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第47話 商業ギルド登録

今朝は、ポテトサラダサンドの気分。

某コンビニの商品である。

このサンドが好きでよく食べている。

最近のポテサラ人気のおかげかも。

あとは、ほうれん草のキッシュ、サラダ、ヨーグルト、トマトジュース、りんご、コーヒー。

私としては、ちょっとだけ贅沢な朝ごはんなのだ。


食事が終わる頃に、ジョンが来た。

「おはよう」

人形ジョン『おはよう』

「準備はいいの」

人形ジョン『はい、問題ないです』

「着替えのタキシードと靴とカバン、身分証カードは持った?」

「登録関係の資料や作品は、私が持っていくのでいいよね」

ジョンが亜空間収納を確認している。彼も収納スキル持ちなのだ。

人形ジョン『はい、準備できています』

「ジョンも、一瞬で服装をチェンジできるよね」

人形ジョン『はい、練習したので問題ないです』

「緊張するね」

人形ジョン『緊張はよくわかりませんが、「交渉術と会話術」のスキルを習得したので、大丈夫かと思います』

「へえ~、そうなんだ。ジョンはまだ会話に慣れていないから、助かるね」

「今日は、私が交渉するので、いいかな」

人形ジョン『相手次第ですが、追加説明や追い込みをかけるときは、私も参加します』

「そうだね。あまり、相手を怒らせないように、気分よくさせて手続きが上手くいくようにしようよ」

人形ジョン『そうですね。頑張ります』

「よろしくね」


私も忘れ物がないか、収納の中を確認した。

大丈夫、全部そろっている。

9時45分に、リビングにジョンがきた。

服装も旅装になっている。

「さっきも聞いたけれど、洋服類と身分証カードは持ったね」

人形ジョン『はい、問題ないです』

「念のために、コピーしようかな。服を出せる」

人形ジョン『わかりました』

収納から、タキシード、靴、カバンを出してもらう。

「上着、ズボン、ベスト、シャツ、ネクタイ、靴下、靴、カバン 2着ずつ」

「コピー」

はい出来上がり。

「コピーできたから、収納にしまって」

「身分証はコピーできないよね」

人形ジョン『出来ます』

「えっ、出来ちゃうの」

「じゃあ、身分証もコピーしようかな」

人形ジョン『今、コピーしましたので』

「ありがとう。これは失くさないように。間違えて出さないように仕舞うから」


テレビ画面に、門近くを映し出した。

9時55分になり、まわりに人が居ないのを確認して、道脇の森に行く。

「気をつけてね。またあとで」

人形ジョン『はい、行ってきます』

私は、お嬢様風のワンピースに着替えて、カバンも持って、靴も履いて準備万端である。

テレビ画面でジョンの様子を見ている。

「はあ~、初めてのお使いを見ている気分」

人も馬車も居ないようでよかった。

順調に道脇を歩いている。

「ドキドキするよ」

門まで着いて、列に並んでいる。

ジョンの番になった。

身分証カードは、問題なく通れたようだ。

私も行かなくちゃ。

ジョンがパン屋さんの近くまで来たので、周りを確認して、認識阻害をかけて、外にでる。

路地に出ると、すぐにジョンがきた。

「よかった。大丈夫だった?」

人形ジョン『はい、問題ないです』

すぐに、従者の服装にチェンジした。

「では、商業ギルドにいきましょう」


商業ギルドに入ると、前回いた男性と女性がいた。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用事でしょうか」

女性のほうが声をかけてきた。

「商標登録をお願いにきました」

「製造されているのですか、それとも販売をされるのですか」

「製造と販売の両方です」

「商業ギルトに登録が必要になります」

「登録は、年会費が発生します」

「店舗を持たない場合、屋台やテント販売の場合、店舗を持つ場合と料金が異なります」

「今のところ、店舗は持たないです」

「年会費が銀貨3枚となります」

日本円にして、30,000円となる。

「領収書を発行しますので、お名前をお聞かせください」

「アン・スペンサーです」

「領収書となります。大切に保管をなさってください」

「これは、商業ギルドの登録メダルで、スペンサー様は店舗がありませんので、銅メダルとなります」

「ありがとうございます。わかりました」


「商標登録をする書類はこちらになります」

名前、年齢、住所を書くようになっている。

「あの今は、宿にいるのですが」

「宿はいつも決まっていますか」

「いいえ、その時により変わります」

「それでは、身分証カードはありますか」

「冒険者ギルドカードならあります」

「では、そちらの番号を記入してください」

書類に、名前、年齢、冒険者ギルドカードの番号を記入していく。

「登録する商標はお持ちですか」

「はい、こちらになります」

「同じ、商標の登録がないか調べますので、あちらのテーブル席で少しお待ちください」

「わたくしは、ナタリア・カヴァナーと申します」

「わかりました。ご丁寧にありがとうございます」

その間に、他の女性がお茶を出してくれた。

「上手くいくかなあ」

人形ジョン『大丈夫です。登録済みは、ありませんでしたから』

10分ほどで、ナタリアさんが戻ってきた。早いな。


「スペンサー様、お待たせいたしました」

「登録済みは、ありませんでしたので、こちらの商標で登録させていただきます」

「登録料金が、銀貨3枚となります」

また、金取るのか。まあ、手間がかかるから仕方ないか。

「こちらの領収書も大切に保管なさってください」

「はい、わかりました」


「それから、販売する商品の登録もお願いしたいので、個室とかありますか」

「今、お持ちですか」

「はい、持ってきました」

「では、個室にご案内いたします」


一緒に廊下を歩いていくと、いくつか部屋があり、空室、使用中の札がかかっている。

部屋に入ると、6人は座れるテーブル席があった。

「どうぞ、こちらにお座りください」

奥の席を勧められる。

ドアに鍵をかけ、水晶に手を触れた。

「こちらは、結界と盗聴防止となっております」

「えっ、すごい。すべて部屋にあるのですか」

「いいえ、すべてではないです。こちらの魔道具は貴重ですので、交渉の内容により部屋を変えています」

「私たちがこの部屋を使用しても、大丈夫ですか」

「なにも問題はございません」

「どうして」

「勘でございます。受付をしておりますと、なんとなく分かるようになるのです」

いや、そんなはずないじゃない。絶対にスキル持ちでしょ。

この部屋を出たら鑑定しようかな。

『ジョン、この部屋を出たら、この人鑑定してみるよ』

人形ジョン『わかりました。アンならば、相手にわかることはないはずです』


「では、商品を見せていただけますか」

「はい、こちらが提出用にスケッチしたものです」

「木彫りの動物の人形と布で作った動物の『ぬいぐるみ』という物になります」

「ウサギとティディベアという物ですか」

「はい、熊を可愛らしくしたものをティディベアとしました」

「これは、ずいぶんと可愛らしいですね」

「すでに、スケッチには、商標登録を押してあるのですね」

「はい、間違えないようにしました」

「見本を作りましたが、見ますか」

「はい、是非お願いします」

ウサギ3体とティディベアを5体出した。

ナタリアさんは、目を見開いて、黙ったままだ。

大丈夫か、この人。

「まあ、まあ、なんと、素晴らしい!!!」

すっごく、大きい声で話だした。

「これほどとは、これは想像以上に素晴らしいです」

「あ、ありがとうございます」

「こちらは、販売しても、宜しいでしょうか」

「いいえ、こちらは、見本として保管していただけたらと思っています」

「なぜですか」

「他の人が、類似品を持ってきたときに、解りやすいかと思いまして」

「通常は、見本は提出しないのですか」

「いいえ、分かりにくい商品などは、見本品をお預かりすることはあります」

「では、今回はどうでしょうか」

「確かに、他にない商品ですので、見本があるのは良いかもしれません」

「保管は、どのようにされているのか、聞いてもいいですか」

「はい、大丈夫です。鍵の付いた箱にいれ、お客様番号を記入して、管理された部屋に保管いたします」

「その部屋は誰が管理していますか、また、鍵自体の管理はどうなっていますか」

「部屋の管理と鍵は、私と同僚と上司が2名、サブギルマス、ギルマスで管理しています」

「そうですか、役職の方が管理しているのですね」

「そうなります。ですので、ご安心ください」

人形ジョン『大変失礼かと思いますが、この管理している中に、スコット・クラーク、スティーヴン・トリバー、ゼイビア・ケアーは、入っていますか」

「えっ、スコット・クラークは同僚で、スティーヴン・トリバーは上司になりますが、何か問題がございましたか」

人形ジョン『ご気分を害されたら申し訳ありませんが、私共で事前に調べたなかに、その方たちの名前がありまして、あまりよろしくないと聞きましたので』

「どこで、お調べになったのかは存じませんが、彼らは信用できる社員だと思っています」

人形ジョン『そうですか。それは大変申し訳ございませんでした。こちらの調査不手際だと思われます』

「いいえ、なにか誤解があったのかもしれませんので」


「見本は預かるとしまして、商品の販売はどうされるのですか」

「こちらに卸していただくことは、出来ませんか」

「私一人で作業していますし、知人経由でその友人たちに販売するつもりですので、数は多く作れないのです」

「それに、冒険者登録もしたばかりで、依頼も受けないといけませんので」

「確かに、冒険者カードを拝見いたしましたね。なぜ、冒険者をするのですか、こちらの商品を販売すれば、かなりの収入も見込めますよ」

「冒険者も始めたら、楽しいものですから」

「そうですか。こちらから強くも勧められませんからね」

「でも、数点でも構いませんので、納品をお願いしたいです」

「あっ、それとですね。私の名前で登録しますが、非公開でお願いしたいです」

「まだ、小娘ですので何かと煩わしいことは、困りますので」

「代理人として、ここにいるジョンを仲介者にしていただけませんか」

「わかりました。そのような案件もございますので問題ありません」

「では、商品の登録用紙をそのように手続きいたします」

「その書類ですが、ナタリアさん以外が見ることが出来ないようには出来ますか」

「う~ん、私の一存では即答できませんので、ギルマスかサブマスに相談しますので、しばらくの間お待ちいただけますか」

「わかりました。よろしくお願いいたします」


「お待たせいたしました」

「こちらが、サブマスターのダーモット・ロンドンです」

「お初にお目にかかります。サブマスターをしております、ダーモット・ロンドンと申します」

「お忙しいところ申し訳ございません」

「初めましてアン・スペンサーと申します。こちらがジョン・タンディです」

「いえ、お客様第一ですから」

「それで、お客様の登録情報をここにいるナタリア以外には、見られないようにしたいとのご希望だと聞いたのですが」

「本当に申し訳ございません。ただ可能であれば、そのような手続きをお願いしたかったのですが、無理にとまでは申しません」

「なにか事情がおありなのでしょうか」

「いえ、そうではありませんが、何分まだ小娘なものですから、トラブルは、極力させたいと思ったまででございます」

「ふむ、そうですか。ところで登録商品とは、こちらのテーブルにあるものですか」

「はい、木彫りの動物と、布で作った動物のぬいぐるみになります」

「ほう、初めて見るものですね。こちらは、子供や女性に人気がでそうな商品ですな」

「スペンサー様がお作りになったのですか」

「はい、そうです」

「私一人で作りますので、あまり多くは作れないですが」

「これは、こちらで販売させていただけるのですか」

「いえ、申し訳ございませんが、数が足りませんので、当初予定している知り合いからの販売で手一杯なのです」

「数個でもかまいませんので、こちらにも卸していただけないでしょうか」

チラッとジョンを見る。

人形ジョン『お時間を頂けるのでしたら、数個だけお持ちいたします』

「ありがとうごさいます」

「では、ご希望の書類については、ナタリアと私サブマスとギルマスだけが閲覧可能といたしましょう」

「本当ですか。ありがとうございます」

「いえ、お客様のご希望に添うよう努力するのが、当ギルドですので、お気になさらないでください」

「ありがとうごさいます」

「では、あとはナタリアが手続きいたしますので、失礼いたします」

「お忙しいところありがとうございました」


「スペンサー様、よかったですね」

「はい、ありがとうございます」

「それで、具体的にはどのようにするのですか」

「私専用の書類箱に入れて、鍵をかけて保管いたします」

「そして、サブマスの管理する部屋で保管します」

「そうですか。それならば安心ですね」

「手続きの書類をコピーしてきますので、お待ちください」


『ねえ、ジョン、サブマスをどう思う』

人形ジョン『なにか企んでいるように思いますね』

『ただ、悪人とかでなく、商業ギルドとして、損得を考えているのだと思う』

『それならば、いいか』


「お待たせいたしました。こちらが書類の控えとなります」

「はい、ありがとうございました」


商業ギルドを出て、尾行とか人が近くに居ないことを確認してから、路地から帰ることにした。



【ギルド side】


「ナタリア、あの嬢ちゃんたちは、帰ったのか」

「はい、先ほどお帰りになりました」

「あの二人を見て、どう思う」

「そうですね。服装と会話から判断すると、それなりのお嬢様かと思いました」

「そうだな。あの商品といい、話し方や考え方は平民じゃないよな」

「冒険者もしているだろ。何者なのか」

「それに、二人ともそれなりの実力はあると思うぞ」

「そうなのですか、私はただ商才があるだろうと、あの部屋に通しました」

「それと、あのジョンという男性がおかしなことを言っていました」

「スコット・クラーク、スティーヴン・トリバー、ゼイビア・ケアーの三人には、よくない噂があると」

「なんでも事前にギルドを調べたらしくて、そんな噂を聞いたと」

「私は真面目な人たちだと思っているのですが」

「そうか、そんなことを言っていたのか。だから、書類関係をナタリア以外には見せたくないと言い出したのか」

「たぶん、それもあると思いますし、あの登録した商品が販売されれば、とんでもない人気になるでしょう」

「そうなった時に、スペンサー様だけでは対処できないと思います」

「あ、それに、スペンサー様は非公開で登録して、あのジョン様が代理人になっています」

「どれだけ警戒しているのやら、なにか問題があるのか」

「わかりません」

「とりあえず、様子を見て、なにか進展があれば報告してくれ」

「わかりました」



「ちゃんと、登録できてよかったね」

「サブマスが来た時はどうなるかと思ったよ」

人形ジョン『そうですね。登録は出来てよかったです』

『ただ、あのサブマスは要注意人物ですね』

「さすが、サブマスだけあって、ただの人ではないってこと」

人形ジョン『かなりの切れ者だと思います』

「そうだね。なるべくボロを出さないようにしよう」

「ところで、あれいつ納品する予定なの」

「コピーでいいかな」

人形ジョン『2週間に一度の頻度でいいのでは、それにコピーでいいと思います』

「まあ、作るもの簡単だけれどね」

「なんだか疲れたから、おやつにしよう」

また、バイキングのケーキを取り出す。

「ジョンも食べる?」

人形ジョン『いえ、大丈夫です』

私は、モクモクと食べるのであった。



【ギルド side 再び】


商業ギルド内、深夜、とある部屋から騒音が鳴り響いた。

帰宅したと思われていた、サブマスが事務室で仮眠していたが、その音で飛び起きた。

鳴り響く部屋は、サブマスの管理している部屋で、中にはいると三人の男性が気絶して倒れていた。

スコット・クラーク、スティーヴン・トリバー、ゼイビア・ケアーである。

手には、今日受け付けた、あの嬢ちゃんこと、アン・スペンサーの書類だ。

この部屋には、ギルマスとサブマスしか、入れないはずであった。

「あ~、あいつらが心配していたことが、本当だったのか」

これは、縛り上げて、朝まで尋問だな。

それにしても、この音はどこから聞こえてくるのか。

サブマスが書類を取り戻すと、騒音は鳴りやんだ。

もしかして、この書類から音が発生していたのか。

やっぱり、あの嬢ちゃんたちは、只者じゃないな。

騒音を聞きつけて、警備人や夜勤の職員が集まってきた。

「こりゃあ、明日ギルマスに報告だな。面倒なことになった」


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