第37話 冒険者登録
いよいよ冒険者登録する日だ。
今朝は和食の朝定、ご飯、アジの開き、厚焼き玉子、納豆、ほうれん草の和え物、ネギと豆腐のみそ汁と、しっかり食べた。
10時30分に町の門に到着するように、門から徒歩で30分の地点で、シェルターから出ることにする。
街道沿いには森が続いているので、森に少し入った場所から人がいないのを確認して外に出る。
このくらい離れていたら、「サーチ」で見つかることもないだろう。
万が一にも、なぜ森から出てきたと聞かれたら、「お花摘み」と答えよう。
バリアと10cmの結界を張り、弱く認識阻害をかけておく。
馬車の邪魔にならないように、街道の隅をゆっくりと歩き門まで行く。
ちょっと、いやかなりドキドキしている。
門に到着して列に並ぶ。
冒険者、旅人が並んでいる。
冒険者たちは、「今日は何を討伐した」とか「どこの店で酒を飲もう」と会話が聞こえてくる。
旅人は、街道沿いのこととか、他の町の様子を話している。
自分の番になり、門衛に「身分を保証するカードは持っていますか」と聞かれたので、「持っていません」と回答。
「では水晶に手を当ててください」
手を当てるが、何も変化はなし。
「問題ないです。では、大銅貨5枚になります」
日本円にして5000円を支払って、町の中に入る。
無事に町に入れてよかった。
この世界の貨幣だが。
鉄貨 10円
銅貨 100円
大銅貨 1000円
銀貨 1万円
金貨 10万円
大金貨 100万円
白金貨 1000万円
日本のお金と同じようで、わかりやすい。
冒険者ギルドに行きましょう。
中に入ると、冒険者の人はほとんどいなくて、受付に女性が二人いた。
やっぱり、この時間にきて正解だった。
若い人がアリシアさんで、中年の人がレジーナさんだ。
なんとなく、レジーナさんのところに行く。
「こんにちは。いらっしゃいませ。本日はどのようなご要件でしょうか」
「冒険者登録に来ました」
「では、こちらの用紙に記入お願いします。字は書けますか。代筆することもできますが」
「大丈夫です。自分で書けます」
名前と年齢を書く。
「登録料金は、銀貨1枚となります」
銀貨1枚、日本円で1万円を支払う。
「こちらの水晶に魔力を流してください」
ギルドカードを作成するために、機械に設置された水晶に魔力を流す。
ブロンズカードが作成された。
「カードの名前を確認してください。失くさないように首から下げるものいいですよ」
「紛失した場合は、再発行に銀貨2枚かかりますから、注意してください」
ギルドカードには、名前とランクが表示されていた。
「ギルド規約の説明は必要ですか」
「お願いします」
「冒険者のランクは、Fから始まりE.D.C.B.A.Sとあります」
「Fランクは見習い期間で、20件依頼を達成するとEランクに上がれます」
「但し、3か月依頼を受けないと、無効となり登録から抹消されます」
「仕事内容は、町内の依頼と常設依頼の薬草採取です」
「まだ、魔物の討伐はできません」
「Eランクからは、依頼内容のポイントで次のランクへ進めます」
「Cランクに上がるには、昇格試験を受けます」
「とりあえず今必要なランクの説明は以上です」
「ギルド内でのいざこざや暴力はランク降格や冒険者資格のはく奪もあります。攻撃されての反撃は、自己防衛となり無効です」
「魔物や魔法の資料は、ギルドの2階にありますので、自由にご覧になれます」
「ギルドの地下に訓練施設がありますので、こちらも自由に使えます。混雑する時間帯は予約をお願いします」
「初心者の方には、ギルド内会議室で魔法、魔物、薬草、剣術などの講習も開催していますので、ご利用ください。講習については、張り紙を見てください」
「説明は以上となりますが、何か質問はありますか」
「料金は少しだけなら高めでもいいので、治安がよくて、ご飯が美味しい宿はありますか」
「リンデの宿がお勧めです。女将さんの人柄も良いし、料理も美味しいですよ」
「ありがとうございます」
問題なく登録ができて、絡まれることもなくてよかった。
ギルドを出て、一応お勧めの宿を外から見ることにする。
宿から少し離れた場所で宿を鑑定してみる。
青いマークで黄色と赤のマークもないので安心。
この宿に泊まるか、シェルターに戻るか悩みどころだ。
しばらく町の中を歩いてみようか。
【ビューview】機能で見ていたとおり、パン屋、肉屋、雑貨、八百屋、魚屋と色々ある。
雑貨屋から見ようかな。
「こんにちは~」
優しそうなお姉さんが店番をしていた。
「いらっしゃい。何かお探しで」
「可愛い小物がないかなと思って」
「それなら、うちでは食器にリボンやハンカチ、お財布にポーチなどがあるよ」
「少し見てもいいですか」
「ゆっくりみておゆき」
笑顔でペコリと頭を下げる。
食器類には、花や木の絵や不思議な模様の絵もある。
リボンやハンカチは草木染のような自然な色合いをしている。
ポーチもサイズがいくつかあり、お財布やハンカチにポーションが入れる大きさを選んだ。
蔦と花の模様があり、皮の色も薄茶色でとても良い。
ハンカチも薄い黄色の物を選んだ。
「これをお願いします」
「ありがとうございます。どれも可愛いでしょ」
「はいそうですね。沢山可愛いのがあって迷いました。また買いに来ます」
早速買ってしまった。
まだ働いていないのに。
そうだ。この前鉱物探しの時にオーガを倒したから、あれを換金しよう。
実はタブレットから換金できるのだ。
それなら、ギルド経由しなくても、討伐した魔物を売れるからいいよね。
でも、あれは誰が買っているのか。
神様が買って食べているのか、別の誰かに売っているのか。
あ! 今更だが、鑑定しながら見ればよかった。
食べ物屋さんでは、必ず鑑定しよう。
衛生管理が心配だからね。
次はパン屋に行こう。
ハード系のパンが数種類並んでいる。
「鑑定」問題なし。
硬さがわからないから、1個だけにしよう。
店員さんにお勧めを聞いて、1個購入。
さっき買った物も、物陰で空間に収納した。
次はお肉屋さんへ。
ここは見るだけにしよう。
角ウサギ、オーク、オーガ、蛇もあるよ。
「鑑定」問題ないようだ。
お昼を過ぎたので、どこかで食べよう。
お店がきれいそうで、ちょっとだけ高い店にしよう。
「鑑定」しながら、青マークを探す。
高めのお店は少ないのか、何店舗か見るが青黄、黄、赤もあるよ。
しばらく歩くと、良さそうな感じのお店が見つかりました。
店内を「鑑定」しても、青マークと大丈夫そうだ。
店内はおしゃれなカントリー調の家具で揃えられている。
「一人ですが、大丈夫ですか」
「大丈夫ですよ。テーブル席にご案内いたします」
洋食レストランのようで、スパゲッティ、ピザ、サンドイッチなどがある。
きのこのスパゲッティと果実ジュースを注文。
クリーム系できのこも何種類か入っている、日本で食べたのと同じようだ。
果実ジュースは、さっぱりして美味しい。
お値段は、ランチには高いかな程度である。
今日は宿に泊まろう。
先ほど下見した宿まで戻る。
受付には女将さんらしき人がいた。
「こんにちは~。冒険者ギルドで勧められて来ました」
「いらっしゃい。それはありがとうね」
「一泊素泊りで大銅貨6枚、晩飯と朝飯つきだと追加で大銅貨2枚と銅貨7枚で前払いだよ」
「それでは、食事付きでお願いします」
8700円を支払う。
一泊2食付きで、このお値段は安いよね。
「身体を拭くなら、桶を貸すので声をかけてね」
「晩飯は午後6時~午後9時まで、朝飯は午前5時30分~午前8時までだから、時間に遅れないようにね」
「これが部屋の鍵。鍵をかけるのを忘れないようにね。部屋は3階の一番奥だよ」
「はい、ありがとうございます」
部屋は、シンプルでベッドやテーブルに荷物や武器がおける棚がある。
ベッドは藁じゃなくて安心した。
鍵をかけだけど、結界も張っておこう。
この部屋で寝るか、シェルターで寝るかどうしようかな。
お試しでもあるから、この部屋で寝よう。
眠れなかったら、シェルターに戻ればいいか。
食堂が混むといやなので、6時に降りて行った。
メニューは、オークの煮込みにサラダとスープとパンだ。
お肉は柔らかくて香辛料がきいている。
ここでは、香辛料は高くないのかな。
サラダもシャキシャキしていて、ドレッシングも美味しい。
野菜スープかな、具材が煮込まれてトロトロで野菜のだしがきいて、これも美味しい。
ギルドの人が勧めるはずだね。
「ごちそうさま~」と声をかけて、部屋に戻る。
お風呂はないので、シェルターで入ろうか。
少しだけ戻って、お風呂でのんびりしてから戻ってきた。
誰かきてもわかるように、マッピングしてあるし音も聞こえるようにしておいた。
明日も早起きだから、寝ようかね。
さすがにシェルターのベッドには負けるけれど、この世界ではいいほうかも。
では、おやすみ。




