表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/56

第22話 カウントダウン





 


 ほとんど眠れないまま迎えた朝。机の上に赤い花とネックレス、そして鍵。





 

 ――カウントダウンが始まってしまった。






 寝ぼけながら、何度目かわからない携帯のアラームを止める。


 

 布団にくるまり顔だけだた私は、画面に映る時計を見てベッドから飛び起きた。


 

 

 ただですら苦手な朝なのに、眠れなかった私。


 顔を適当に洗って、髪はささっと1つに結ぶ。それはそれはもうバッタバタ。

 


 

 大急ぎでスーツに着替えて、バックに荷物を詰めたら勢いよくドアを開ける。





 パンプスでリズミカルに階段を下りれば、カンカンカンカンと気持ちの良い音が鳴る。


 

 いつもは15分かけて歩く道を、小走りで10分。予定より1本遅いバスは混雑していて座れず、ぎゅうぎゅうの車内で吊革につかまった。


 

 

 

 息を整えて気が抜けたら、ふざけた雰囲気なのに真剣な声の九条くんの顔が頭に浮かぶ。「受けとって」そう言ったあの顔は本気に見えた。



 今日の夜、九条くんが迎えに来る。そう思うと心が浮ついてドキドキする反面、完璧ともいえる九条くんの横に立てるのか……そんな不安も湧いてくる。


 


 

 そんなふうにウダウダしていたら、降りなきゃいけないバス停に着いても気がつかず、バスが出発する寸前で無理やり降りた。



 なんとか勤務時間には間に合ったものの、全然仕事のやる気スイッチが入らない。とはいえ仕事をしないという選択肢はないわけで。



 

 

 職場の鍵を持っている私が遅刻するわけにもいかず、ゼーゼーとしながらジャージに着替える。電話やらパソコンやら起動させ、窓を開ける頃にやっと呼吸が落ち着いた。


 

 子どもたちの机を拭いて、配布する手紙を準備していれば早番2の先生が出勤してくる。



 


 子どもたちがガヤガヤとやってきて、ようやく仕事モードになった。

 


 

 連絡帳をチェックして冬休みのイベントをして、休憩中はお昼ご飯を食べながら年明けのイベントの指導案書いて。


 午後は子どもたちと校庭で鬼ごっこ。おやつの準備をしたら、下校の子どもたちを見送って……。


 


 あっという間にやってきた退勤時間。



 


 今日は残業もなく予定通りの時間に学校を出た。

 

 出た、出ることができてしまった。

 



 残業を言い訳にはできない。




 バス停まで歩きながら、ぐるぐるともう出かけている答えについて考える。


 

 男の人とお付き合いするってどういう感じなんだろう。いざ付き合って幻滅されたりしないのかな。

 



 嬉しさに振り切れない私は、バス停のベンチにカバンを置いて一息つく。


 するとすぐにバスが見えた。なんでこういう時に限って、あっという間にバスが来てしまうのだろうか。




 ――約束の時間まであと1時間。

 


 




王子様が迎えに来るまであと3話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ