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第72話 雑用の日⑦

最近は、商業ギルドに頻繁に行くようになったし、身元調査とかされるかな。

宿に泊まったのは、一度だけだし調べられたらアウトだよねぇ。

かといって、ずっと宿に泊まるのも勿体ないからな。

なにか上手く誤魔化せる方法は無い物か。


「おはよう、ジョン」

人形ジョン『おはよう、アン』

「ねえ、ジョン。最近ギルドに頻繁に行くじゃない。身元調査とかされないのかな」

人形ジョン『そうですね。ある程度の知名度とかランクが上がれば、することもあるでしょう』

「私達って、宿無しじゃない。ずっとは泊まれないけど、偶に泊まって実績を作った方がいいのかな」

人形ジョン『そうですね。調べられると困りますね』

『今のところ、お金にも余裕がありますから、どこかに泊まりますか』

「その方がいいよねぇ。でもさぁ、どこでもいいわけじゃないでしょ」

「安い宿だと、調べやすいからやっぱり高級なホテルの方がいいよねぇ」

「この世界のプライバシーは、どんな感じかな」

人形ジョン『そうですね。高級なホテルになるほど、お客様の情報は漏らしませんね』

『ただ、相手が権力者だった場合は、分かりませんが』

「そうだよね。この世界は特権階級主義だから」

「なんか、日本で暮らしていたときは、あまり感じなかったからねぇ」

「あーでも会社の上司とかは別だけれど」

「それも権力になるのか」

「普段の生活には、まったく関係なかったから慣れないよ」

人形ジョン『そうですね。同じ人間ですから』

「じゃあ、試しに今日泊まろうか」

「どこがいいか、ジョン調べてくれる」

人形ジョン『はい、分かりました』

「私は、その間資金稼ぎをするよ」


そろそろ、神様から追加商品の依頼がありそうだから、準備しよう。

小説は、この前の新作でいいよね。

ぬいぐるみは、子供が抱っこできる大きさにして、首のリボンは刺繍リボンを使おう。

花柄を大きくしてもいいかも。

絵本は、うさぎの物語にするか。

あーでもそうなると、また申請しなくちゃいけないし。

ナタリアさんにするか、グリーンさんにするか。

ナタリアさん方式で、グリーンさんにお願いしてみようか。

あれ、そういえば調査団の人たちはまだ居るのかな。

居たらまずいよね。

とりあえず、作っておいて後で考えよう。

あとは~何があったかな。

がま口か、これも大きさを何種類か用意してと。

がま口ポーチもいいねぇ。


地球のネット通販で花柄大小の布とうさぎの絵本を購入。

がま口の金具も買わないとね。

大きなつまみで、色付きにしよう。


制作にはいりますか。

ぬいぐるみの大きさはどの位がいいか。

20cmと30cmにしてみるか。

「うさぎとティディベア、サイズは20cm、30cm、首に刺繍リボンを付けて、お尻の上に白リボンでアース商会名と商標登録印」

「クリエイト」

大きさはどうかなぁ。子供向けには丁度いいかな。

大人でも部屋に飾るのにも、いい大きさだ。


がま口の金具、刺繍糸、布を用意して。

「がま口とがま口ポーチ、内側にアース商会名と商標登録印」

「クリエイト」

刺繍も綺麗に仕上がっている。

これを手作業していたら大変だね。

魔法様様である。


あとは、絵本でうさぎの物語ね。

これは内容的には変更しなくても大丈夫かな。

「うさぎの絵本、こちらの文字に変換、後ろの表紙にアース商会名と商標登録印と作者名」

「クリエイト」

問題はなさそうだね。


販売するときに、付与魔法をかけよう。


ついでに、秋・冬用の洋服も購入しよう。

こちらの世界は、パンツスタイルはないのかなあ。

冬は足元が寒くないのかしらねぇ。

上下に分かれている服とかね。

ネットで探してみるか。

靴もワインレッドにしてみよう。

冬用のバッグも必要だね。

冬用コートも買って。

そうだ、ジョンのも買わないと。

靴もいくつかの種類を買おう。紐タイプが無難かな。

タキシードにも冬用の生地ってあるのか。

探してみるか。

それから、普段着も買おう。

Tシャツ、ボタンダウンのシャツ、カジュアルなズボン、ジャケット。

護衛用の服は、こちらのネット通販で貴族っぽい感じのを選ぼうか。

こんなものでいいか。

お茶休憩をしよう。


念話『ジョン、お茶にしない』

人形ジョン『分かりました。今行きます』


「ねえ、ジョン。新しい絵本とセットのぬいぐるみの登録はどうしようか」

「ナタリアさんだと、まだ調査団の人がいるかもしれないでしょ」

「グリーンさんにお願いするにしても、また行くのもなんかねぇ。ナタリアさんの時と同じように郵便で送り付けたようにして申請できないかな」

人形ジョン『そうですね。他の郵便物と混ぜてしまえば、大丈夫でしょう』

「じゃあ、グリーンさんにお願いしようかな」

「変に勘繰られないよね」

人形ジョン『この町に居ることが分かっているので、遠いいので郵便にしたとおもうでしょう』

「そうだね」

「新しい商品は、もう販売してもいいかな」

人形ジョン『タブレットで販売できるか試してみてはいかがですか』

『もしもダメならば、受付ないと思いますよ』

「そっか、後でやってみる」


「そうだ。ジョンの冬服も買ったから見て」

タキシードやコート、護衛服に普段着と空間収納から出していく。

人形ジョン『こんなに沢山買われたのですか』

「そうだよ。冬服って色々必要だからね」

人形ジョン『私の分は、そんなにいらないですよ』

「ダメだよ。ジョンもお洒落しないと」

人形ジョン『そうですか』

「そうなの。それが普通なの」

人形ジョン『ありがとうございます。大切に着させていただきます』


「そういえば、今日泊まるホテルは決まった?」

人形ジョン『ええ、一番良いホテルを選びました。空室があるかは分かりません』

「そう。もし空きが無かったら、他のホテルにしようか」

人形ジョン『はい、他にもホテルは選んでおります』

「何時頃に行く?」

人形ジョン『混むといけませんので、2時はどうでしょう』

「分かった。その時間には支度しておく。ジョンもね」

人形ジョン『分かりました』


制作の続きをしよう。

新作の小説と絵本うさぎの物語を100冊コピーして。

「汚れ防止、破損防止、改ざん防止、偽造防止、盗作防止、続きからナンバリング」

「クリエイト」


絵本のうさぎの毛皮ぬいぐるみも各種100個コピー。

「汚れ防止、破損防止、改ざん防止、偽造防止、盗作防止」

「クリエイト」


うさぎとティディベアの布のぬいぐるみ、20cmと30cmを各100個コピー。

「汚れ防止、破損防止、改ざん防止、偽造防止、盗作防止」

「クリエイト」


がま口とがま口ポーチを各100個コピー。

「汚れ防止、破損防止、改ざん防止、偽造防止、盗作防止」

「クリエイト」


これで、販売準備も出来たね。

タブレットの前に置いて。

「換金」ボタンをポチっと。

あっ、全部換金出来た。

神様、新作待っていたのかも。

これで、お金の心配もいらないね。


そうだ。グリーンさん宛に申請書を作るんだった。

急いで作成し、忙しいので直接伺えないことの謝罪の手紙も申請書に同封した。

【ビューview】機能で、商業ギルド内の様子を伺い、郵便物を仕分けしているところに混ぜた。

しばらく様子を伺っていると、封筒がサブマスの机に置かれ、私の封筒だと気がついて不思議そうな顔をしていたが、中身を読んで納得してくれたようだ。

これからも、ナタリアさん方式は活用できそうで安心した。


念話『ジョン、全部換金できたよ。そろそろ出かける?』

人形ジョン『そうですか。それは良かったです。今着替えて行きます』

『分かった』

私もお出かけ用の服に着替えて準備する。

「ホテルの近くの路地でいい?」

人形ジョン『はい、大丈夫です』

高級ホテルの近くで外に出る。

やっぱり、ホテルは緊張する。

ホテルの入り口には、ドアマン兼警備員が立っている。

近づいても特に何も言われないので、中に入る。


フロントに着き。

「いらっしゃいませ、本日はお泊りでしょうか」

人形ジョン『はい、二名ですが、スイートルームは空いてございますか』

「只今確認いたします」

「本日空室がございます、素泊り食事付きと選べますが、いかがされますでしょうか」

人形ジョン『では、食事付きでお願いいたします』

「前払いとなりますが、よろしいですか」

人形ジョン『はい、問題ございません』

ジョンが支払いもする。

ジョンが宿帳らしきものに、名前を書く。

「夕食は、レストランにて午後5時~8時までとなります。朝食は午前6時~9時までとなっております」

「こちらが、食事のチケットとなりますので、お越しの際は係の者にお渡しください」

人形ジョン『はい、わかりました』

係の人に部屋の入り口まで、案内してもらう。


前に泊まったホテルと同じように、寝室が二つある。

主人と従者用のようだ。

お風呂も二か所あるし。

広いリビングの大きなテーブルには、ウエルカム用の果物かごが置いてある。

前よりも高級かも。

「なんだか、慣れないと落ち着かないね」

人形ジョン『そうですか。ホテルはみなこんな感じですよ』

「それは、高級なホテルだからだよ」

「安宿だと、ベッドに小さなテーブルがあればいい方だよ」

人形ジョン『そのような場所は、あまりお勧めできませんね』

「まあねぇ。治安的にも安心して泊まれないよね」

「贅沢すぎて、罪悪感がわくような」

人形ジョン『アンは、沢山働いているので、そのような心配は不要です』

「そうだよね。ゴロゴロ生活をする予定にしては、働いているよね」


夜用のワンピースに着替えて、レストランに向かう。

もちろん、軽く認識阻害をかけている。

そのおかげか、誰も自分たちに興味がないようで見られることもなく食事をすることが出来た。

ただ、この雰囲気には慣れることはなくて、緊張しながらもお澄まし顔で食べていた。

朝食もそれなりには美味しいが、やっぱり地球の食事には負けている。

それは贅沢な要望なのかもしれない。


その後は、二日おきにホテルを四か所ほど泊まって、実績づくりは終わりにした。

「これだけ泊まれば大丈夫だよね」

人形ジョン『そうですね。多少なりとも印象づけは出来たと思います』

「これで日常生活に戻れるね」


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