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第65話 雑用の日⑥

今日もシェルター内で過ごすことにした。

梅毒かもしれない病気になった人たちはどうしただろう。

抗菌作用のある薬草を作ってもらえただろうか。

もし、私が作ったら、商業ギルドに登録するべきなのか。


「おはよう、ジョン」

人形ジョン『おはよう、アン』

「梅毒かもしれない人たちは、どうしたかな」

人形ジョン『特に調べてはいませんが、気になりますか』

「そうなんだよねぇ。なんか気になっちゃって」

「この世界で、梅毒の治療薬が出来ているか、知っている?」

人形ジョン『いいえ、治療薬はなかったと思います』

「それって、私が作ってもいいのかな」

人形ジョン『わざわざ、アンがですか』

「そう、だってあの病気は自然感染しないけれど、粘膜接触すると感染するでしょ」

「これから、患者が増えるんじゃないかと思って」

人形ジョン『それは、薬師の仕事ですから』

「スヴァロード領のキルィ町の商業ギルドに行ったら相談に乗ってくれるかな」

人形ジョン『どうでしょうか。管轄外かもしれません』

「じゃあ、なにか行く口実になる魔道具でも作ろうかな」

「結界魔道具とかは、どう」

人形ジョン『小さな部屋で使うのであれば、すでにあります』

『大きな範囲を結界できるのは無いですね』

「そういえば、商業ギルドに行って個室に入った時に、使っていたね」

「大きいと、どのくらいの範囲がいいのかな」

人形ジョン『そうですね。馬を入れて馬車一台分とかですね』

「その範囲が出来れば、登録できる?」

「貴重な魔道具になるかな?」

人形ジョン『そうですね。商人とかも助かると思いますよ』


「それとね。商品の登録はどこまで細かくするのかな」

「この前、刺繍のがま口を登録したじゃない。刺繍のデザインを色々作ったけれど、デザインごとには登録しないよね」

人形ジョン『そうですね。刺繍入りのがま口で登録されているはずです』

『デザインごとに登録していたのでは、大変ですから』

『洋服とかは、デザインを細かく登録するかも知れませんが、小物とかは大きな括りにしますね』

「じゃあさ、木彫りの熊を登録したじゃない、別に鮭を加えた熊を作っても登録は必要ない?」

人形ジョン『そこは、微妙なところですね。商業ギルドに聞かないと判断できませんね』


「そういえば、後から登録した商品は、登録証明書の写しを貰っていないけれどいいのかな」

人形ジョン『そうでした。登録の控えは必要です』

『ギルドが落ち着いたら、受け取りに行ってきます』

「え、ジョンが一人で行くの」

人形ジョン『そうですね。アンは一緒でない方がいいでしょう』

『アンに何か要求したり聞き出したりするかも知れません』

『重要なことでしたら、再度伺えばいいだけですから』

「そうだね。今は本部の人がいるんだものね」


「じゃあ、梅毒の薬と結界魔道具を作ってみるよ」

人形ジョン『はい、無理はしないでください』


結界魔道具から作ろう。

どの石がいいか。

魔石から試してみよう。

大きさは3cmじゃ小さいよね。

5cmから試してみるか。

「結界 範囲10m ドーム型」

「クリエイト」

「パリン」

「あっ、割れた」

5cmじゃ小さいのかな。

それとも石が合わなかったのか。

7cmにしてみる。

「結界 範囲10m ドーム型」

「クリエイト」

「パリン」

「あっ、また割れた」

これ以上大きな石だと持ち運びに不便だし。

もっと濁りの無い石にしてみよう。

収納の中から探すのも大変になってきたので。

「サーチ 7cm 魔石 濁り無し」

最初からこうすれば良かった。

何個か出てきたので、その中でも一番綺麗そうな石を選ぶ。

「結界 範囲10m ドーム型」

「クリエイト」

「パリ」

割れはしなかったが、ヒビが入った。

これでもダメだったか。

仕方がない、やっぱり水晶を使うしかないのか。

水晶なら5cmでもいけるか。

でも、割れたら嫌だし。

7cmでやるか。

こんなところでも貧乏性がでてしまう。

「結界 範囲10m ドーム型」

「クリエイト」

おー、上手くいった。

「鑑定」

「結界 範囲10m ドーム型」

ちゃんと、結界機能が出来ている。

他に、付与魔法を付けようかな。

魔法攻撃防止倍返し、物理攻撃防止倍返し、盗難防止、犯罪者使用不可、悪人使用不可、使用者登録、自動帰還。

こんなもんでいいか。

あれ、悪人の定義はどこになるのか。

もし、被害者や被害者の関係者が加害者に復讐しようとした場合、どちらが悪人になるのか。

困ったなぁ。これもギルドで相談だな。


次は、鮭の木彫り熊。

まず、地球のネット通販から作品を何種類か選んで購入。

材料は、24cm×17cm台座を含めて、少し大きめに。

「コピー、台座の裏に刻印、アース商会名と商標登録印、商品番号+ナンバリング」 

「クリエイト」

いい感じの仕上がり。


問題の薬作りだ。

効果があっても、味が悪いと飲めないしなあ。

とにかく、やるしかない。

材料は、ニンニク、しょうが、ドクダミ、ハッカ、アセロラ、はちみつ、浄化水。

湯冷ましでも大丈夫だと思うが、効果がありそうなので浄化水にしてみた。

すべての材料をミキサーに入れ、スイッチオン。

トロトロなのが出来た。

「鑑定」

抗菌薬、炎症、ウイルス、梅毒に効果。

匂いを嗅ぐと、臭いね。

これは、ドクダミの匂いかな。

少しだけ舐めてみる。

ウェ、苦みが強い。

これは、飲むのが難しいかも。

あ、完成度? 治癒率みたいなのも、調べた方がいいか。

「鑑定、梅毒の治癒度」

治癒度 80%

この結果は、良い方なのか。


違う材料で試そう。

材料は、ニンニク、しょうが、シソの葉、ハッカ、アセロラ、はちみつ、浄化水。

さっきほど、トロトロではない。

匂いも、それほど臭さはない。

舐めてみるが、まあ青臭さがあるくらい。

「鑑定、梅毒の治癒度」

治癒度 70%

あ~、下がっちゃった。

ドクダミ強し。


もっと、治癒度は上げたい。

希望は、95%~99%だね。


そうだ、異世界ネットで調べればいいんだ。

なんだ、忘れていたよ。

『梅毒に効果のある治療』で調べる。

検索したら、出てきた。

材料は、ニンニク、しょうが、プリズンベリー、妖姫の花、ハニ草、はちみつ、湯冷まし。

知らない名前が出てきた。

この世界独自の薬草かな。

手元には無いから、ネット通販で購入しよう。


材料は、ニンニク、しょうが、プリズンベリー、妖姫の花、ハニ草、はちみつ、湯冷まし。

ミキサーでオン。

サラサラに近いトロトロかな。

匂いも甘そう。

ベリーとはちみつのおかげかな。

舐めてみても、大丈夫そうだね。

「鑑定、梅毒の治癒度」

治癒度 97%

すごい、確率になった。


完成でいいかな。

う~ん、りんごも入れてみたいかも。

試してみよう。

材料は、ニンニク、しょうが、プリズンベリー、妖姫の花、ハニ草、はちみつ、りんご、湯冷まし。

ミキサーでオン。

りんごが入ると、トロトロ感が増した。

果実のせいだね。

味は、さっぱりしている。

このほうが飲みやすいね。

「鑑定、梅毒の治癒度」

治癒度 97%

これで、完成としよう。


ミキサーがあって便利だった。

どうせなら、ミルミキサーを魔道具にしてしまおう。

アタッチメントもこのままで。

電源部分は、魔石に変えて。

材料は、ネット通販で自動選択してもらう。

「ミルミキサー 自動製作 アース商会名、商標登録印、汚れ防止、破損防止、盗難防止、使用者登録」

「クリエイト」

出来ましたよ。地球産とほぼ変わらない。


念話『ジョン、出来上がったよ』

人形ジョン『出来ましたか。今行きます』

「あ~、ジョン、やっと出来たよ」

「結構苦労したよ」

「やっぱり、薬を作るのは大変だね」

「結局、ネットで調べて材料を揃えてやっと完成」

「治癒度も97%だから、良い方だよね」

人形ジョン『そうですね。それだけの数値であれば、完璧ですよ』

「結界魔道具も出来て、盗難防止で犯罪者と悪人を設定したけれど、悪人の定義が曖昧だから、ギルドで相談しようかと思うの」

人形ジョン『そうですね。立場が変われば見かたも変わりますから』

『では、明日商業ギルドに行きますか』

「そうだね。また前と同じ時間にしようか」

「今度は、門から入らなくて、近場で外にでればいいかな」

人形ジョン『そうですね。2度目ですから大丈夫でしょう』

「じゃあ、あとは設計図と申請書を作成しておくよ」

人形ジョン『はい、もう少しです。頑張ってください』

「うん、ありがとう」


薬の申請書には、作業した材料全てを記載した。

色んな薬草での結果なので、今後の資料にもなるはず。

症状も詳しく段階に分けて書いたし、薬によるアレルギーについても書いた。

飲み薬だけれど、パッチテストもするように書いた。

あとは、薬師ギルドが関わるかどうかだね。

明日は、頑張ろう。


薬作りは、あくまでもフィクションです。

架空の薬草もあり、実在するものではありません。

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