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第63話 冒険者活動⑧

今日も薬草採取をしよう。

また、美味しい物が採れるといいなあ。


でも、いつまでも薬草採取だけでいいのか。

それ専門もいいとは思うけれど、ランクは上がるのか。

今度、レジーナさんに聞いてみよう。


今朝は何がいいかなあ。

シンプルに、厚焼きトースト、スクランブルエッグ、バジルウインナー、セロリのサラダ、りんご、にんじんジュース、ヨーグルト、コーヒー。

ふわふわのトーストには、ジャムやはちみつを塗ると美味しいよね。


そうだ、はちみつを採取しよう。

どこに行けばいいのか、森の奥か。

地図で調べてから行こう。


「おはよう、ジョン」

人形ジョン『おはよう、アン』

「今日は、はちみつを採取しようと思う」

人形ジョン『それはいいですね。ただ、森の奥まで行くようなのでは』

「う~ん、分からないから後で調べてから行くね」

人形ジョン『そうですね。あまり奥だと危険ですので、注意してください』


人形ジョン『それから、商業ギルドですが、本部の調査団が入ったようです』

「えっ、そうなの」

人形ジョン『はい、あの三名の犯罪者は王都に連行されました』

『ギルマスも懲りずに、また本部の人間を鑑定したようで、その場で捕縛されていました』

「やだぁ。相変わらずだね」

人形ジョン『本当に懲りない人です。サブマスとナタリアさんも聴取されて、減俸などの処分を受けました』

『ギルマスは、クビか減俸かの選択で、減俸を選んだようです』

『それに加えて、アンとの接触禁止も言い渡されました』

「へぇ~、それはまあ、どうでもいいかな」


「ジョンは、今日の予定は」

「いつも予定を聞いているけれど、それって困る」

人形ジョン『いいえ、アンに聞かれて困ることはないです』

『保育士、介護、法律、デザインの勉強をする予定です』

「なんか、ずいぶんと多岐にわたっているね」

人形ジョン『アンに子供が出来たら、保育の知識は役に立ちますし、介護はアンには必要ないかも知れませんが念のためです』

『法律は、商会を運営している以上必要かと』

『デザインは、商品の参考になるかと思いました』

「そうなんだね。ジョンは勉強が苦にならないの」

人形ジョン『そんなことはないです。新しい事を覚えるのは楽しいです』

「すごいねぇ。ジョンは」

人形ジョン『ありがとうございます』


「じゃあ、行ってきます」

人形ジョン『はい、いってらっしゃいませ』


はちみつが取れる森の近くで、外にでる。

このあたりは魔物が多いかもしれないので、結界も強めに張っている。

認識阻害に気配遮断も掛けて、はちみつの場所を目指して歩き出す。

結界に何か当たったようだ。あれは、シンリンオオカミだ。

折角だから、狩ってしまおう。

「レーザービーム」

小さな群れか、5頭いたが全部仕留められた。

これは、ギルドには出さずに換金しよう。


しばらく歩くと、蜂の巣があった。

だが、近くにはハニーベアがいる。

これも狩ってしまおう。

「レーザービーム」

なんとも、簡単に狩れてしまうのだが、これでいいのか。


問題は、蜂のほうだな。

全部取ってしまうのも、かわいそうだし、一部分にしよう。

蜂の巣は、丸い形をしていると思っていたが、どうやら違う場合もあるようだ。

目の前にある巣は、薄い板のような形をした巣が並んでいる。

これならば、取りやすくていいかも。

蜂の巣を結界で囲み、中にいる蜂は「スリープ」でお休みしてもらう。

そのすきに半分くらいを取ってしまおう。

ビンにも入れられないので、防水シートに包んで亜空間に収納する。

はちみつもゲット出来たので、いつもの薬草を採取しよう。


元の場所に戻り、草原まで歩いていく。

やはり、それなりに奥まで来ていたようだ。

まあ、このくらいの場所ならば、なんとでも言い訳出来るだろう。


いつものように、秋の薬草と木の実を採取出来たので休憩してから帰ろう。


今日のおやつは、パンプキンパイとパンプキンプリンにした。

カボチャ尽くしである。

秋だねぇ。

風も秋らしくなってきた、ように感じる。


門が近くなってきたので、麻袋にはちみつを二つ入れて向かう。

もちろん、問題なく通れる。


「こんにちは、レジーナさん」

「こんにちは、アンさん」

「今日も薬草と木の実を採取して来ました」

「ありがとうね」

採取してきた物をカウンターに置いてから、レジーナさんに小さな声で耳打ちをした。

「あの~、はちみつを取ってきたのですが、ここで出しても大丈夫ですか」

「えっ、はちみつかい」

「はい、そうです」

「そうだねぇ。それじゃあ個室に移動しようか」

「はい」

レジーナさんに案内されて、個室に入る。

「本当にはちみつを取って来たのかい」

「はい、ほんの少しですが」

テーブルに2つだけ出す」

「おや、すごいじゃないか。どうやって取ったんだい」

「あっ、いや答えなくていいよ」

「ごめんなさいね。御法度だったよ」

「いいえ、大丈夫です。内緒ですよ」

「やっぱり、はちみつの需要はありますか」

「そうだね。色んな店からもあるし、お貴族様からも依頼があるよ」

「そうなんですね。では尚更、内密でお願いします」

「厄介ごとは、困りますから」

「そうだね。アンさんの場合はそのほうがいいね」

「はい」


「あの、それからちょっとお伺いしたいのですが」

「なんだい」

「このまま薬草採取しているだけで、大丈夫でしょうか」

「それはどういうこと」

「たとえば、魔物を退治しないといけないとか」

「それは、冒険者の自由だよ」

「このままでも、上のランクには上がれるのでしょうか」

「いえ、上がりたいかと聞かれると、迷うのですが」

「Dランクに成れましたので、このままでいいですが、Cランクの方が信用もできるとかあるのかなと」

「ただ、Cランクになると指名依頼とか護衛依頼があると、困るなと思いまして、勝手ですみません」

「いや、そんなことはないよ」

「そうだね。まずは、このままでもいずれはCランクには成れるだろうが時間は掛かるね」

「やはり、魔物討伐するのが一番だね」

「それから、Cランクになると指名依頼も護衛依頼も出てくるからね」

「ただ、指名依頼は断ることはできるよ」

「アンさんは、ランクを上げたいのかい」

「特にはそう思いませんが、Dランクのままでいいのか心配になりまして」

「そうかい。Dランクのままの冒険者も沢山いるから、心配はいらないよ」

「まあ、Cランクになっておけば、信用も得られるし馬鹿にされることもないだろうさね」

「そうなんですね。よく考えてみます」

「そうおしよ。まだ若いんだから急ぐことはないからね」

「はい、ありがとうございます」

「じゃあ、いつものように預かり札を渡すからね」

「はい」


2階の資料室に行って、冒険者談の本を読んでみる。

なかなか、他人の経験談も面白い。

時間になり、受付に行く。

「レジーナさん戻りました」

「はいよ、こちらが支払いね」

「はい、ありがとうございます」


依頼表を見ていると、『真朱の虹色』の皆さんが入ってきた。

「おや、アンさんじゃないか。久し振りだね」

「はい、お久しぶりです」

「なんだか、厄介なのに絡まれたって」

「はい、お恥ずかしい限りです」

「まあ、変な奴らもいるからね、気を付けるといいよ」

「はい、ありがとうございます」


「どうだい、良かったらこれからお昼でも一緒にしないかい」

「えっと・・・」

どうしよう。正直面倒だし関わりたくないけれど、悪い人じゃないし、断るのもなぁ。

チラッと、レジーナさんを見ると、うなずいていたので。

「それでは、ご一緒させていただきます」


「ハハ、そんなにかしこまらなくてもいいさ」

「馴染の店だから安心だよ」

「はい、ありがとうございます」

ジョンに連絡しなくては。

念話『ジョン、今ね真朱の虹色』の人と一緒なの』

『お昼を誘われたから、遅くなるね』

『それから、念のために彼女たちも鑑定してみて』

人形ジョン『分かりました。相手が何者か分かりませんので、十分気を付けてください』

『すぐに調べます』

『うん、お願いね』


ちょっとだけ、高級そうなお店に到着した。

「えっと、こんな服装ですが大丈夫ですか」

「ああ、今の時間ならば大丈夫さ」

「まあ、本当はドレスコードがあるんだが、私達は常連だからいいのさ」


「カレン様、いつもご贔屓にありがとうございます」

「いつも悪いね。今日は五人で頼むよ」

「はい、畏まりました」

「いつもの個室でよろしいでしょうか」

「ああ、そうだね」

はあ、常連なんだ。すごいな。


個室に案内される。

「さっ、こっちの席に掛けて」

「はい、ありがとうございます」

6人掛けのテーブルに案内された。

3対2で座る。

メニューを渡されて見てはいるが、どれにすべきか迷う。

「どう、決まったかい」

「いえ、お勧めはありますか」

「そうだねぇ、オークの煮込みなんかは美味しいよ」

「皆さまは何にしたのですか」

「私達は、オークの煮込みだよ」

「では私もそちらでお願いします」

5人分を注文する。

「何か酒は飲むかい」

「いえ、飲めませんのでジュースがいいです」

「それじゃあ、果物のジュースを一つとあとは酒で」

「畏まりました」


ジュースとお酒が先に出された。

「それじゃあ、お疲れ様」

「はい、お疲れ様です」

「どうだい。冒険者にも慣れたかい」

「はい、自分では随分慣れたと思います」

「慣れた頃が一番危ないから気をつけるんだよ」

「そうですね。気をつけます」

「いつも薬草採取をしているのかい」

「はい、そうです。薬草採取も楽しいです」

「魔物は討伐しないのかい」

「そうですね。出来ればしたくない気持ちもあります」

「今は、迷っています」

「そうなの」

「はい、採取専門もいいかなと思いますが、討伐もしなくてはいけないのかなとか」

「それは、人それぞれだから、自分で決めればいいのさ」

「そうですね。レジーナさんにも同じようなことを言われました」

「Cランクになるのなら、討伐はしなくちゃいけないが、そう決まっているわけでもないからね」

「はい、Dランクになったばかりですし、ゆっくりと考えます」

「それがいいよ。焦る必要はないからね」


料理が運ばれて、カレンさんたちの経験談を聞いたりしながら食べる。

ジョンから念話が届いて。

人形ジョン『アン、調べました』

『三人は、剣術に優れています。一人は魔法が得意のようですので注意が必要です』

『まあ、アンに比べれば足元にも及びませんが』

『それと、リーダーのカレンですが、貴族ですね』

『子爵の長女です』

『他の三人は、護衛と幼馴染の平民です』

『スーザンが魔法使いです』

『鑑定スキル、水・風魔法です』

『鑑定はそれほど強くはありませんし、アンには負けます』

『隠ぺいも掛けているので、問題ないはずです』

『相手が貴族ですし、何が目的で近づいたのか不明です』


ジョンと念話をしているうちに、メイン料理が食べ終わりデザートが運ばれてきた。

「そういえば、アンさんは知っているかい」

「はい、なんでしょうか」

「最近、冒険者の若者たちが奇妙な病気に掛かっていることを」

「奇妙な病気ですか」

「そうなんだよ。なんでも、手足が動かなくなるとか、手足が石化するとか、鼻や耳が取れるとか」

「えっ、それって梅毒ですか」

「えっ、知っているのかい」

「いえ、知っているわけではないです」

「今、梅毒って言わなかったかい」

「はい、手足が動かなくなることは知りませんが、鼻と耳が取れる病気は聞いたことがあると思います」

「ええと、昔母から聞いただけですので、うる覚えなんですが」

「構わないよ。聞かせてくれ」

「あの、その病気は男性が掛かっていますか」

「そうだね。男性が多いが女性もいたはずだよ」

「そうですか・・・」

「なんだい。言いにくいのかい」

「えー、口からの感染やあとは・・・」

「男性が女性と遊ぶような場所で移ることが多いと聞きます」

「男性が遊ぶところかい」

「やだ、カレンったら、そんなの決まっているじゃないか。娼館だよ」

「あ~そうか」

「・・・はい、口とか、その男女のです」

「ただ、その病気と決まったわけではないです」

「他の病気は知りませんので」

「はっ、もしかして薬草とか木の実とかきのこからの感染はありますか」

「どうしましょう。食べてしまいました」

「いや、今のところそれは無いはずだ」

「そうなんですか、どうして」

「何人もの人が食べているが、病気にはなっていないからだ」

「えっと、それではその人たちはどうして」

「皆、娼館から移されたのですか」

「感染源は、わかっているのですか」

「いや、分からないんだ」

「そうですか。空気感染とか接触感染もありますからね」

「どうしましょう。外に出ないほうがいいですか」

「しばらくは冒険者もしない方がいいかも知れませんね」

「大丈夫さ。ほとんどの人は掛かっていないんだから」

「でも感染経路も感染理由も分からないんですよね」

「そうだな」

「皆さまもお家に変えられたら、手をよく洗ってうがいもして下さいね」

「外に出るときは、口に布を当てるのがいいです」

「これで少しは防げるのではないかと思います」

「そうなんだ。すごいな」

「ところで、その梅毒の治療方法はあるのかい」

「まず基本は清潔にすることが一番です」

「あとは、抗菌の薬草などを接取すれば、効果はあるかも知れません」

「ただの可能性です。確定ではありませんので」

「娼館の女性たちも同じですね。それと一か月に一度はお医者様に検診してもらった方がいいです」

「あ~彼女たちは嫌がるかもねぇ」

「そうですね。でも、そうしないといずれ死んでしまいますから」

「おや、物騒だね」

「もしも、梅毒ならばです。何段階かに分けて進行していくので、治ったように見えても進行は続いているはずです」

「薬で治療しないと、治らないはずですから」

「そうなんだ。ありがとうね。参考になったよ」

「いえ、もしかしたら違う病名かも知れませんので、そのあたりはご検討ください」

「分かった」

「じゃあ、また食事でもしよう」

「はい、お世話様でした」

「私らは、まだ飲んでいくからここでね」

「初めてだから、私らにおごらせてくれよ」

「え、いいのですか」

「もちろん」

「それでは、お言葉に甘えさせていただきます」

「ごちそうさまでした」

「ああ、またね」

「はい」


すっかり、ご馳走になり外にでる。

しばらく歩いて、尾行が居ないのを確認して、帰還。



【真朱の虹色 side】


「彼女をどう思う」

「そうだね。病気のことは本当に知らなかったみたいだね」

「そう思うよね。かなり狼狽えていたよね」

「そうだね。当てがはずれたか」

「病気に掛かった奴らは、彼女を狙っていたからそうだと思ったのにね」

「でも、全員が彼女狙いじゃなかっただろう」

「そうなんだよなぁ」

「まあ、あんな奇妙な病気だ。彼女がどうこうできることじゃないだろう」

「それもそうだよね」


「それにしても、彼女の所作は綺麗だったね」

「ああ、食べ方もしっかりと教育されたようだった」

「それから、あの梅毒とやらの病気の知識もすごいな」

「母親から聞いたと言っていたが、それなりの家なんじゃないか」

「なんで、冒険者なんてしているのかな」

「それを言うなら、私達だってそうだろう」

「まあ、違いないわ」


「しかし、困ったな。あれが病気なのか、または呪いとかなのか、さっぱり分からない」

「そうですね。対処のしようがありません」

「まあ、元々クズな奴らですから、どうなろうと構いませんが」

「ハハ、そう言ってくれるな」

「原因不明だと、評判が悪いだろう」

「そうなんですよね。このまま終息してくれるといいですが」

「まったくだ」



「ただいまぁ、ジョン」

人形ジョン『お帰りなさい。大丈夫でしたか』

「うん、おごってもらっちゃった」

人形ジョン『そうでしたか』

「なんかね。今冒険者の間で、奇妙な病気が流行っているんだって」

「それが、手足が動かなくなったり、鼻や耳が取れたりするんだって」

「原因も不明だって、怖いよね。しばらく外出するのやめようかな」

人形ジョン『それがいいかも知れません』

「異世界特有の病気かな」

「でも、カレンさんたちも知らなかったみたいだし」

「未知の病気だったら、どうするんだろう」

人形ジョン『医者が調べるから大丈夫じゃないですか』

「そうだといいねえ」


ジョンは作戦を変更することにした。

アンの梅毒の考えがいいと思い、今後は梅毒一本に絞って対処しようと考えた。

しかし、あのカレンとかいうグループは、アンを疑うなんてとんでもない女たちだ。

今後は、近づけないようにしないと。

監視対象に追加する。

ある意味、ジョンのせいなのだが。

自分ではそう思わないようだ。

どこまでいっても、アン至上主義なのであった。


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