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第110話 王都に向けて出発③

【アリソン子爵 side】

「今日の報告会を始める」

「まずは、エドから」

「あー、違ったな。エド様からだな」

「なっ!」

「なんだ。違ったか。アンからはそう呼ばれているんだろ」

「いえ、それはアンが勝手に」

「まあ、いい、そのまま呼ばせておけ」

「それで、アンは」

「はい、朝から夜まで休憩の度に、馬の世話を率先してやっています」

「朝は、餌が無くて場所が分からなかったせいで、自分の野菜を与えていました」

「注意すると、すぐに謝罪されました」

「それから、馬にクリーンを掛けていました」

「問題はなかったか聞くと、馬はサッパリしていたようだと」

「あとは、遠征について聞かれました」

「いつもこんなに長い期間行うのかと」

「いつもは三日から四日だと返事しました」

「フォレストウルフの群れについては、サーチをして気がついたようです」

「あれだけ先の魔物を正確にサーチできるとは、凄いですね」

「ああ、まったくだ」

「私は、何かいる位しか分かりませんでした」

「合図した時に騎士が、アンを疑う発言をした時は、少しムッとしていました」

「まあな。普通は信じないよな」

「以上です」

「エドワードは、何かあるか」

「ジョンは相変わらず、会話が少ないです」

「フォレストウルフの群れが現れた時は、平然としていました」

「もしかして、ジョンも気がついていたんじゃないか」

「あり得ますね」

「他に無ければ、戻っていいぞ」

「「はっ」」

「しっかし、本当にアンたちはすげぇな」

「ええ、規格外ですね」

「深入りするなという、ギルマスの忠告も分かりますね」

「だよなぁ」

「スープの入った、スープジャーかあれも熱々だったぞ」

「アンの説明では、保温と冷却保存ができると言っていた」

「あのマジックポーチですか、どれだけの量を入れられるんでしょう」

「大小のテーブルに椅子、夜には違う椅子も出していました。テントに簡易トイレに料理だろ」

「まさか、無制限じゃないだろう」

「朝に貰った料理も出来立てだったぞ。それに見たこともない料理だったし、すげぇ旨かった」

「アンたちの料理は、俺たちが食っているものよりも旨いと思うぞ」

「お館様、貰ったなどと、優しいものではないでしょう」

「無理やりに出させたのでしょう」

「遠征中にアンたちの食料が無くなったらどうするんです」

「いや、それはないな。アンならば、本当に無くなるようならば、はっきりと断るさ」

「そう言われるとそうかも知れませんが、もう、集りに行かないでくださいね」

「部下にも示しがつきませんから」

「はは、アンと同じことを言うんだな」

「俺は、そんなことは気にしないぜ」

「アンにも言われたのですか」

「ああ、家臣に笑われますよと」

「アンのほうが、よっぽど常識的ですよ」

「まあ、まだ、アンたちのことは様子見としよう」

「明日は、貴族に挨拶か。面倒だな」

「仕方ありません。子爵になったのですから、いい加減諦めてください」


今朝は、すっきりとした目覚めだ。

やっぱり、自分のベッドで寝るのが一番だね。

ジョンは、起きているかな。

シェルターからテントに出る。

ジョンは、居ない。もう、起きて外にいるのか。

「おはよう、ジョン」

人形ジョン『おはよう、アン』

「起きるの早いね」

人形ジョン『ええ、用心のためにも外に出ていませんと』

「そっか。ありがとう」

「じゃあ、朝食にしようか」

「クラブハウスサンドと玉子スープでいいかな」

人形ジョン『はい、構いません』

テーブルと椅子と料理を出していく。

コーヒー、ヨーグルト、果物もね。

「ジョンは、ベッドで寝なくても平気なの」

「寝袋じゃあ、疲れない」

人形ジョン『いえ、問題ありません』

「そう、もっと厚いマットレスを出しておこうか」

「そうしたら、私も寝やすいし」

人形ジョン『アンは、シェルターに戻っていいんですよ』

「でも、ジョンを一人だけ残すのも悪いじゃない」

人形ジョン『そんなことはありません。私は、アンの執事兼護衛ですから』

「ありがとう」


「さてと、食べ終わったら、馬の世話をしないと」

人形ジョン『私も一緒にします』

「そう。その方がはかどるか」

テントとランタンを仕舞、馬のところに行く。


私は、アレクとベンのところに行き、ジョンは自分が乗っている馬のところに行った。

「おはよう、アレク、ベン」

『『おはよう、アン』』

「調子はどう」

『大丈夫だぞ』

「水を持ってくるね」

昨日と同じような場所に水は置いてあった。

水を飲んでいる間にクリーンを掛ける。

「クリーンを掛けたら、ブラッシングをするね」

『頼むぞ。アン』

ブラッシングをしていると、エドがやってきた。

「おはようございます。エド様」

「おはよう」

「ブラッシングが終わったら、餌を与えよう」


馬の世話も終わったので、出発準備だ。

あとは、トイレを片付けるだけ。

そういえば、団員たちが使うと、匂いも気になるかな。

自動クリーン機能を付けてあるから、大丈夫と思うが、もし匂ったら嫌だからね。

消臭機能も追加しよう。

どうせならば、使用中なのがすぐに分かるようにするか。

高速道路のサービスエリアのトイレも、赤と緑のランプが付いているところもあったよね。

『使用中』と、はっきり表示させるのと、色で分かるようにするのと、どちらがいいかな。

初めて使う人ならば、文字で表示した方が分かりやすいけれど、なんか気分的にちょっとと思う。

色にして、分かりにくかったら変えよう。

今は誰も使っていないね。

トイレのところに行き、「ドアの鍵と連動して、鍵がかかったら赤いランプが点灯、鍵が開いていたら緑のランプが点灯、ドアの左上壁に設置【クリエイト】」

上手くできたか、確認しよう。

ドアを開けて、そのまま閉める。

緑のランプが点灯。

中に入って鍵をかける。

あっ、このままじゃ分からないか。

ドアの外に転移して確認。

ちゃんと、赤いランプが点灯している。良し。

ドアの中に戻り鍵を開けて外に出る。

これで、様子をみよう。

もう、誰も来無さそうなので仕舞いましょう。


馬車まで行くと、エドは来ていた。

「今日もよろしくね」と馬に挨拶してから、御者台に上る。

「今日、お館様は他の貴族に挨拶に寄られる」

「お館様は、貴族の屋敷に泊まられるが、我々は宿に泊まる」

「では、あまり距離は移動されないですか」

「そうだな、昨日よりは進まないだろう」

「遅くに訪問する訳には行かないからな」

「そうですね。その方は、子爵閣下のお知り合いなんですか」

「顔見知り程度だと思う」

「顔つなぎってところですか」

「そんなところだ」

「色々と大変ですね」

「そうだな。お館様も苦労する」


そんなこんなで、貴族の屋敷にはお昼過ぎに到着した。

貴族の玄関まで、馬車で向かい、子爵閣下たちを下したら、私たちは宿に向かう。

貴族の屋敷には、子爵、家令、執事、団長、団員一人が残り、後は宿に泊まる。

私たちまで、貴族の屋敷に泊まることにならなくて、ホッとした。

屋敷がもっと大きければ、泊まっていたかもしれない。

宿では、私とジョンが同室となった。

気をつかったのか、誰もジョンと同室になりたくなかったのかまでは、分からない。

「ジョン、お疲れ」

人形ジョン『アンもお疲れ様』

「同室になって良かったね」

人形ジョン『そうですね。同室で無ければ文句を言うところでした』

「ハハ、そうなの」

人形ジョン『アンを一人にしては、危険ですから』

「そっか」

「夜になったら、シェルターに行けるね」

「この部屋に結界を張って、シェルターに行けるんじゃない。誰か来たら分かるようにしてさ」

人形ジョン『そうですね。出来なくはないかも知れません』

「じゃあ、後でやってみようよ」


「今日でまだ三日目だね」

「そろそろ、疲れたし飽きてきちゃった」

「ジョンは平気」

人形ジョン『そうですね。馬に乗っているだけですから、退屈ですね』

「この仕事が終わったら、しばらくはお休みしようか」

「子爵邸での模擬戦も終わりにしてもいいよね」

人形ジョン『そうですね。もう十分でしょう』

「でも、あの子爵が納得するかな」

人形ジョン『しなくても、強制的に終わりにさせましょう』

「最初にちゃんと期限を決めておけばよかったね」


その後、宿で夕食を食べたが、まあまあって感じだった。

シェルターに戻って、口直しにデザートを食べちゃったよ。

今夜は、なぜかジョンと一緒に寝ることになった。

昨日の晩は、ジョンはテントで一人だったから、寂しかったのかな。


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