがとう!」


俺は、仲間たちに向かって手を振った。


---


表彰式。


俺たち炎属性チームは、壇上に立っていた。


「それでは、優勝チームに優勝杯を授与します」


学園長が、巨大なトロフィーをケン先輩に手渡した。


「炎属性の皆さん、おめでとうございます。六年ぶりの優勝、見事でした」


「ありがとうございます!」


俺たちは声を揃えて答えた。


「特に、一年生の火乃丸烈くん」


学園長が俺を見た。


「君の活躍は素晴らしかった。これからも、その熱い炎を燃やし続けてください」


「はい! 絶対に!」


俺は力強く答えた。


会場から、再び大きな拍手が送られる。


俺は、この瞬間を忘れない。


仲間たちと共に掴んだ、勝利の瞬間を。


---


その夜、炎の塔では盛大な祝賀会が開かれた。


「烈、お前は英雄だ!」


「これからは『紅蓮の英雄』って呼ぼうぜ!」


上級生たちが次々と声をかけてくる。


「いやいや、俺一人の力じゃないですよ」


「謙遜するな! お前のおかげで優勝できたんだ!」


リオン塔長も、満足そうに頷いている。


「火乃丸、よくやった。お前の炎は、本物だ」


「ありがとうございます!」


「これからも、その炎を磨き続けろ。いつか、お前は本物の英雄になる」


リオン塔長の言葉に、俺は胸が熱くなった。


「はい! 絶対に!」


祝賀会が終わり、寮に戻ると、仲間たちが待っていた。


「烈ーーー!」


陽太が飛びついてきた。


「すげえよ、お前! 本当にすげえ!」


「ありがとな、陽太」


「貴様の成長には驚かされる」


紅も、珍しく素直に褒めてくれた。


「火乃丸くん、かっこよかったです!」


咲は目を輝かせている。


「......強かった」


燼も、短く評価してくれた。


そして――


「烈」


涼音が微笑みながら近づいてきた。


「おめでとう。本当に」


「ありがとう、涼音。お前との戦い、すごく良かったよ」


「私も。あなたと全力で戦えて、嬉しかった」


涼音は少し照れくさそうに笑った。


「これからも、一緒に強くなろうな」


「うん」


俺は、仲間たちの顔を見渡した。


みんな、笑顔だ。


この笑顔を守るために、俺はもっと強くなる。


そして、いつか本物の英雄になる。


「よし、みんな! これからも、一緒に頑張ろうぜ!」


「おおおお!」


俺たちは、拳を突き合わせた。


これが、俺たちの始まり。


そして、これから続く、熱い物語の、ほんの序章に過ぎない――。



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