第16話 タウンウォッチングをしよう
この世界の外の様子もそろそろ見てみようと思う。
ここは、ハカレニア王国ジユジョア領ダーニュ町。
今いる草原から徒歩で2時間くらいの場所になる。
テレビ画面から【地図】【ビューview】機能を使えば、外の景色がリアルタイムで見られる。
ここから町の門までは時間がかかるので、倍速で進める。
「門が見えてきた」
門の左右に門兵さんらしき人が立っていて、右が歩いてきた人で左が馬車用に分かれているようだ。
右の門兵さんに近づいてみよう。
何かをみせている人や透明な水晶らしき物に手を置いている人がいる。
ラノベでよくみる、冒険者カードとか住民カードとかかな。
水晶では犯罪歴を調べているのかも。
しばらくの間、そばで見ていよう。
やっぱりカードは、冒険者ギルト、商業ギルト、薬師ギルドと住民カードだった。
水晶は問題がなければ色が変わらないみたい。
町の中に入ってみよう。
門のそばには、馬や馬車置き場がある。
町の様子は、ヨーロッパの昔の木造建築のようで、とても可愛らしい。
道も石畳できれいになっている。
店舗が並んでいて、雑貨屋、花屋、パン屋、肉屋、洋服屋といろんな店がある。
雑貨屋を覗いてみると、日用品や小物、木製の器や陶器の食器などで、陶器の食器は、絵付けされていて、これも可愛いものがある。
花屋は、ヒマワリ、マーガレット、チューリップと馴染のある花があるが、季節はどうなっているのか。
日本だったら、チューリップは春だし、ヒマワリとマーガレットは夏だよね。
あとの花は、この世界のものかな。
パン屋からはいい匂いがしてくるが、ハード系パンのようだ、ドイツパンに似ているかも。
洋服屋は、ワンピースにシャツにズボンが多いな。生地はちょっとザラってしていそう。
次は、ギルト関係をみようか。
まずは、冒険者ギルドから、中はなかなか広いね、受付に女性が2人いる若い人と中年の人。
ここは利用する予定だから軽く鑑定でもしておこうかな。
若い人がアリシアで、中年の人がレジーナか。
分かりやすく色分けしよう、無害【青】、要注意【黄】、危険【赤】
頭の上に表示されるようにしよう。
二人とも青表示でよかったよ。
ギルドマスターは2階にいるのかな。
ドアにギルド長室と書かれているからここか、ドアをすり抜けてと。
書類仕事をしているようだ、ガタイもいいし、ちょい強面かぁ。
名前が『ジェームス』で、Aランク冒険者か、まあ、ある程度実力がないと戦えないからね。
青と黄が表示されているが、これはどういう意味だろうか。
腹黒か観察力がすごいとかか、要注意人物としておこう。
1階に降りてもう一度よく見ると、受付のとなりには、廊下があり解体場と案内があった。
魔物とか討伐したら、そちらに持っていくのだろう。
部屋の隅には、テーブルとイスがあるが食堂はないようだ、これは打ち合わせようとか待合用か。
食堂は無いみたい、よくある酔っ払いの「ようお嬢ちゃん」みたいなことにはならないのかも。
ギルトを出て隣をみると、『ギルド食堂』と看板があった。
なるほどね、食堂はこちらにあったのか、分かれているのはいいねぇ。
酔っ払いに絡まれないだろうから。
次は、薬師ギルトに行こう。
こちらは、受付に男性と女性がいた、二人とも青表示だ。
壁には、薬やポーションの値段表が貼られていた。
これならば、わざわざ受付で聞くこともないから、便利だわ。
あとは冒険者ギルトと同じようだね。
次は、商業ギルド。
こちらは、ちょっとだけ重厚そうな雰囲気だ。
受付カウンターには飾り彫りまでされている。
受付の女性は制服姿だけれど、男性はスーツのようだ。
鑑定の色は、女性が青で男性が黄色だ。
これは、黄色の表示の『要注意』の判断を、もっと具体的にしたほうがいいのかも。
危険な注意なのか、腹黒で注意なのか。
橙色だと黄色と見間違えたりするかもしれないし、紫って高貴なイメージだし、灰色もなぁなんかって感じだし。
基本的にはいいひとで、観察力、洞察力、鋭い人は、青と黄の半分ずつにしようか。
今後はこれでいこう。
商店街をぬけると、住宅地のようだ。
こちらは市民が暮らしているのかな。
洗濯物が干してあったり、子供たちが遊んでいたりするから。
住宅街をぬけると、門があり門兵が立っていた。
もしかしたら、こっちは貴族の敷地か。
近寄らないようにしよう。
とりあえず一通り見た感じかな。