第114話 アリソン子爵の呪い
「おはよう、ジョン」
「おはよう、アン」
「ギルドの件も片付いたから、王都観光でもする」
人形ジョン『そうですね。折角来たのですから、街を見て回りますか』
「ジョンは、見たいお店とか行きたい場所はあるの」
人形ジョン『特には無いです。アンはありますか』
「そうだなぁ。魔道具、洋服、アクセサリー、お菓子屋、市場とかかな」
人形ジョン『なんですかそれは、ほとんどでは無いですか』
「だって、商品製作の参考になりそうじゃない」
「それに、市場に行けば知らない食べ物もあるかも知れないし」
人形ジョン『全て見るには、一日では足りなさそうです』
「まだ、数日は王都に居るんでしょ。だったら大丈夫じゃない」
「もしも、見て回れなかったとしても、地図ですぐに来れるし」
人形ジョン『そうですね。では、朝食を食べたら出かけましょう』
「やっぱり、王都は人が多いね」
「はぐれないように、ジョンの腕につかまっていてもいい」
人形ジョン『はい、構いませんよ』
「野菜や果物も沢山あるね」
「折角だから、色々と買おうか」
「この世界の食べ物を食べた方がいいってことはある」
人形ジョン『そうですね。身体はこの世界で造られていますから、その方がいいかも知れません』
「ええ、そしたらあまり食べていないじゃない。大丈夫かな」
人形ジョン『食べた方が良いってだけですから、無理に食べなくてもいいんです』
「えー、本当に。魔力とか健康、寿命に影響しない」
人形ジョン『どうでしょうか。細かいことまでは分かりませんので、後で神様に聞いてみます』
「お願いね」
「あっ、この果物美味しそう」
「すみません。これ下さい」
「あっ、あれも美味しそうじゃない」
「なんか、市場って見ているだけでも楽しいよね」
人形ジョン『そうですね。あまり市場とかには行きませんから』
「そうだよね。これからは、もっと行ったほうがいいかもね」
「あそこに魔道具屋さんがある」
人形ジョン『アン、入る前にちゃんとお店を鑑定してください』
「そうだった。つい浮かれて忘れていた」
人形ジョン『これだけのお店があるのですから、ぼったくりやまがい物の店もありますよ』
「そうなんだ。気をつけるね」
「あー、じゃああのお店はダメだね。まがい物が多いよ」
「こっちは、ぼったくりだ」
「なかなか、まともなお店が無いじゃない」
人形ジョン『あの店は、大丈夫そうですよ』
「えっ、どのお店。ああ、あそこね。行ってみよう」
「こんにちは。見せてもらってもいいですか」
「こんにちは。ああ、手に取って見ても構わないよ」
「危ない物は、ケースに入っているからね」
「はい、ありがとうございます」
「ジョンも気になる物があるかも知れないね」
人形ジョン『そうですね。じっくり見ましょう』
小さな魔道具は、かすり傷が治る物、虫よけ、魔物よけ、運気上昇、縁結びなど、色々とある。
ちょっとだけ大きめだと、呪いよけ、魔物よけ、出世、事故防止とかがあった。
日本のお守りにも似ているかもしれない。
あとは、家電の道具が多かった。
次は洋服屋さんを見よう。
普段着から高級品のお店と分かれている。
普段着用のお店は、デザインはまあまあだが、生地や縫い方がよろしくない。
日本の仕立てを基本とすると、どれも見落ちしてしまうのも仕方ないよね。
高級品のお店に入ると、ジロジロと見られた。
なんか感じ悪くない。
口には出さないが、早く帰れ感がある。
この店はダメだ。すぐに出たよ。
「ねえ、ジョン。高級な店って、みんなあんな感じなのかな」
人形ジョン『すべてがそうでは無いですが、多いと思います』
「まあ、またあったら入ってみよう」
次は、アクセサリーのお店があった。
鉱物の原石や魔石なども置いてある。
アクセサリーを見ると、普段使いからパーティ向けと様々だ。
デザイン的には悪くはないが、カットとか仕上がりが雑に見えてしまう。
これは、地球での技術がかなり上だから、その差を感じてしまう。
お試しで何個か買ってみた。
後で、自分で手直しをするから問題なし。
買い物途中では、屋台で買って食べたり、レストランに入って食べたりもした。
まだまだ、見たい店はあるが一旦宿に戻ることにした。
意外と、ショッピングは疲れるのだ。
体力はあるが気力がね。
たしか、気力もすぐに回復するはずだが、なんだろうね。なんとなく疲れる気がするんだよね。
宿に戻ったら、結界を張り、シェルターに直行だ。
お風呂に入って、リビングで寛ぐ。
あ~、やっぱり、シェルターが一番いい。
帰ったら、一か月くらいは、シェルターに引き籠りたい。
目が覚めたらベッドの中だった。
リビングに行くとジョンが休憩をしていた。
「ジョン、私寝ちゃっていたの」
人形ジョン『ええ、ソファーで寝てしまったのでベッドまで運びました』
『夕方になっても起きないので、宿には疲れたので夕飯は要らないと伝えてきました』
「えー、そうなの。ごめんね。今は、あれもう朝なんだ」
「私、そんなに疲れていたのかなぁ」
人形ジョン『ギルドのこともありましたから、疲れたのではないですか』
「そっか。ジョンはずっと起きていたの」
人形ジョン『少しは休みましたが、誰かが尋ねてくるかも知れませんから』
「ありがとう。今からでも休む?」
人形ジョン『いえ、大丈夫です』
「今日、子爵たちは登城するんだよね」
人形ジョン『ええ、そのはずです』
「じゃあ、今日も観光しようか」
人形ジョン『そうですね。昨日行けなかったところに行きましょう』
市場に行って、また野菜や果物を買い込む。
知らない野菜や果物があれば、調理の仕方、食べ方などを教わり、買い物を楽しんだ。
魔道具店は店舗数が少なく、庶民向けから高級品の店と分かれていた。
それなりに楽しめたが、自分で作れるので参考程度に見ただけだった。
お店巡りをしていると、武器屋があったのでのぞいてみる。
魔力を流すと付与されている魔法が使える剣があった。
これが魔剣という物なのか。
面白そうなので、火の魔法が付与された短剣を買ってみた。
他には、忍者の武器っぽいものがあり、これは暗殺者が使うのかもと思ったりもした。
見てきたお店のなかでは、武器屋が一番楽しめた。
朝早くから出かけたので、午後3時すぎには宿に戻る。
昨日は、夕飯を食べ損ねたので寝ないで、お茶を飲みまったりした。
食堂に行くと数人の団員たちが食べ始めていた。
「なんだ、アン、今日は夕飯食べれるのか」
「浮かれて遊び過ぎたんだろう」
「初めての王都だからな。気持ちは分かるぞ」
色々と声をかけてくれる。
「そうなんですよ。今日も観光してきました」
「ほどほどにしろよ。帰るとき大変になるからな」
「分かりました。ありがとうございます」
団員たちと軽口を交わしながら、夕飯を済ませ早めの就寝とした。
翌朝も早く起きて馬の世話をしてから、食堂に向かう。
この日課も段々慣れてきた。
食堂で食べ始めると、子爵がやってきた。
「よう、おはよう」
顔を向けると、真っ黒なもやに包まれている子爵。
あまりにもビックリしすぎて、思わず大声を出して立ち上がってしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ !!!!」
「なんだ、どうした、アン。俺の顔を見るなり大声を出して」
しばらくの間、呆然として見ていたが、ハッとして、ジョンを見る。
ジョンにも、もやが見えているようだ。
念話『ジョン、見えている』
人形ジョン『ええ、はっきりと』
子爵に強めの結界を張る。
「ジョン、閣下を捕まえて、部屋に連れて行こう」
人形ジョン『分かった』
「閣下、すぐに部屋にいきましょう」
「えっ、なんで、俺たち飯食いに来たんだけれど」
「いいから、早く」
「団長たちも早く、閣下の部屋に案内してください」
「えっ、どうして」
「早くして !!!」
私の剣幕に驚いたのか、子爵と団長たちは部屋に案内してくれた。
「アン、いきなりどうした」
「閣下は、とりあえず、ソファーかベッドに座ってください」
「あ、ああ、分かった」
「団長たちは、閣下に近づかないで。三人で固まってください」
「今から、三人には結界を張りますから、いいですね」
「「「分かった」」」
もちろん、私とジョンにもかける。
「いいですか、落ち着いてよく聞いてください」
「ああ」
「閣下は、今、呪われている状態です」
「はっ、何言っているんだ」
「だから、呪われているんですよ。それもかなり強めの」
「ああ、どうしようか。何かなかったかな。えーと、えーと」
「あっ、そうだ。前に腕輪を作ったんだ。あれでいこう」
バッグから取り出す振りをして、水晶のブレスレットを出す。
「ジョン、これを閣下の腕にはめて」
「あれ、少し気分が良くなったぞ」
私も閣下から離れて、よく観察する。
どうやら、呪いをかけた人は一人ではないようだ。
一人だけとても強いが、残りはなんとなくそう思った程度だったが、その思いがまとまってしまったのか、合わさってより強くなった。
「エミール・フィリップス、オリヴァー・オーブリー、クリス・コリ、クリストファー・ウォルトン、ケリス・ブラックマン」
「この名前に聞き覚えはありますか」
「あ、ああ、あるぞ。冒険者仲間だったり、友人だったり」
「あいつらがどうした」
「閣下に呪いをかけた人たちですよ」
「エミール・フィリップスが確実に呪いを掛けた人です。残りの人たちは、妬みや羨ましいといった気持ちをもっていましたが、呪いまでは掛けていません」
「ただ、妬みとかの思いが強かったので、エミールの呪いと合わさって、より呪いが強くなりました」
「今朝、気がついたので、昨日何かありませんでしたか」
「そういえば、城でエミールと会ったな」
「会ったことで、呪いが強くなってしまったのでしょう」
「昨日から体調に変化はありませんか」
「昨日か、そういえば、少しだるかったな。今朝になってもだるいから、二日酔いなのかと思っていた」
「そうですか」
「えー、俺はどうすればいいんだ」
「もちろん、呪いを解呪しなければならないです」
「私がやってみますが、いいですか」
「アンができるのか」
「たぶん」
「おい、たぶんって」
「とにかく、私がやってダメな場合は、他の人に頼みましょう」
「ですが、そう簡単には頼めないですよね」
「そうだな」
えーっと、えーっと、どうしようか。このまま解呪するだけでいいのか。何か準備するべきか。
考えながら、ウロウロしていた。
『ジョン、日本で使用する、白装束やとなえことば、数珠などは、この世界で使っても大丈夫』
人形ジョン『神様に使う物なので、問題ありません』
『神様が違うけれど、大丈夫なの』
人形ジョン『ここの神は、心が広いので大丈夫です。心配でしたら、すぐに確認してみますか』
『お願い』
数秒待つ。
人形ジョン『大丈夫です』
『ありがとう』
「解呪する為の準備を部屋でしてきますから、待っていてください」
「今から出来るのか」
「はい、部屋に戻ってしてきます」
「ジョンは、その間見張りをお願い」
私は、急いで自分の部屋に戻り、タブレットから白装束、白い靴下、水晶の腕輪念株を注文する」
それから、『となえことば』を書いた紙を人数分用意した。
また、急いで閣下の部屋に戻る。
「皆さん、この白い服を着てください。着方は教えますので、それから、靴下も履き替えて」
「えっ、なんで白い服」
「白は邪気を払うんです。少しでも呪い返しが成功するために、着るんです」
「えっ呪い返し。解呪じゃなくて」
「当り前ですよ。呪われたんだから、返すに決まっているじゃないですか」
「いいですか、まずは、白い服を着ます。袖をこのように通して、服の両方を掴みます。右の服を掴んで左に持ってきます。次に左で掴んでいる服を右に持ってきます」
「私が先に帯を巻きますので、そのままの状態で待っていてください」
一人ずつ、帯を巻いていく。
「閣下には、ジョンがしてください」
「次は、靴下を履き替えて」
「次は、水晶の腕輪です。左手にはめて、親指で支える。右手は左手の腕輪に軽く添える」
『となえことば』を書いた紙を皆に配る。
「それから、私が術を始めたら、この言葉を声にだして、しっかりと読み上げてください」
「術が終わるまで、繰り返し読んでください」
「大声とは言いませんが、しっかりとした言葉で読み上げて下さい」
「閣下の解呪が成功するように、祈りながら気持ちも込めて唱えてください」
バッグから、白い手袋と15cmの水晶の玉を取り出す。
目をつぶり、「ふぅ、ふう、ふぅ」と息を整え、心も落ちつかせる。
「では、始めますよ。皆さんは動かないで、唱えるだけに集中してください」
手の平に水晶をのせて、片方の手を閣下に向ける。
『ジュリアス・メイウェザー・アリソンの呪いを解呪。水晶に集まれ』
何度も、心の中で唱える。
皆、私が解呪を始めると同時に、『となえことば』を読み上げた。
初めての言い回しの言葉なので、たどたどしいが、それでもしっかりと唱えていた。
しばらく、手をかざしていたが、すっと手が軽くなった。
水晶をみると、透明だったのに、真っ黒になっている。
子爵を鑑定してみると、呪いは無事に解呪されている。
「はあ、成功です。これが呪いです」
真っ黒になった、水晶を皆に見せる。
「うわぁ、なんだこれは」
「気持ち悪いな」
皆、それぞれの感想だ。
「閣下もお疲れでしょう。少し休まれた方がいいですよ」
「ああ、そうだな。なんだか、疲れたよ」
「ありがとう、アン、ジョン」
「どういたしまして、高くつきますよ」
「はぁ、サービスじゃないのかよ」
「タダでは働きませんよ」
「では、この呪いは相手に返しますよ。いいですね」
「ああ、アンに任せるよ」
「ジョン、窓を開けてくれる」
「呪い、倍返し!!!」関係者全員に呪いよ返れ。
黒いもやが窓から出て行った。
水晶を見ると、きれいな透明に戻っていた。
念のために『浄化、クリーン』を掛けてから、バッグにしまう。
「なんで、倍返しなんだ」
「当り前ですよ。呪いを掛けるような相手ですよ。迷惑料として倍に返すのは当然です。三倍返しでも良いくらいです」
「お前は、恐ろしいな」
「何を言っているんですか、こんなに優しい子に対して」
「お前、自分で言うなよ」
「私が気がついて対処しなければ、あの世に行っていたかもしれないんですよ」
「あー、奥様は、イケメンの男性と再婚出来たかもしれないチャンスが無くなりましたけれど」
「はあ、馬鹿を言え。俺ほどかっこいい旦那はいないぞ」
「はぁ」
「とりあえず、念のために浄化とクリーンを掛けますよ」
子爵、執事、家令、団長と掛けていく。
「水晶の腕輪は、浄化ができるので差し上げます」
「手首か足首に付けるのが一番ですが、無理ならば肌身離さず持っているのでも効果はあります」
「白い服はどうしますか」
「これは、俺たちが持っていても、使い道がないからな」
「まあ、無いことも無いですが、では、それは回収します。靴下は差し上げます」
「他の人が履いた靴下はいやでしょうから」
「そうだな」
「閣下は、休んでくださいね。解呪された反動があるはずですから。私も疲れたので部屋に戻ります」
「ああ、助かったよ」
「閣下は、気にすることはないですよ。誰でも他人を羨むことはありますから」
「はあ、お前に慰められるとはな。お前にもあるのか」
「今のところは無いですが、いつそんな相手と出会うかは分かりませんから」
「まあな。しっかり休めよ」
「はい、では、失礼します」
【アリソン子爵 side】
「はあ、しかし、ビックリしたなあ」
「そうですね。まさか、お館様が呪われるなんて、思いもしませんでした」
「ええ、本当に。子爵に陞爵したことが、原因でしょうか」
「ああ、そうかもな」
「しかしなあ、アンに名前を言われてビックリしたよ」
「アンが知っているはずがないからな」
「それに、アンじゃないが、友人だと思っていた奴が呪うとは、さすがにな」
「まあ、そうですね。羨むのは何も貴族だけではないですから」
「そうだよなあ。なんか、恐ろしい世界だぜ」
「食堂でアンに大声を出された時には何事だと思った」
「ええ、アンが不敬を働いたかと思いました」
「ええ、ただ、あまりの驚き様にこちらも何も言えませんでしたから」
「アンは、あの服をどうやって準備したのか」
「持っていたのか」
「いえ、そんな感じではありませんでした」
「呪いを解呪するのに、色々と考えているようでしたし」
「そうだよな。珍しくアンも焦っているようで、ウロウロしていたもんな」
「アンが返した、倍返しはどうなったでしょうかねぇ」
「いや、知りたくもない。知らない方がいい事だってあるからな」
「そうですね。知らないようにしましょう」
「しかし、やっぱり、アンとジョンは只者じゃないな」
「ええ、ジョンなんかは落ち着いていましたし」
「あの白い服も見たことがない服でしたし、どこの国のものでしょう」
「この国の物でないことは確かだな」
「あの、唱えた言葉も聞いたこともありません。ただ、祓え給い、清め給えは、祓うと清めるですよね」
「あとの言葉はわかりませんね」
「やはり、どこかの国の解呪するときの言葉かも知れないな」
「ところでお館様、アンに対しての支払いはどうしますか」
「それなんだよなぁ。金額なんて分からないよ」
「相場なんてあるんですかね」
「案外、アンならば気持ちだけでも受け取ってくれるんじゃないですか」
「お人好しなところがあるからな」
「そうなんだよ。態度が悪いときがあるが、何かと助けてくれるからな」
「ああ、皆に知らせてこないと。心配していると思いますよ」
「団員たちには、何て言うんだ。まさか、呪われていましたとは言えないだろ」
「幽霊に取りつかれたとか」
「それだと、アンが浄化できることがバレる」
「アンの気のせいだったとか」
「何でもなかったといっても、嘘くさいだろ」
「アンに頼み事をしていて、アンが報告を忘れていたとか」
「助けてくれたのに、悪者にするのもなあ」
「お館様に毒虫が付いていたことにしましょうか」
「アンだけが気がついて、すぐに対処したとか」
「そうだな、それが無難かも。それで何の虫にするんだ」
「毒クモにしましょう。それならば、居そうですよね」
「じゃあ、早速ジョンに伝えてきますよ」
「それでは、お館様は休んでください」
「食事を持ってきますか」
「そうだな。腹減ったな」
「はぁ、疲れたねぇ、ジョン」
人形ジョン『ええ、疲れました』
「まさか、子爵が呪われるとはねぇ」
「爵位が上がったのが原因なのかなぁ」
人形ジョン『それもあるかも知れません』
「ところで、ジョン。本当に日本式の解呪をして大丈夫だったの」
人形ジョン『ええ、神様に確認しましたから大丈夫です』
『特定の神様に対しての言葉や服装ではありませんから』
『こちらでも、白は神聖に扱うことがあります』
「この言葉も」
人形ジョン『そうですね。神様にお願いする言葉ですから問題ありません』
「そう、それならば良かった」
「ねえ、もしも、仮想地球でお守りを買って誰かに渡したらどうなる」
人形ジョン『それは、聞いてみないと分かりません』
『それは、特定の神社から購入した物になりますから』
「そっか、じゃあ後で聞いてみて」
「こんなことがあるなら、厄除けを付与したアクセサリーを作ろうかな」
「ピアス、ネックレス、キーホルダーとかにさ」
人形ジョン『いいのではないですか』
「身代わり人形とかはどう」
「一度だけ危険な時に身代わりになってくれる人形」
人形ジョン『そうですね。出来なくはないと思います』
「なに、難しいの」
人形ジョン『難しくは無いですが、受け取るほうは驚かれるのではないですか』
「そうかなぁ。でも、身代わりになってくれれば、安心だし、その隙に返り討ちに出来るかもしれないじゃない」
人形ジョン『そうですね。受け取る相手にも寄りますか』
「じゃあ、早速作ろうかな」
人形ジョン『その前にお茶を飲んで、ゆっくり休んでください』
『アンも術を使ったのですから、相当疲れているはずです』
「うーん、分かった。休むよ」




