第54話 冒険者活動⑤
やっと、引き籠り生活の一週間が終わる。
やることは色々とあったのだが、長かった。
今日から冒険者活動も再開できるので早起きをした。
朝ごはんもしっかり食べなくては。
今朝のメニュー。
おにぎり、里芋の煮物、ぶりの照り焼き、きんぴらごぼう、らっきょう、黒にんにく、豚汁、りんご、緑茶、ヨーグルト、コーヒー。
「おはよう、ジョン」
人形ジョン『おはよう、アン』
「今日から冒険者活動を再開するね」
人形ジョン『そうですね。様子を見ながら頑張りましょう』
「録画機能を付与したアクセサリーと、鑑定魔道具だけれど、商業ギルドに登録しようかな」
人形ジョン『どうしてですか。まだ、早くないですか』
「どこかで使う時がくるかもしれないから、設計図だけでも登録したほうがいいかなと思って」
人形ジョン『そうですか。では、信用できるギルドを探します』
「お願いできるかな」
人形ジョン『承知いたしました』
「それから、西門にある冒険者ギルドは調べた?」
人形ジョン『はい、そこは分所の扱いの用でした』
『職員に問題はないです』
「そう。なら西に活動を変えても問題ないね」
人形ジョン『はい、大丈夫です』
「今日はいつもの東門で薬草採取してくるね」
「ジョンは何かすることあるの」
人形ジョン『人体の勉強は続けていますが、美容院と温泉マスターも勉強するつもりです』
「え~と、理由を聞いてもいいかな」
人形ジョン『それはアンの為になるからです』
『美容院は、アンの髪の毛をカットやセットするため』
『温泉マスターは、アンの為に温泉を増やして健康や美容の為です』
「へぇ~、そうなんだ。無理しないでね」
「でも、ジョンは自分の為に何かしてもいいんじゃない」
人形ジョン『私は、アンの従者ですから』
「そっか、わかった」
6時前には、薬草採取場所に着いた。
いつものように、「薬草 良品 自動採取」。
久しぶりなので、多めに採取しても大丈夫だよね。
また、甘い果物とか木の実を探そう。
「サーチ 甘い果物、木の実」
イチジク、栗、柿、山ぶどう、ザクロ、アケビ、レモン、銀杏、ローズヒップ、すごく沢山出たよ、秋だねぇ。
「食べ頃を全部収穫」
全部、収穫したいところだけれど、まだ熟していない物もあったからね。
残りはまたにしよう。
次は、森の中に入って、きのこを探そう。
「サーチ 美味しいきのこ」
アミハナイグチ、ウスヒラタケ、エノキタケ、エリンギ、オオツガタケ、サンゴハリタケ、松茸、スーパーでは見かけないきのこも沢山収穫できた。
もちろん、松茸だけは、自分用にも確保したよ。
スライム、角うさぎ5匹を討伐したし、今日は大収穫となったので、そろそろ帰りましょうか。
帰る前にお茶休憩をしてからね。
結界を張りシートを広げて、今日のおやつは、紅茶のパウンドケーキにアップルパイと飲み物は紅茶。
涼しくなってきたので、温かい飲み物がちょうど良い。
いつものように、強めの認識阻害と結界を張り、東門まで移動。
門が近づいてきたので、弱めに変える。
いつもより広範囲に鑑定をかけて、冒険者ギルドに行く。
人もまばらで、受付にはレジーナさんが居たので、ちょっと安心した。
今のところ、赤マークは居ないようだ。
「こんにちは、レジーナさん、今日は多めに採取してきました」
「アンさん、久しぶりですね。今日は多いのね」
「はい、秋になったので、色々と収穫できるのも多くなりました」
「これは、料理店が喜ぶねぇ」
カウンターに出していき、仕分けしてもらう。
「仕分けに時間がかかるので、預かりの札を渡すね」
「はい、お願いします」
「また、資料室に行ってきます」
「じゃあ、あとで声をかけてね」
「はい、わかりました」
資料室も久しぶりである。
「こんにちは」
「おや、アンさん久しぶりだね」
「はい、お久しぶりです。今日も本を見させてください」
「あ~、構わないよ。好きに見ていきなさい」
薬草や木の実の本を見る。
探し方の方法や食べ方などが書かれていて、読んでいても面白い。
40分ほどして資料室を出て、受付まで戻る。
「レジーナさん、戻りました」
「アンさん、仕分けが終わったよ」
今日は、収穫した量が多かったので、金額もそれなりになった。
ホクホクである。
「そういえば、アンさんにことづけがあったんだよ」
「商業ギルドのギルドマスターが顔を出してほしいってね」
「そうですか、わかりました」
行くとも行かないとも返事はしない。
依頼表を見て、ギルドを出る。
周りに赤いマークや尾行が居ないことを確認して、路地から帰還する。
「ただいまぁ~、ジョン」
人形ジョン『お帰りなさい。アン』
『今日は、少しゆっくりでしたね』
「そうなの。秋だからか、収穫できるものが多くて、つい沢山採っちゃった」
人形ジョン『そうでしたか。何かあったのかと心配しました』
「ごめんね。今度から遅くなる時は連絡するね」
人形ジョン『お願いします』
実は、アンの帰る時間が近づいてくると、【ビューview】機能でアンを覗いているのだ。
何かトラブルがあったら、すぐに駆け付けられるようにしたいから。
これは、ストーカー予備軍になるのか、ただの過保護なのか。
「受付のレジーナさんから、商業ギルドのギルマスを呼んでいたと言われたよ」
人形ジョン『やはり、呼び出しされていましたか』
「まあ、レジーナさんにはわかりましたとは返事したけれど、行くとは言っていないからね」
人形ジョン『しばらくの間は、相手の出方をみましょう』
『信頼できそうな商業ギルドですが、2つ先の町が良いみたいです』
『ここの町よりも大きくて、職員もサブマス、ギルマスも問題ないです』
『サブマスもギルマスも、新しい商品に興味がありそうでした』
『根っからの商人なのでしょう』
『そのせいか、サブマスが受付にいることもあるようで、その時に行くようにしましょう』
「へぇ~、変わっているのかな。あのギルマスも興味本位となっていたから、ギルマスって似ているのかしら」
人形ジョン『似ていないとは言えませんが、彼はルール違反しましたからね』
「そうだったね。今度はちゃんとした人だといいね」
「じゃあ、いつにする。明日でもいいの」
人形ジョン『準備がよければ、明日でいいです』
「わかった。これから提出用の設計図を書くね」
人形ジョン『それから、神様から商品の追加発注依頼がきていました』
「はっ、なにそれ」
人形ジョン『タブレットに通知がありまして、商品がすぐに完売したので、追加したいと』
『次は、200個欲しいそうです。』
「え~、そんなに!!!」
「同じものでいいんだよね。なら単純にコピーすればいいのかな」
人形ジョン『それでいいと思います』
設計図を書く前に、神様を優先しないとね。
200個コピーして、タブレットの前に置くと、すぐに消えていった。
神様って、何をしているのだろうか。
【商業ギルド ギルマス side】
「おい、まだ来ないのか」
「そのようです」
「ちゃんと、冒険者ギルドには依頼したんだよな」
「はい、受付の女にことづけてきました」
「サブマスの言うように、もうこの町に居ないのか」
「もう一度、冒険者ギルドに依頼してこい」
「またですか。わかりました。明日行ってきます」
「明日じゃ遅い。今から行ってこい」
「・・・わかりました。行ってきます」
ギルマスは諦めが悪いのだった。




