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第81話 初めての指名依頼④

「おはよう、ジョン」

人形ジョン『おはよう、アン』

「今日は、モーラさん完治しているといいね」

人形ジョン『そうですね。完治すればギルマスも安心するでしょう』

「出かけるまで、屋外用の歩行器を考えるね。あと、敏感肌用の石鹸もね」

人形ジョン『分かりました』


屋外用は、区別がしやすいように、歩行車と呼ぼう。

調べたけれど、歩行器と歩行車の明確な違いが見つけられなかったから。

まあ、こちらの世界で使用するのだから、私が決めてもいいよね。

屋外用は、ハンドル型なんだ。

かごが付いていたり、イスになったり便利だな。

屋外で使う目的だから、買い物や疲れた時の為に考えられているんだ。

ブレーキやロックも付いているから、安全面でも大丈夫そう。


異世界のネット通販と【ビューview】機能で、自動選択。

「この歩行車と同じような物を作って」

「クリエイト」

「おー出来ましたよ」

この世界の道は、平じゃないから車輪も大きめにしたんだ。

お貴族様が買うのならば、道は歩かないだろうけれど、庭ぐらいは出るだろうからね。

ぬかるんでいたり、デコボコ道だったりするから、これでいいでしょう。

木製も作っておく。

体重制限は、100kgまでとして。

あとは、申請書と設計図の作成。


次は、敏感肌用の石鹸ね。

石鹸の材料と作り方、乾燥具合などを書く。

材料は、オリーブオイル、ホホバオイル又は、スイートアーモンドオイル又は、ひまし油又は、アボカドオイル、ミノタウロスの油脂又はオーガの油脂、灰汁、水。

乾燥・熟成は、2~4週間かな。

それぞれのオイルで制作。

通常の石鹸にはアロマオイルを数滴たらしても良いし、乾燥ハーブを表面に飾りのようにしても良い。

敏感肌用には、アロマオイルを使用するには注意が必要と。

アレルギー反応の注意書きも必要。

必ず、手とかの一部分で試し洗いをして、何もトラブルがなければ、全身で使用する。

赤くなったり、腫れたり、湿疹が出たら使用を中止する。

その場合は、お水できれいに洗い流すようにする。

そうだ、石鹸の片面にアース商会の商標登録印を刻もう。

それから、何のオイルを使用しているか分かるように石鹸箱も作って。

敏感肌用の文字は大きめにして、オイルの名前と絵を書いて、箱の裏面には販売元のアース商会名と使用期限、使用上の注意を書く。

申請書とレシピを作成。

前回の石鹸にも追加でアロマオイルと乾燥ハーブの飾りも申請。

今回もサンプル品を用意しよう。


あとは、介護補助の本をコピーしないとね。

販売価格はどうしようか。

換金と鑑定で調べるか。

これって、同じ金額が表示されるのかな。

「コピー」「鑑定」

『金貨2枚』と、表示された。

日本円で20万円になる。

うそぉー、そんなに高いの。

あー、もしかして専門書扱いになるのか。

そうなると高いのか。

じゃあ、今度は換金してみよう。

タブレットの前に置いて、換金をする。

『金貨2枚』と、表示された。

よかった。どちらかがぼったくりだったら、どうしようかと思ったよ。


そろそろ時間になるので、支度する。

念話『ジョン、出かける時間になったよ』

人形ジョン『分かりました。今行きます』


いつもの時間にモーラさんの家に行く。

「おはようございます。モーラさん」

「おはようございます。アンさん」

「調子はいかがですか」

「はい、気分はすっきりしています」

「それは、良かったです。では、先にクリーンをかけます」

「続けて、鑑定しますね」

「鑑定」

内臓も皮膚も完治しているね。

皮膚は、おできの跡があるけれど、これは仕方がない。

治せてしまうけれど、それは良くないだろう。

「はい、完治しています」

「おめでとうございます。モーラさん」

「あなたもお疲れ様でした」

「寝たきりの方を看病するのは大変でしたね」

「よく頑張りました」

「はい、ありがとうございます」


「これからは、リハビリを頑張りましょう」

「リハビリを受けやすいように、甚平型のパジャマを用意しましたので、こちらの服に着替えてください」

「上着は、前開きで紐で結ぶようになっています。下の衣は奥の紐と上の衣ははじの紐と結びます」

「下はズボンタイプとなっていますので、足を動かしても肌が見える心配はありません」

「では、着替えをお願いします」

「私たちは、一旦部屋の外にいますから」


「準備できました」

最初なので、モーラさんも恥ずかしいかもしれないから、ジョンには部屋の外にいてもらった。

「では、始めます」

「まずは、足首を上下に動かしますね。力は入れないでリラックスしてください」

足首を膝に乗せ、上下に動かしていく。

初めてなので、五回までにする。

今度は、片方の足を上下する。

「次は、軽く回しますね」

各足を右回り、左回りにする。

足の指全体を持ち、曲げたり伸ばしたりする。

「次は、膝を曲げます。もし、痛みを感じるようでしたら、遠慮なく言ってください」

「我慢するのは、身体に良くないですから」

ふくらはぎと腿の裏をもち、ゆっくりと曲げていく。

いきなり深く曲げると関節に悪いので、腿がお腹に近づいたくらいで止める。

こちらも、左右五回にする。

「次は、手を動かします」

まずは、手首を上下、回したりする。

腕を曲げる。

腕を伸ばし上に上げる。

片膝を立てて、腰をひねるようにする。

「今日は、ここまでにしましょう」

「どうでしたか。疲れましたか」

「はい、久しぶりに動かしたせいか、少し疲れました」

「では、水分をとりましょう」

「お水をコップ一杯いただけますか」

下働きの子にお願いする。


今日は、初めて身体を動かしたので、疲れているでしょうから、もう運動はしないでください」

「徐々に身体を馴らしていきましょう」

「焦らなくても、大丈夫ですから」

「モーラさんが運動しないように、見張っていてくださいね」

「アンさん、大丈夫ですよ。勝手に動かしたりしないです」

「ふふ、そうですか。では、お大事になさってください」


ギルマスに報告に行く。

「おはようございます。レジーナさん。ギルドマスターはいらっしゃいますか」

「おはよう、アンさん」

「ギルマスも待っているよ。案内するね」


「おはようございます。ギルドマスター」

「おはよう、アンちゃん」

「モーラさんは、無事に完治しました。おめでとうございます」

「そうか。よかった。ありがとうな。アンちゃん」

「今日は、軽くリハビリをしてきました」

「足、手、腕、腰を数回、動かしました」

「初めてですので、軽く動かし数回だけにしてあります」

「ああ、そうだな。急には動かせないからな」

「ええ、下働きの子にも、モーラさんが勝手に運動しないよう見張りを頼んできました」

「ハハ、そうか、ならば安心だな」

「ええ、どうしても焦ってしまいますから」

「完治したことだし、これで指名依頼は完了だな」

「これが、依頼表だ。完了のサインもしてある」

「ご苦労様でした」

「ありがとうございます。初めての指名依頼ですから、嬉しいです」

「ああ、女将の依頼表も完了しているから、渡すな」


「それで、また、女将から依頼なんだが、店の者たちに話しをしたら、数人は鑑定を受けたいらしいんだ」

「アンちゃんが鑑定してくれないか」

「えっ、でも鑑定は教会がするんじゃないんですか」

「もちろん、教会でもするが、冒険者ギルドでもしてもいいんだ」

「冒険者じゃなくても、受けられるんですか」

「ああ、依頼があれば問題ない」

「へぇー、そうなんですね」

「私は、構いませんが、どこでするんですか」

「もしかして、私がお店に行くんですか」

「いや、アンちゃんをお店に行かせるのは良くないから、別の場所にする」

「集会所があるから、そこならば問題ないだろう」

「そうですか。分かりました」

「それで、いつなら大丈夫か」

「そうですね。朝はモーラさんの家に行きますから、その後でしたら、いつでもいいです」

「そうか、ならば、明日の10時はどうだ」

「はい、大丈夫です」

「俺も一緒に行くから、ギルドに9時50分でどうだ」

「ギルドマスターも一緒に行かれるんですか。仕事は大丈夫なんですか」

「まあ、長い時間じゃないし、サブマスがいるから問題ないさ」

本当かなぁ。これって、サブマスに話しが通っているのか疑問だ。

「店の奴らも、問題のない奴ばかりだが、アンちゃんは知らないだろう」

「そうですね。お会いしたことは無いと思います」

「ジョンは連れてくるか」

「うーん、いえ止めておきます」

「なんとなくですが、反感を買うような気がします」

「ああ、そうか。そうだな。ジョンは色男だからな」

「えっ、色男?」

「なんだ、アンちゃんはそう思わないのか」

「いえ、まあ顔は整っているほうだとは思いますが」

「そうだろう。そんな男がいたら反感も買うわな」

「ふふ、そうですね」


「ただいまぁ、ジョン」

人形ジョン『お帰りなさい、アン』

「ギルマスにねぇ。女将さんの店の人たちを鑑定するように頼まれたの」

人形ジョン『そうなんですか』

「明日の10時に約束して、ギルマスも一緒に行くから、ギルドに9時50分に集合するの」

人形ジョン『では、私もご一緒します』

「今回はね、ジョンは一緒に行かない方がいいと思うんだ」

「相手が娼館の人でしょ、若いジョンが一緒にいると、やっかまれると思うんだ」

人形ジョン『そんなことは無いです』

『アンを一人で行かせるほうが心配です』

「いや、一人じゃないよ。ギルマスがいるから」

人形ジョン『それでも心配です。どこで集まるのですか』

「集会所だって」

人形ジョン『でしたら、影を薄くして近くで待機しています』

『そうすれば、万が一何かあっても、すぐに駆け付けられますから』

「うーん、そうねぇ。分かった。見つからないようにね」

人形ジョン『はい、気をつけます』


「これから、商業ギルドに屋外用の歩行車の登録に行こうか」

人形ジョン『分かりました』


商業ギルドに行く。

受付に、サブマスがいた。

ちょっと、驚いた顔している。まあ昨日の今日だものね。

「こんにちは、グリーンさん」

「こんにちは、スペンサー様、タンディ様」

「昨日の今日で申し訳ございません」

「いえ、とんでもございません。本日も広い部屋のほうがよろしいですか」

「そうですね。少し広いほうがいいです」

「では、昨日と同じ部屋にご案内いたします」

「ギルマスを呼んでくれ」

近くにいた職員にギルマスを呼ぶよう頼んでいる。

まあ、そのほうがいいよね。

「本日はどのようなご用事でしょうか」

「はい、昨日言われました、屋外用の歩行車と敏感肌ようの石鹸をお持ちしました」

「えっ、昨日の今日でもう作られたのですか」

「いえ、ある程度は制作していましたので」

「そうでしたか、いや、一日で作られたのかと思い驚きましたよ」

本当は数分で作ったんだけれどね。ハハ。

「こちらに出しますね」


トントン

「はい」

ギルマスが入ってきた。

「こんにちは、スペンサー様、タンディ様」

「こんにちは、エルフマンさん。昨日の今日で押しかけてしまいました。申し訳ございません」

「治癒ギルドのギルドマスターに本を渡すこともありましたので、お伺いしました」

「それで、これも歩行器ですか」

「はい、こちらは屋外、屋内兼用となります」

「昨日の歩行器よりもキャスターが大きくなっています」

「それから、ハンドル式になっていまして、取手の下のレバーを一緒に握ると、止まります」

「昨日と同じように、キャスターには抵抗器が付いていますので、利用する方のスピードに合わせられます」

「ここの部分は、イスにもなります。ただ、その際は必ずキャスターをロックします」

「ロックを忘れますと、キャスターが動いてしまい、転倒する場合もございます」

「何かご質問はございますか」

「うーん、特には思いつかないな」

「では、試してみますか」

「ああ、そうしよう」

「これは、キャスターが大きくなった分、動かしやすいな」

「そうでございますね」


テーブルの上に、敏感肌用の石鹸を出す。

「こちらは、肌の弱い方の石鹸になります」

「全身に使われる前に、試し洗いをしていただきます」

「手で試すのが一番やりやすいです」

「手で試していただいて、かゆみ、腫れ、湿疹などの症状が現れなければ問題ないと思います」

「もし、症状が現れましたら、すぐに水で洗い流していただきます」

「箱の裏や説明書には書かれています」

「オイルも数種類作ってございますので、試してみてください」

「お、これも試せるのか嬉しいね」


「そうだ。忘れるところだった」

「アース商会様のランクが上がり、大金級となりました」

「えっ、上がったのですか。どうして」

「いやいや、色んな物を登録していただいたのですから、当然です」

「でも、アース商会は店舗がございません」

「ですから、特例ですね」

「それは、あまり良くないのではないですか」

「まあ、そうとも言えますが、これだけの商品を登録されているのに銀級というわけにもいかないのですよ」

「そうなのですか。問題がないのでしたらいいのですが」

「まあ、その時は王都本部がどうにかするでしょう」

「こちらが、免状と新しいカードになります」

「今のカードはどうしましょうか」

「新しいカードと入れ替えますので、こちらで引き取ります」

「それでは、また何かございましたらよろしくお願いいたします」

「はい、本日もありがとうございました」


商業ギルドを出て、治癒ギルドに向かう。

「ねえ、ジョン。大金級だって、いいのかな」

人形ジョン『ギルド側が決めたのですからいいのではないですか』

『ただ、他の会員から苦情があるかもしれませんが、ギルドが何とかするでしょう』

「そうかな。それならいいけれど」


治癒ギルドに到着する。

他のギルドとは、なんか雰囲気が違う。

「スペンサーと申しますが、ギルドマスターのパーラさんはいらっしゃいますか」

「お約束はしてありますでしょうか」

「本日とは決めておりませんが、商品をお渡しする約束はしております」

「確認を取りますので、少々お待ちください」

念話『ここでは、帰れとは言われなかったね』

人形ジョン『そうですね。ここはきちんとしているのでしょう』


「おー、スペンサー様にタンディ様。早速お越しいただき感謝します」

「さあ、さあ、こちらにどうぞ」

なんか、大歓迎されている。

個室に案内される。

「いやー、昨日の今日で来ていただけるとは、嬉しい限りです」

「いえ、お待たせするのも申し訳ございませんので」

「講習も受けさせていただきまして、ありがとうございました」

「いえ、とんでもございません」

「あの本はお持ちいただけたのですよね」

「はい、お持ちいたしました」

本をテーブルに置く。

「あー、これが私の手元に来るなんてすばらしい」

「あの、それでお値段なんですけれども」

「はい、もちろん分かっておりますとも」

「申し上げにくいのですが、金貨2枚でお願いいたします」

「はっ、なんですと」

「あ、その・・・」

「安すぎますぞ」

「これだけの本をそんなに安い値段で販売してはいけません」

「最低でも、金貨3枚はしなくては」

はぁー、高いじゃないか。

「そんなに高い値段ですか」

「もちろんですとも、私どもも長年の研究でも分からなかったのです」

「本当ならば、もっと倍はほしいところです」

いやぁー、それは無理だろう。

「ですが、金貨3枚でお願いしたい」

「正直な話し、私のふところも寂しいのです」

「いやー、色んな本や機材に材料を買ってしまうのでな。ハハハハハ」

「まあ、そんなこともございますよね」

「では、そのお値段でお願いいたします」


「なんか、良かったのかな。あの値段で」

人形ジョン『本人がそのように希望されたのだから、いいのではないですか』

「そんなものかなあ」


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