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第103話 デジャブ、毒入り紅茶再び

「まったく、とんだ時間の無駄だったな」

「ジョンとアンには頼みたいことがあるんだ」

「はい、何でございましょう」


トントン「お茶をお持ちいたしました」

「入れ」

侍女の人がお茶を持ってきてくれたようだ。

女の人が部屋に入ってくると、嫌な感じがした。

私の警戒心が出ていたのか、ピリッとした感じが出てしまった。

お茶を鑑定すると、毒入りだった。

はぁ、デジャブだ。毒入り紅茶だよ。

すぐに、部屋に結界をはる。

一つだけ毒が入っていたので、配り終わるまで待つ。

毒入り紅茶は、子爵閣下に配られた。

「結界 !!!」

紅茶の配られたテーブル全体に結界をはる。

これで、誰も紅茶には手を付けられない。

「なんだ、どうした」

「子爵閣下の紅茶にだけ、毒が入っています」

「なんだと !!!」

「嘘です。私はしていません」

「きっと、そこの女が何かしたんです」


「アン、どういうことだ。説明しろ」

「そこの侍女が入ってきて、嫌な感じがしたので、紅茶を鑑定しました」

「一つだけ毒が入っていましたので、誰に配られるのか待っていました」

「そうしましたら、閣下に毒入りが配られましたので、安全の為に結界を張りました」

「本当に結界を張ったのか」

閣下が紅茶のカップを触ろうとしても、何かに阻まれて触れられない。

「お疑いならば、誰か鑑定を出来る人を呼んで確かめてください」

「おい、呼んで来い」

副団長が部屋から出て行こうとするが、ドアが開かない。

「あー、申し訳ございません。そこの侍女が逃げないように部屋にも結界を張りました。今解除します」

「バインド、解除」

侍女がその隙に逃げ出さないように、バインドで拘束して、部屋の結界は解除した。

「えっ、何よこれ。外しなさいよ」

口にもバインド。

女が喚きうるさいので、猿ぐつわをはめた。


「おお、凄いな」

「はぁ、デジャブだ。やっぱり、子爵は疫病神だ」

「おい、デジャブってなんだ、それに疫病神とは失礼だぞ」

「前の子爵と同じってことです。毒入り紅茶」

「それに、子爵家に酷い目にあうのも三度目です」

「はぁ、鬼門だ鬼門」

「やっぱり、帰ろう」

「おい、ダメだからな。毒が本当なのかも調べないとダメだろう」

そんなやり取りをしていると、廊下からバタバタと音がしてくる。

バンと音がして、勢いよくドアが開く。


「鑑定できる者を連れてまいりました」

「悪いが、テーブルの上にある紅茶全てを鑑定してくれ」

「分かりました」

その人は一つ一つ丁寧にカップを鑑定していく。

「どうだ、分かったか」

「はい、お館様の紅茶にだけ、毒が入っています」

「そうか、何の毒か分かるか」

「致死量まではいきませんが、しびれ、麻痺がおこる毒です」

「これは、後遺症に残る量です」

「そうか、わかった。すまないな」

その人は、お辞儀をして部屋から出て行った。


「さてと、そこの侍女に説明してもらわないとな」

「アン、猿ぐつわだけ外せるか」

「分かりました」

「どうして、俺を狙った」

「私は何もしていません。そこの女が何かしたに違いありません」

「どうして、アンが俺に危害を加える必要がある」

「そこの女は、冒険者です。信用出来ません」

「はぁ、どいつもこいつも、冒険者を見下しおって」

「今すぐに答えなければ、この場で首を切り落とすぞ」

「何を・・・、そんなことが許されるはずありません」

「俺は、ここの当主だ。不敬を働いたお前を処分する権利がある」

「そんな・・・私は何もしていないのに」

「そうか、そんなに首を斬られたいんだな」

子爵が立ち上がると、侍女はガタガタと震えあがる。

子爵が近づこうとすると、後ろに下がっていく。

「早く口を割った方がいいぞ」

侍女は、首を横に振るばかりだ。

「お館様、これを」

副団長が剣を渡す。

剣を鞘から抜き、侍女の首に当てると、観念したのか話し出した。


「わたしは・・・私は悪くありません」

「当然のことをしたまでです」

「妹のされたことを思えば、旦那様が毒を入れられても仕方ないはずです」

「はぁ、なんだと。俺はお前と会ってから、まだ数か月だぞ」

「俺が何をしたというんだ」

「今さら、とぼける気ですか」

「妹は、あなたたちに乱暴されて、ショックから寝たきりになっているんですよ」

「だから、毒を入れられても当然じゃありませんか」

「はあ、そんなことはしていない」

「嘘をつかないでください。何人も被害者がでているんですよ」

「貴族だからとか、当主だからとか許されませんよ」

「なに言っているんだ。俺はそんなことはしていないし、知らない」

「うそ!!!  嘘つき!!! 」


「嘘ではありませんよ。アリソン子爵閣下の言っていることは本当です」

「恐らく、あなたの言う子爵は、前子爵の元デップ子爵のことでしょう」

「元デップ子爵の家令見習いが仲間たちと仕出かしたことです」

「元デップ子爵は、今は男爵に降格されて辺境地に飛ばされました」

「犯罪を行った家令見習いとその父親の家令は、解雇されたのちに、相手は誰かは不明ですがひどい暴行を受けて死亡しています」

「疑うならば、冒険者ギルドまたは、衛兵の詰め所に行けば、教えてくれるでしょう」

「嘘よ、うそ。あなたはこの人の味方をして、そんな事をいうんでしょ」

「本当の事ですよ。なぜなら、アリソン子爵閣下は、この土地に来たばかりですから、そんな犯罪行為は不可能です」

「あなたの言う、子爵とは名前を確認しましたか」

「えっ、いや、だって、ここの子爵だって・・・」

「名前は確認していないのですね」

「だって、あの子も連絡くれた人も、ここの子爵としか言わなかったし」

「子爵が代わっているなんて、誰も言わなかった」

「アリソン子爵閣下も、とんだとばっちりですね」

「この人の兄が調理場にいますよ、その人も共犯者でしょうから捕らえたらどうです」

「お前、なんでそんな事がわかる」

「さあ」

「さあって、お前な」

「私が厨房に行ってきます」

「ああ、同じように拘束してありますから、すぐに分かりますよ」

「はっ!!! 拘束???」

「ええ、逃げられたら困るでしょう」

「お前、どんな手を使ったんだ」

手をヒラヒラしてあげる。

「お前 !!!」


ほどなくして、拘束された男性が連れてこられた。

妹も拘束されているので、ギョッとしている。

同じように、子爵違いのことを説明してあげる、驚いているしガッカリしているようだった。

詳しく尋問するために、地下牢に連れて行かれた。

あの子爵の件がこんなところまで、影響しているとは、こっちもとばっちりだよ。


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