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第82話 鑑定のお仕事

「おはよう、ジョン」

人形ジョン『おはよう、アン』

「今日は、鑑定の仕事をするでしょ。何事もなければ、ジョンはシェルターに戻るの」

人形ジョン『はい、そのつもりです』

「分かった」


「じゃあ、モーラさんの家に行こう」

「おはようございます。モーラさん」

「おはようございます。アンさん」

「調子はいかがですか」

「はい、とても調子がいいです」

「それはよかったです。完治はしていますが、体調が悪く感じましたら、すぐに言ってください」

「はい、分かりました」

「では、クリーンをかけます」

「念のために鑑定もしますね」

「クリーン」「鑑定」

身体は何も異常はないようだ。

「身体のほうは、何も異常がありません」


「では、リハビリをしましょう」

すでに、ズボンに着替えていた。

今日は、ジョンは部屋の中にいる。

「昨日と同じように足首からしていきます」

足首、腿、腕、身体と動かしていく。

「どうですか、どこか痛いところはございますか」

「いえ、大丈夫です」

「無理はしないでくださいね」

「はい」

「疲れましたか」

「そうですね。まだ少し疲れます」

「コップ一杯のお水をお願いします」

「お水は沢山飲んでも大丈夫ですから」

「トイレに行きたくなるからと、飲まない方が良くありませんからね」

「飲みたいと思うときは、身体が欲しているのですから、躊躇せずに飲んでください」


「桶をお願いします」

お湯をはり、ヨモギを入れる。

「汗をかいていると思いますので、顔から丁寧に拭いてくださいね」

「では、お大事に」


「私は、このままギルドに行くね」

人形ジョン『集会所近くに行っています』

「ジョンも気をつけてね」

人形ジョン『はい、分かりました』


「おはようございます。レジーナさん。ギルドマスターはいらっしゃいますか」

「おはよう、アンさん」

「ギルマスも待っているよ。今、呼んでくるよ」

「おはようございます。ギルドマスター」

「おはよう、アンちゃん」

「モーラさんは、リハビリを頑張っています」

「今のところは、順調ですね」

「そうか。まだ若いからすぐに回復するだろう」

「そうですね」

「じゃあ行こうか」


ギルマスと集会所に向かう。

もう、すでに女将さんとお店の人は来ていた。

「おはよう、ギルマス、アンさん」

「おはよう、女将」

「おはようございます。今日はよろしくお願いいたします」

「ああ、こちらこそ、よろしく頼むね」


お店の人は、15人はいた。

娼婦の人とお店の従業員だろうか。

パンパン、女将が手を叩いて、こちらに集中させる。

「よく聞いておくれ、こっちが冒険者ギルドのギルマスだ。そして、彼女が冒険者で鑑定してくれるんだ」

「みんな、並んで順番に鑑定を受けてくれ」

「あの、鑑定される人は、少し離れたほうがよくないですか」

「どうしてだい」

「なかには、他の人に知られたくない人もいるのではないですか」

「そうさね。では、そうしようかね」

鑑定される人は、部屋の隅で椅子に座り、他の人は離れた場所で並ぶことになった。


「では、鑑定しますね」

「あんた、本当に鑑定なんて出来るのか」

「はい、出来ます。もし私では不足のようでしたら止めますか」

「いや、いい、女将の勧めだから、このまま受けるよ」

「では、鑑定しますね」

「鑑定」

「風の魔法です」

「風の魔法って、どんなことをするんだ」

「そうですね。薪などに火をおこし、少しだけ風を送れば燃えやすくなりますし、練習すれば、薪割りも出来るかもしれません」

「そうか。それは便利だな。ありがとな」


次の人が座る。

無言である。

「鑑定しますね」

「鑑定」

「水の魔法です」

「何が出来るんだ」

「洗い物が便利ですね。食器や洗濯物が洗えますし、のどが渇いたときは水を出して飲めます」

「慣れてくれば、お風呂の水をためられるかもしれません」

「そうか」


次の人が座る。

「よろしく」

「はい、よろしくお願いします」

「鑑定します」

「鑑定」

「水の魔法です」

「よっしゃー!」

「ありがとな」


次の人、次の人と鑑定していく。

意外と、水が多い。


次の人が座る。

「鑑定します」

「鑑定」

「氷魔法です」

「なんだ、氷って」

「夏の暑い時などは、氷をだして涼めますし、飲み物に氷を入れれば、冷えて美味しく飲めます」

「あーそりゃあいいな」


次の人が座る。

「あんた、何で冒険者なんてしているのさ」

「そうですね。好きだからですかね」

「へぇー、物好きだな」

「鑑定します」

「鑑定」

「火の魔法です」

「へぇー、何が出来るんだ」

「かまどに火を付けたり、慣れればお湯も沸かせます」

「鍋に水を入れて、火魔法を使えばお湯になると思います」

「こりゃあ、いい」


次次と鑑定して、問題なく終わった。


「いやぁ、ありがとさん」

「おかげで助かったよ」

「いえ、お役に立てて良かったです」

「じゃあ、また何かあったら頼むさね」

「はい、ありがとうございました」


「問題なく終わったな」

「はい、無事に終わってホッとしています」

「まあ、そうだろうな。アンちゃんじゃあ、会わないような連中だからな」

「まあ、そうですね」

「これは、依頼表だ。女将の依頼完了のサインもあるから、レジーナに渡してくれ」

「分かりました」

「どうする、ギルドに戻るか」

「そうですね。戻ってこれを渡します」

「そうか、なら一緒に戻るか」

「はい」

念話『ジョン、無事に終わったよ。ギルマスと一緒にギルドに戻って、依頼完了の手続きをしてから帰るね』

人形ジョン『分かりました。気をつけて帰ってきてください。私は先に戻っています』

『うん、分かった』


「レジーナさん、依頼完了の手続きをお願いします」

「無事に終わったのかい」

「はい、問題なく終わりました」

「それは、良かったよ」

依頼の賃金を受け取り、シェルターに戻る。


「ただいまぁ、ジョン」

人形ジョン『お帰りなさい、アン』

「無事に終わって良かったよ」

人形ジョン『そうですね。心配でしたが良かったです』

「ちょっと、外見とか話し方が乱暴な人はいたけれど、大丈夫だったから安心した」

「やっぱり、知らない人が沢山いると緊張するね」

人形ジョン『それは仕方ないです』

「まあね、でもこれからは少し慣れたほうがいいかもね」

「休憩したら、リハビリの本を読んで勉強するね」

人形ジョン『そうですか、ゆっくりしてください』


自室に戻って、地球から購入した介護関係の本を読む。

自動読み取りも出来るが、普通に読んだほうがきちんと理解できそうな、気がする。


翌朝もモーラさんの家に行った。

少しだけ回数を増やし、このままいけば順調に回復していくだろう。


ギルドに行き、ギルマスに報告していると、一階が騒がしいようだ。

ギルマスと一緒に一階の様子を伺っていると。

「ここにアンという冒険者が入ったのは分かっているんだぞ」

「隠し立てするなら、容赦しないぞ」

なんか、衛兵らしき人が怒鳴っている。

ギルマスが私を下がらせて。

「うちに何のようだ」

「ああ、ギルマスか、アンという冒険者を探している」

「何のために」

「違法行為の取り締まりだ」

「はっ、違法行為だと」

「ああ、そうだ。なんでもヤバイ薬をあつかっているそうだ」

なんのことだ。そんなことする訳ないじゃん。

「とにかく、そんな場所で騒がれたら迷惑だ。俺の部屋で詳しいことを聞く」

「仕方ないな。説明してやる」

私も一緒にギルマスの部屋に戻る。

「それで、アンがどうしたって」

「ああ、なんでも違法な薬を患者に飲ませているらしい」

「それだけじゃねえ、医療行為もしているっていうんだ。とんでもない女だ」

それって、私のことか。

「それは、誰からの情報だ。確かな話しなんだろうな」

「そんなの情報源を言えるわけないだろう」

「それで、もし違ったらどうするんだ。こんな大騒ぎをおこして」

「はっ、たかが小娘一人に何をビビる必要がある」

「それで、なんでヤバイ薬だと言い切れるんだ」

「なんでも、娼婦病に効く薬だと嘯いて、薬を飲ませているそうだ」

「ほお、それが何で嘘だと言い切れる」

「そんなの決まっているだろう。娼婦病は治らない病気だ。そんなことは子供でも知っていることだ」

「へぇー、そうかい。それでもし、お前さんの言うことが間違っていたらどう責任をとるんだ」

「はあ、なんで俺が責任とる必要がある」

「ギルドにきて大騒ぎして、うちの会員を犯罪者扱いしたんだ、責任は十分あるだろう」

「ハハ、いくらギルマスだからって、違法行為をしている冒険者は庇えないぜ」

ギルマスが私の顔を見る。頷いているので、私も頷く。

「お前さんの探している、アンは、彼女だ」

「えっ、お前か」

「だったら、大人しく捕まれ。牢屋に入れてやるからよ」

うわぁ、こわいよぉ。

「待て、そうあわてるな。こちらの話しも聞けよ」

「まずは、娼婦病の薬は出来ている。薬師ギルドに確認すればいい」

「それから、彼女は薬師の免許も持っているから違法ではない」

「はあ、そんな嘘を言って騙されるわけないだろ」

「アンちゃん、薬の証明書を出してくれるか」

「分かりました」

バッグから証明証を出し、衛兵に見せる。

「薬師ギルドが発行した、娼婦病の薬の証明書になります」

「はっ、どうせこんなの偽物に決まってる」

「さては、お前たちはグルなんだな」

「だから、今もこうして一緒にいたんだろう。俺はこんな簡単な嘘に騙される男じゃないぞ」

「はぁ、分からずやだな」

「それなら、薬師ギルドから誰か呼んでくればいい」

ドアを開けて、サブマスを呼び出している。

「悪いな、すぐに薬師ギルドに行って、娼婦病の薬の証明ができる奴を呼んできてくれ」

「あーこの女は医療行為もしているから、薬師の件だけじゃないぞ」

「でしたら、治癒ギルドの方も呼んでいただけますか」

「ああ、分かった」

「そんな悪あがきをしたって、どうしようもないぜ」

「もしかして、この女はギルマスのイロか」

「なんだ、ギルマスはガキが好みなのか」

念話『ジョン、大変なことになった。今ギルドにいるんだけれど、衛兵がやってきて、私が違法な薬を与えて、違法な医療行為もしているから、捕まえるっていうの』

『それで、サブマスが薬師と治癒ギルドに人を呼びに行っているの』

人形ジョン『分かりました。私もすぐにそちらに行きます』

『えっ、ジョンまできて捕まったら大変だよ』

人形ジョン『心配いりません。大丈夫ですから落ち着いて待っていてください』

『分かった』


衛兵が一人演説しているうちに、廊下が騒がしくなった。

トントン「薬師と治癒の方をお連れました」

サブマスが薬師ギルトと治癒ギルドの人を連れて入ってきた。

「ああ、忙しいのに悪いね」

「こちらの衛兵が娼婦病の薬が出来ていると説明しても、薬師ギルド発行の証明書も見せているが信用しないんだよ」

「だから、忙しいところ呼び出したんだ。すまないな」

「はい、確かに娼婦病は治癒する薬は完成しまして、今販売に向けて制作している最中です」

「ほらな、そう言っただろ。娼婦病の薬はあるんだ」

「そうだとしても、まだ制作中なんだろ、だったらこの女が薬を持っているのはおかしいじゃないか」

「私は薬師の免許をいただいておりますので、何らおかしくはございません」

「そんなの嘘っぱちに決まっているだろう」

「失礼ですが、あなたは薬師なのですか」

「はい、そうです。薬師の免状とカードがございます。確認なされますか」

「そうですね。確認させてください」

薬師の上級免許とカードを見せる。

薬師の方はじっくり見て確認している。

「こちらは、本物でございます。彼女は薬師の上級免許を取得しております。ですから薬を患者様に与えても何も問題ございません」

「そ、そんなの嘘に決まっている」

「いいえ、確かに確認いたしましたので、間違いございません」

「それでも、制作中の薬を持っているのはおかしいじゃないか」

私は、薬師ギルドが発行した、薬の証明書も見せる。

「こちらは、薬の証明書と薬の制作、販売許可の証明になります」

これも、薬師の方がしっかり確認する。

「これをお持ちですか。これは彼女が薬の制作および販売、患者に投与できる証明書になります。ですので、彼女が患者様に薬を与えたとしても何も問題ございません」

「だったら、医療行為はどうするんだ、これは間違いなく違法だろ」

「私は、治癒ギルドで講習を受けて、介助する資格もあります。ですから何も問題ございません」

治癒ギルドの免状とカードを見せる。

今度は、治癒ギルドの人が確認している。

「はい、本物の免状とカードです。彼女は患者様を介助する資格はございます」

「なんだと、そんな都合のいい話しがあるか。さてはみんなしてグルだな」

「全員、引っ捕らえてやる」


トントン「衛兵隊長をお連れいたしました」

サブマスが今度は、衛兵隊長を連れてきた。

「ああ、悪いな。隊長。この男がうちの冒険者を犯罪者に仕立てたいらしくてな、俺たち全員を捕まえてやると息まいているんだよ。どうにかしてくれないか」

「はぁー、またお前か」

「こいつが何か仕出かしたのは分かるが、一応説明してくれ」

「ある患者に彼女が薬を提供して、リハビリをしているんだ。もちろん資格もある。そこにいる薬師ギルドと治癒ギルドの方にも証明してもらった。だかこいつは違法行為だと言い張ってな、困っていたんだ」

「こんな大騒ぎにもなって、どう責任取ってくれるのか聞きたい」

隊長は薬師と治癒の人にも確認している。

「本当に申し訳ない。こいつは問題ばかり起こして、次に何か仕出かしたら、首にすることになっているんだ」

「クビねぇ、それだけで済ませるんだ」

「これは、恐喝じゃねえのか。俺たち全員を捕まえるって言っていたんだからよ」

「それは・・・。とりあえず、こいつは牢屋に入れる。あとのことは、また相談させてくれ」

「どうするよ、アンちゃん」

「私は、無実が証明されれば、まあ、いいです」

「お二人さんはどうだい」

「私は、解決すればそれでいいです」

「私も同じです」

「だそうだ。こいつを連れて行ってくれ」

ドアの外で待機していた、他の衛兵がこいつを縛り上げて連れ出してくれた。


「はぁー、参ったぜ。最初はどうなるかと思った」

「はい、お手数おかけしました」

「いや、アンちゃんが悪いわけじゃないさ。俺が頼んだことだしな」

「あの一つ伺ってもいいですか」

「おう、なんだ」

「なぜ、あなたは薬の許可が下りたのですか」

「ああ、それは薬師ギルドのギルドマスターと話しをつけたからでしょうか」

「それは、スヴァロード領のキルィ町のギルマスですか」

「そうです。ロペスさんと話しをして、証明書も発行していただきました」

「なるほど、でもなぜ、キルィ町なのですか、この町にも薬師ギルドはございますのに」

「あーそれは、キルィ町には縁がございまして」

「治癒ギルドもキルィ町になっていますね」

「ええ、それも縁がございまして、パーラさんに免状を発行していただきました」

「パーラさんって、ギルドマスターですよね」

「なぜ、うちではないんですか」

「そう言われましても」

「なんだよ。どこのギルドでもいいじゃないか」

「「いいえ、そんなことはありません」」

「なんだよ。二人してかぶってやがる」

「まあ、こちらよりもキルィ町の方に縁があっただけですから」

しつこいなぁ。まったく。いいじゃないかどこだって。


トントン「ジョンさんをお連れしました」

「ああ、入ってくれ」

ジョンが仕立ての良い護衛服で入ってきた。

モーニングスーツでなくて良かった。

人形ジョン『アン、ご無事でしたか』

「あーごめんね。衛兵は隊長に連れていかれたよ」

人形ジョン『何があったのですか』

「悪いな。ジョン。モーラのことで違法行為をしていると疑われてな」

「モーラさんの」

「それは、おかしいですね。治療の件は、私たちもしくは女将さんしか知らないはずですよね」

「そうなんだよな。誰が漏らしたかだな」

「あの、こちらの方は」

「あー、申し訳ございません。私の護衛です」

「そうですか。それで話しの続きですが、どうしてこの町ではダメなんでしょうか」

はあ、まだ聞くのか。

人形ジョン『こちらは』

「薬師ギルドと治癒ギルドの方で、私の免許が本物であると証明するために呼んでくれたの」

「それでなんでこの町ではなくて、キルィ町なのかって聞かれていて」

人形ジョン『なんだそんなことですか。それはこの町の商業ギルドが信用できないからですよ』

「ちょっと、ジョン」

人形ジョン『アン、庇う必要などありませんよ。商業ギルドはアンに不義理をしたし、犯罪者を三人もだしたのです。信用できるわけがございません』

「まあ、そうだよな。この町を出て行かないだけよかったよ」

人形ジョン『それは、アンがあなたに義理を感じたからです』

「ちょ、ちょっとジョン」

人形ジョン『でも、今回の件で考え直す必要があるかもしれません』

「はあ、なんだよ。義理って、それに出て行く気なのかよ」

「いやいや、そんなことはないですよ」

「あの、商業ギルドが犯罪者を出したとは、本当なんですか」

「ああ、それは間違いない。牢に入れられて王都に運ばれていったからな」

「えっ、ギルドマスターは、ご存じだったのですか」

「こう見えても俺は、ここのギルマスだからな。ある程度のことは情報が入るのさ」

「そうですか」

「しかし、それで我々が信用されないのですか」

「いえ、違いますよ。本当に偶々で、キルィ町の商業ギルドから薬師ギルドと治癒ギルドのギルドマスターを紹介されたんです」

「そうなんですか」

「悪いな二人とも、証明してもらって助かったよ。ギルマスにも後で礼を言っとくから、このへんで終いにしようぜ」

「分かりました。何かありましたら、今度はうちに来てください」

「私のところもです」


「やっと、帰ってくれたか」

「なぜ、あんなに食い下がるのでしょう」

「そりゃあ、アンちゃんを確保したいんだろうよ」

「そうなんですか」

「ああ、それだけの資格があれば欲しいと思うさ」


「しかしなぁ、なぜアンちゃんのことが筒抜けになっている」

「女将が話すとも思えないが」

人形ジョン『下働きの子じゃないですか』

「えっ、あの子が、なんで」

人形ジョン『いえ、女将でないなら、あの子しかおりませんよ』

「そうだよな。普通ならそう思うよな」

「俺から女将とあの子に確認するよ」

「だから、アンちゃんからはあの子には何も聞かないでくれるか」

「ええ、まあ、分かりました」

人形ジョン『もう、行かなくてもいいのではないですか』

『もう、完治しましたし』

「いや、そうなんだけれど、リハビリもあるし」

人形ジョン『でも、それはアンの善意からですよね。アンの身が危なくなるのでしたら、認められませんよ』

「えー、そうなの」

「確かにな。これはちょっと悪質だと思うぞ」

「確実にアンちゃんを狙っているから」

「えー、怖い事言わないでくださいよ」

「いや、あの子に話しを聞けるとしたら、娼婦になるな」

「えー、私何もしていないのに」

「いや、たぶん妬みだな」

「なんか、私ついていないことばかりですね」

「子爵家が片付いたと思ったら、今度はこれですか」

「ああ、そうだったな」

「しばらくの間は、用心してくれ」

「分かりました」


「何だか、嫌なことが続くよね」

人形ジョン『そうですね。これからは、どこに行くにも私が一緒に行きますから』

「そうだねぇ。仕方ないよね」

「でも、冒険者の活動する時はどうする」

人形ジョン『影を薄くして近くにいます』

「人の事を羨んでも仕方ないのにね」

人形ジョン『人間はそういう生き物です』


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