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第5話 居酒屋






「いらっしゃいませ!何名様?」






「2人です」






「はいよ!奥の席どうぞ」








 九条くんと来たのは焼き鳥屋さん。


 






「九条くん、居酒屋とか行くんだ」






「そりゃあ行くよ」






「バーのが似合ってる」






「バーのがよかった?」




 


「ううん、ビールが飲みたかった」








 万が一九条くんみたいなイケメンとバーなんて……きっと、恋に落ちてしまう。




 私たちはビールと、適当な焼き鳥屋おつまみを注文した。








「「乾杯」」




 


 ふと、九条くんと2人で居酒屋に来たという事実に恥ずかしくなってきた。そんな邪念を掻き消すように、私はビールをあおる。




 


 


「今日は酔っ払って大丈夫?明日は予定はある?」






「明日もお昼からクリスマスマーケットに行くんだ~」






「明日も?今日と同じところ?」






「ううん、明日は御成門の方に」








 ちょっと待ってね、そう言って携帯で調べ始める九条くん。まつ毛長いんだな〜。






 


「イベント元は同じなんだ。面白そうだね」






「変って思わないの?」






「何が?」






「2日連続でクリスマスマーケットに行くのって、変わってるよね」








 自分で言っていてなんだか虚しくなってきた。いや、1番好きなことなんだけど、なんだか、ね。






 




「クリスマス満喫してるんでしょ?めっちゃいいじゃん!」






「九条くんは優しいね」






「俺が優しいのは藤原さんに、だけだけどね」






「合間合間に気になることを言ってくるの、やめてくれない?私が本気にしたらどうするの?」








 ただの同級生とはいえ、こんなイケメンに優しくされたら私の心がもたない。








「いいじゃん、本気にしたら」








 真剣な顔つきでそんなふうに言われたら、もう目を逸らすことができない。私は自分の瞳が揺れるのを感じた。








「ま、とりあえず今日は飲もうよ」






 タイミングよく運ばれてきた料理に「おいしそ〜」なんて言う九条くんに振り回されっぱなしの私。




 




「藤原さんは何の仕事を?」






 そうやって九条くんは私で遊ぶことをやめたのか「普段は何してるのか」とか「お仕事は順調?」など当たり障りのない世間話をした。それは会えなかった3年間分の時間を埋めるようだった。












 ――そして気づけば閉店時間。








 


5話まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。


九条くんみたいな同級生とお酒を飲みたいなと思ったそこのあなた!

ぜひリアクションで共感を教えてくれた。


またこの機会にブックマークがまだな方は、ぜひボタンを押していただけると嬉しいです。

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