表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/56

第12話 オオカミ








 ――思考回路が停止した私は、気づけばなぜかレインボーブリッジを見ていた。


 




 高層マンションから見えるきれいな夕日。そして痛いほどに感じる視線。




 






「九条くんのお家は、なんかすごいね」






 振り返る勇気はなく、外を必死に眺めながら声を掛ける。






「藤原さんが気に入ってくれたようでなにより」










 そう言って私の隣に立った九条くんは、一体どういう気持ちなんだろうか?










「何か飲む?」






「あ、うん。ありがとう」






「マーケットでココアを飲んだから、今度は紅茶にしようか」










 そう言ってキッチンに向かう九条くんに、ほっと胸を撫で下ろす。




 ちょっと余裕のできた私。ふと横を見ると隣の部屋のドアが開いていた。私は少しの好奇心で部屋を覗いてみた。






 




 そこには見たこともない程の大きなベッドとサイドテーブルだけが置かれた、とてもシンプルな寝室。さすがはイケメンの部屋という感じ。




 




「キングサイズかな?」








 そっと部屋に1歩足を踏み入れて、左右をキョロキョロ見てみる。スッキリとした部屋はモデルルームのようだった。












「へぇ、いい度胸じゃん」












 その声に気づいた時にはもういろいろと遅かった。












「こ、降参です」








 思わず両手を挙げてもじもじと下を向いたが手遅れだった。目の前に立った九条くんに左手をぐっと掴まれ、壁へと追いやられる私。






 やばい、怒らせてしまった……。










 ――ドンッ。






 




 一瞬の出来事に反応できなかった。


 気がついたら九条くんの右膝が私の股の下にあって、身動きが取れない。




 びっくりして顔を上げてしまったら最後、九条くんとばっちり合った目を逸らすことはできない。










「男の寝室に入るってことはそういう意味として受け取るけど?」










 そういう意味?どういう意味?


 わからないけどやばい状況なのはわかる。










「藤原さんのエッチ」










 ……エッチ?




 そう言われて初めて自分のした行動の意味を理解した。






 広げられた足を閉じることもできず、密着する体。息づかいが耳元で聞こえるほど近い整った顔。




 恥ずかしすぎるこの状況に、胸が壊れてしまうんじゃないかってぐらいバクバクした心臓。










「そんなに煽られたらさ、王子様も狼になっちゃうよ?」
















 ――パニック状態の私は、その息づかいに目をギュッと閉じた。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ